ビジネス用語ナビ

ここでは、「矜持」と「プライド」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。

「矜持」とは

「矜持」とは、自分の技術や知識、立派さに心から自信を持ち、またそれを保つ心情を指します。古代中国の戦国時代の軍人や学者には、自己の技術や名誉、道徳心などを非常に重視する「矜持」が求められました。

例えば、「匠の矜持」と言えば、職人魂ともいうべき、自分の技を磨き続ける誇りや使命感のことを指します。また、「矜持を保つ」とは、自己の信念や誇りを維持し続けることを意味します。

この言葉には、自己のスキルや地位に固執するという負の意味合いも含まれることがあります。逆に、それがぶれることなく堅持される場合には、周囲から尊敬や信頼を集めることが多いです。

「プライド」とは

「プライド」は英語の「pride」から来ています。それは「自尊心」「誇り」を表す言葉で、一般的には自分自身が持つ価値や能力、成功への自己評価の高さを指します。「プライド」は、個人の行動を推進する大きな力となります。例えば、「プライドが許さない」「プライドを傷つける」など、自尊心や尊厳を守ることで自己尊重を保つ意志の高さを示します。一方で、「プライドが高すぎる」などと言われると、他人を見下す傲慢さを指す場合もあります。

「矜持」と「プライド」の違い

「矜持」と「プライド」の違いは、両者とも「自尊心」や「自己を持ち続ける意志」を意味しますが、そのニュアンスや用途に違いが見られます。

「矜持」は、自分の能力や成果を誇りとする心持ちを表す言葉で、頼りにされ、評価されることへの自己の期待値を示す傾向が強いです。

一方、「プライド」は英語の"Pride"から来ており、自己認識や個人のアイデンティティを意識し、それを保つ意思を強く示す言葉です。自己肯定感や自尊心が強く表現されます。

「矜持」の例文・使い方

矜持を使った例文

  1. 彼は勝負の世界で生き抜くための矜持を持っていた。
  2. 彼女は女性としての矜持を保持し続けた。
  3. 彼の矜持は、彼が直面する困難を乗り越える力となっていた。

矜持という言葉の使い方や使用時の注意点について解説

矜持とは、自我や誇り、価値観を尊重し守ることを指す敬語です。道義や倫理に関連しながら、自分自身を重視し、守ることです。しかし、この言葉はやや古臭い響きを持つため、口語での使用は少なく、主に書き言葉や重々しいシーンで使われます。また、使う文脈によっては自己中心的やプライドが高い、といったネガティブな印象を与える可能性もあります。そのため、状況や相手を考慮しながら適切に使い分けることが重要です。

「プライド」の例文・使い方

プライドを使った例文

  1. 彼は自分のプライドを捨てて、頼みの綱として古い友人に助けを求めた。
  2. 彼女は、誰にも引けを取らないほどのプライドがあった。
  3. プライドの高さが彼の職場での評価を下げている。

プライドについての説明

プライドとは、自己評価、自尊心、自己尊重、威厳、名誉などを意味する言葉です。自分自身や自分の成果を誇りに思うことを表す一方で、他者からの評価を極端に気にする点で使用に注意が必要です。プライドが過剰になると、他者を見下す傲慢さや譲らない頑固さとなって現れ、人間関係を悪化させることがあります。

また、負けず嫌いな性格やプライドが高いという表現では、その人が他者との比較において自分を下に見せたくないという思いを強く持っていることを示します。プライドは自尊心を保つ上で必要な要素ですが、その使い方や程度によっては人間関係の歪みを生む要因ともなり得ます。

「矜持」「プライド」の類語・言い換え

矜持の類語・言い換えと各々のニュアンス

  1. 自尊心 - 自己が価値ある存在であるという認識や信念。日常的によく使われます。
  2. 誇り - 自己の所属、成果、特徴等を高く評価し満足感を得る心情。よく「誇りを持つ」のような形で表現します。
  3. プライド - 英語の"pride"から来ており、自尊心や自己尊重を指す言葉。ビジネスなど公の場で使われることが多いです。
  4. 名誉心 - 他人から認められている自己の地位や名誉を大切にする心情。公の場または社会的な視点から見た自身の評価を重視する場合に使うことが多い。
  5. 自負心 - 自己の能力や功績を自覚し、自信をもっている状態。特に個人の能力や成果を強調したい時に使われます。

プライドの類語・言い換えと各々のニュアンス

  1. 自尊心 - 自己価値の認識や自己を尊重する感情。自分自身のことを誇りに思うことが含まれ、日常的に使われます。
  2. 誇り - 自分の成果、所属、特徴を誇らしげに思う感情。こちらの方が「プライド」よりも感情的なニュアンスを持ちます。
  3. 矜持 - 自己の持つ能力や成果、価値を重んじ守ろうとする気持ち。より堅い言葉であり、武士のような誠実さや尊厳を強調したい時に使われます。
  4. 自負 - 自分の能力を強く信じる心情。特定の能力または技量に自信を持つ場合に使用されます。
  5. 自尊 - 自分自身を尊大に思う感情。自尊心やプライドと同じく、自分自身の価値を認識する意味合いで使用されますが、若干自己中心的な含みもあります。

「矜持」と「プライド」の違いまとめ

「矜持」は自己の尊厳を守ろうとする自尊心や固執すること、また、人より優れた部分を持っていると自慢することを意味します。一方、「プライド」は英語由来のワードで、自尊心や自己尊重感、責任感を含み、自分を高らかに示す意かもしますが、「矜持」ほどの自慢や見栄張りという意味合いは弱いです。