ここでは、「いずれ」と「いづれ」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「いずれ」とは
いずれは、主に3つの意味があります。
1. 2つ以上のものの中からどちらか一方を指す言葉として使用します。つまり、「どちらか」「どちらにせよ」という意味で使います。
2. 未来のある時点 を指すときにも使用します。この場合、「そのうち」「やがて」などとも言います。
3. また、「どちらにしても」「無論」などの意味もあり、結論や判断を保留する表現に使います。
「いづれ」とは
「いづれ」は古語として用いられる言葉で、現代日本語ではほとんど使われません。「いづれ」は「どれ」を意味し、三つ以上のものから一つを指す場合に使用します。たとえば、選択肢が三つ以上ある場合や、複数の事柄から一つを指す際に用いられます。
「いずれ」と「いづれ」の違い
「いずれ」と「いづれ」は、発音は同じですが、意味や使い方が少し違います。
「いずれ」は、「どちらか」という意味や、「そのうち、近い将来」という意味で用いられます。
「いづれ」は、「どこか」や「どちらか」という意味で使われますが、現代日本語ではあまり使用されません。
現代日本語では、「いずれ」が一般的に使われることが多く、「いづれ」は古文や古語としての用途が主になるでしょう。
「いずれ」の例文・使い方
例文
- 「いずれは自分の会社を起業したいと思っている」
- 「その二つの提案のいずれも私にとって魅力的だ」
- 「彼はいずれ成功するだろうと皆が信じていた」
解説
「いずれ」は、主に3つの意味で使われます。
- 未来のある時点を示す「いずれ(いつか)」
- 二つ以上のものから一つを選ぶという意味の「いずれ(どれ)」
- 多くのものの全てを指す「いずれも(どれも)」
このように、語の意味自体は一貫していますが、状況や文脈によって意味合いが微妙に異なります。意味が複数あるため、どの意味で用いられているのかを文脈から判断する必要があります。判別が難しい場合は近くの文節や文章で補って理解しましょう。 文字として「いずれ」を使うのは比較的自由ですが、口頭で使う場合は若干硬い表現となるので注意が必要です。
「いづれ」の例文・使い方
「いづれ」を使った例文
- 「いづれの道を選んでも、その先には問題が待ち構えている。」
- 「彼がいづれの大学を選択するのか、楽しみである。」
- 「あの二人が結婚する日も、いづれは来るだろう。」
「いづれ」の使い方や注意点
「いづれ」は一般的に「どちら」「いずれ」の古語的な表現で、選択肢の中から一つを指す場合や、将来のある時点を指す表現として使います。時を指す場合は、必ずしも具体的な時点を指さない抽象的な表現であることが多いです。
しかし現代の日本語では、「いづれ」よりも「いずれ」の方がより一般的に使われます。「いづれ」は比較的古風な表現であり、格式高い文書や文学的な表現でよく見られます。日常会話やビジネス文書ではあまり使われません。また、「いづれ」を使うときは古風な雰囲気を出したい場合や、文語体を使いたい場合に限定されます。
「いずれ」「いづれ」の類語・言い換え
「いずれ」の類語とニュアンス
- 「何れ」:「いずれ」と意味がほぼ同じで、将来のある時点や複数の選択肢からどれかを表すときに使います。
- 「そのうち」:「いずれ」よりも具体的な未来を指し、直接的な時間的な延期を伴います。
- 「やがて」:「いずれ」と同様に将来を示すが、「やがて」は比較的近い未来を示す傾向があります。
- 「早晩」:「いずれ」と同じく未来を示しますが、「早晩」は必然性と共に時間が経過することにより、状況が変化することを表します。
- 「 tarde o temprano (タルデオテンプラノ,スペイン語)」: 直訳すると「遅かれ早かれ」となり、「いずれ」と同様に何があっても必ずある時点で起こることを表します。
「いづれ」の類語とニュアンス
「いづれ」は古語で、「どちら」「どなた」などの意味を含み、丁寧な言葉遣いとして使われます。類語としては、「どちら」「どなた」「どれ」「いずれ」「何れ」などがあります。しかし、これらの類語の中では、「いづれ」が最もフォーマルで古風なニュアンスを持ちます。また、「いづれ」は現代の日本語ではあまり使われないため、古典文学や歌詞などの特定の文脈でのみ見かけることが多い言葉です。
「いずれ」と「いづれ」の違いまとめ
「いずれ」と「いづれ」は和語の副詞で、古典的な書き方では「いづれ」、現代表記では「いずれ」を用いることが一般的です。両者とも意味は同じで、「どちら」「どのひとつ」「いつか」を指し、選択・比較の対象や未来の時間を表す場合に使われます。