ここでは、「息を呑む」と「息を飲む」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「息を呑む」とは
「息を呑む」とは、主に二つの意味を持つ日本語の成句です。
一つ目は、驚きや興奮などの感情により、一瞬息が止まってしまう状態を表します。たとえば、美しい風景を目にしたときや、予想外の出来事が起こったときなどに使われます。
二つ目は、緊張感や恐怖などにより、自然と深呼吸をする状態を指します。たとえば、試合の直前や、危険な状況に遭遇したときなどに使われます。
この語は、比喩的な言い回しの一部であり、文字通りに息を呑む行為が必要な場面はほとんどありません。
「息を飲む」とは
息を飲む
「息を飲む」は、驚きや怖さ、感動などの強い感情により、一瞬息ができなくなる様子を表す言葉です。「飲む」は元々はどこかに物を取り込む、特に口の中に取り込むという意味です。そこから転じて、感情や思考が突如止まる、あるいは中断される様子を表すようになりました。
「息を呑む」と「息を飲む」の違い
息を呑むと息を飲むは、似ているようで意味が異なります。
「息を呑む」は驚きや感動、恐怖などで一瞬息が止まる状態を表します。文字通り、「息を呑む」ほどの感情が湧き上がったとイメージできます。
一方、「息を飲む」は緊張や恐怖、不安などから呼吸を止めてしまう、または小さく息をする様子を指します。「息を飲む」ほどの精神的な圧力を感じる状況を表現する際に使われます。
「息を呑む」の例文・使い方
- 美しい夕焼けを見て、彼は思わず息を呑んだ。
- そのニュースを聴き、全員が息を呑むほどの衝撃を受けた。
- 眼前の壮絶な戦闘シーンに、観客たちは息を呑んで見入っていた。
「息を呑む」とは、驚きや感嘆、恐怖などの心情により一時的に息が止まる状態を表す言葉です。目の前の風景や現象、聞いたニュースなどに対する非常な驚きや感動が伴う場合に用いられます。注意点としては、本来は驚きや感動が強い場合に使う表現なので、些細なことに使うとその強さが薄れるため、使う場面や状況を選んで使用することが望ましいです。
「息を飲む」の例文・使い方
息を飲むとは、ショックや驚きなどで一時的に息が止まるほど刺激を受ける状態を表す表現です。具体的な例文を以下に3つ挙げます。
- 「彼の告白には、思わず息を飲んだ。」
- 「その突然の出来事に、我々は皆息を飲んだ。」
3.「彼女の美しさに息を飲む男性は数知れず。」
息を飲むは比喩的な表現で、文字通り息を飲むわけではありません。そのため、リアルな描写を必要とするシーンでは注意が必要です。また、言葉自体が直訳すると意味がわかりにくいため、非日本語話者に対してはその用法を説明する必要があるかもしれません。英語などの別の言語に直訳した場合でも、そのニュアンスが失われてしまう可能性があります。
「息を呑む」「息を飲む」の類語・言い換え
「息を呑む」の類語・言い換え
- 驚愕する: 驚きが強すぎて当惑するまでの状態。
- 仰天する: 予想外の出来事に大いに驚くさま。
- 驚き呆れる: あまりの驚きで呆れる、またはとても驚くさま。
- 仰ぐ: 異常な驚きや感動で何も出来ずに目を見開くさま。
- 驚愣する: 驚きのあまり、一時的に反応を止めるさま。
「息を飲む」の類語・言い換え
- 息を殺す: 力強い緊張感や恐怖感により、息を止めてしまうさま。
- 心が止まる: 強い衝撃や驚きによって心臓が止まるかのように感じるさま。
- 息を殺す: 音を立てずに静かにすること、あるいは恐怖や緊張で息を止めるさま。
- 心が凍る: 恐怖や驚きで心が動けない状態を表す。
- 衝撃を受ける: 強い衝撃や驚きを経験するさま。
「息を呑む」と「息を飲む」の違いまとめ
「息を呑む」とは、驚く、恐怖を感じる、強い衝撃を受けるといった衝撃的な情況で自然と息が止まることを表します。一方、「息を飲む」は一般的には使用されませんが、なんらかの理由で一時的に息を止めるといった状況を表す場合に使用することがあります。