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ここでは、「どおりで」と「どうりで」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。

「どおりで」とは

「どおりで」は、事実や状況が判明し、その原因や理由を理解したときに使う表現です。ある事が起きている理由や、今まで分からなかったことが突然理解できたときに、「そういうことだったのか、なるほど」と感じたときに使います。「どおりで〜だった」という形で用いられ、その後に理解した内容や原因を述べます。

例文:「あの人、転職したんだ。どおりで最近あまり見かけなかったんだ」 この場合、「どおりで最近あまり見かけなかった」は、「あの人が転職した理由で最近見かけなかった」という意味になります。

なお、「どおりで」は口語表現で、一般的な書き言葉ではあまり使用されません。公式な文書や論文等では使用を避け、日常の会話やメール等の非公式な文書で用いられます。

「どうりで」とは

「どうりで」とは、予想や仮定が正しかったことを確認する表現です。または、ある事実を知った上でその理由や原因を理解する際に用いる言葉でもあります。特定の事象が起きた理由や原因を指摘するときに、「そうか、それが理由か、だからそのような結果になったのか」という意味で使われます。

例えば、「どうりで最近忙しそうだったわけだ。新しいプロジェクトが立ち上がったんだね」のように使います。これは、「あなたが最近忙しそうにしていたのは、新しいプロジェクトが立ち上がったからだったのね」という意味になります。

「どおりで」と「どうりで」の違い

「どおりで」と「どうりで」の最大の違いは、それらが使われる文脈と意味です。「どおりで」は主に"その通りで"や"そのように"といった意味で使われ、計画や手順などが予定通りに行われることを表すのに使用されます。例えば、「レシピどおりに作ったら、美味しい料理ができた」。

一方、「どうりで」は、「『~のわけだ、~の理由だ』という意味を持っていて、理由や原因を後から察知する際に使います。例えば、「彼は風邪を引いていたのだ。どうりで元気がなかったんだ」。

類語としては、"どおりで"は「通りに」、「計画通りに」などがあり、「どうりで」は「なるほど」、「そういうわけだ」などがあります。

「どおりで」の例文・使い方

「どおりで」の使用例:

  1. 天気予報通りで、まさに今から雨が降り始めた。
  2. 父の言いつけ通りで、すぐに部屋を掃除した。
  3. 計画通りで、プロジェクトは無事に終了した。

「どおりで」と言う表現は主に、何かが予想や計画、命令等に沿って進行した、あるいは結果が出たときに使います。 この表現は、以下のように、名詞+の+どおりで(もしくは、名詞+どおりで)と形式で使います。

例えば、予想通り、計画通り、約束通り、命令通りなどの形で使うことが一般的です。

この表現を使用する際の注意点は、使用する名詞が具体的な内容や状況を示している必要がある点です。曖昧な名詞や具体性のない名詞では、適切に意味を伝えることができません。具体的で詳細な名詞を用いて、何に沿って事が進行したかを明確にしましょう。

「どうりで」の例文・使い方

「どうりで」は、事情や理由を知って納得したり、ある結果が出たことへの理由づけとして使う表現です。

【例文1】 「あなたが作業に欠かせないチームメンバーなんだね。どうりでみんなが君に頼るわけだ。」

【例文2】 「天気予報では雨だったのか。どうりで傘を持つ人が多かったんだ。」

【例文3】 「君がこのプロジェクトのリーダーだったんだね。どうりでうまく進んでいたわけだ。」

通常、「どうりで」の後には、理由や原因を示す文が続きます。ある状況や事実を知った後に、「それだからそうなのか、納得した」という感情を表現するのに使われます。「どうりで」は主に口語中心なので、ビジネスや公式の文書では「それ故」といった硬い表現に変えることが推奨されます。

「どおりで」「どうりで」の類語・言い換え

「どおりで」「どうりで」の類語・言い換えは以下の通りです。

【「どおりで」の類語・言い換え】

  1. その調子で: ある程度の進展や行程が提示され、それを基に次の行動や結果がうながされる。 例)その調子で読んでください。
  2. その通りで: 他人の言動や考え方などに完全に同意するときに使用する表現。 例)その通りで、私も同じ考えです。
  3. その手順で: 指示やリーダーシップを得てから行動に移すときに使います。 例)その手順で作業を進めてください。
  4. その方向で: ある方向性を示唆し、それに従って行動を促すときに使う。 例)その方向で議論を進めてください。
  5. その進行で: 進行度合いや速度を示し、それに従って行動を促すときに使う。 例)その進行で作業してください。

【「どうりで」の類語・言い換え】

  1. 納得がいく: 疑問点や疑惑が解消され、理解や納得につながる。 例)そういうことだったのか、納得がいく。
  2. そりゃそうだ: ある事象や結果について、それが当然のことであると認めるときの表現。 例)そういう結果になるということは、そりゃそうだ。
  3. 当たり前だ: 聞いた情報や結果が当然のことであると認識するときの表現。 例)そういう結果になるということは、当たり前だ。
  4. そうか: ある事実や情報に納得または理解したときの表現。 例)そういうことだったのか、そうか。
  5. なるほど: ある事実や情報について、理解したときの表現。 例)そういうことだったのか、なるほど。

「どおりで」と「どうりで」の違いまとめ

「どおりで」は「〜通りで」の口語表現で、「〜の通りだから当然だ」という意味を表す。例えば「説明を聞いたので理解できた、どおりでだ」となる。一方、「どうりで」は感動詞で、「そういうわけだったのか」と驚き、または理解した時に使う表現。例えば「彼が言っていたことが全部嘘だった、どうりで話が合わなかった」と使われる。