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依頼や申し出を優雅に断る方法は、コミュニケーションの鍵となるスキルです。「辞退させていただきたく存じます」は、その中でも特に敬意を持って断る際に用いられる表現です。その語源と使用法、例文や注意点を詳しく見ていきましょう。

「辞退させていただきたく存じます」の基本的な意味と背景

「辞退させていただきたく存じます」は、依頼や提案を丁寧に断る表現です。「辞退」は断ることを、「させていただく」は許可を求めることを、「存じる」は知ることを意味します。つまり、相手からの申し出や依頼を、許可を得て知識として理解した上で丁寧に断っている、という意味が込められています。

「辞退させていただきたく存じます」を使った例文

ビジネスシーンでの例文

  1. 「大変ありがたいお誘いですが、その日は他の予定が入っておりますので、この度は辞退させていただきたく存じます。」
  2. 「新規プロジェクトのお話、大変ありがたく存じます。ただ、現在手がけている仕事が山積みであり、新たな業務を引き受ける余裕がございません。誠に恐れ入りますが、辞退させていただきたく存じます。」
  3. 「プレゼンテーションのお話、誠にありがたいのですが、私では力不足を感じております。適任者を探すお時間を頂戴するため、辞退させていただきたく存じます。」
  4. 「評価委員のお申し出、誠に感謝申し上げます。しかし、私自身が専門家とは言えない分野ですので、適切な判断が難しいと考えております。この度は、辞退させていただきたく存じます。」
  5. 「来月の会議の出席、大変ありがたいお誘いですが、すでに予定が入っておりますので、辞退させていただきたく存じます。」
  6. 「インタビューのお申し出、誠に感謝申し上げます。ただ、私自身がメディア露出を控えておりますので、辞退させていただきたく存じます。」
  7. 「セミナー講師のご依頼、光栄に存じます。しかしながら、現状の仕事量から見ても無理がありますので、大変申し訳ございませんが、辞退させていただきたく存じます。」

日常生活での例文

  1. 「パーティーのご招待、感謝申し上げます。ただ、その日は家族との約束がございますので、辞退させていただきたく存じます。」
  2. 「お子さんのピアノの発表会、ありがたいお誘いですが、その日は予定があり、辞退させていただきたく存じます。」
  3. 「旅行のご提案、誠にありがたいのですが、現状では予算が足りず、今回は辞退させていただきたく存じます。」
  4. 「ボランティア活動にお誘いいただき、光栄に思います。しかしながら、私のスケジュールが厳しく、今回は辞退させていただきたく存じます。」
  5. 「運動会の役員、お声掛けいただき、誠にありがとうございます。ただ、現在の仕事の状況を考えると、その責任を果たせない可能性がありますので、恐縮ですが、辞退させていただきたく存じます。」
  6. 「結婚式の出席、大変ありがたく思います。しかし、既にその日には別の予定があるため、辞退させていただきたく存じます。」

「辞退させていただきたく存じます」の類語と言い換え

ビジネスシーンで「辞退させていただきたく存じます」というフレーズは、丁寧で礼儀正しい断りの表現です。しかし、これだけを繰り返し使うと、一方的な断りの表現になるため、場面や相手によっては他の表現を選択することもあります。以下は、「辞退させていただきたく存じます」のビジネスシーンでの類語や言い換えとそのニュアンスの例です:

  1. 「お断りさせていただきます」: 丁寧な断りの表現であり、「辞退させていただきたく存じます」とほぼ同じニュアンスです。相手に対して敬意を示しつつ、申し出を断ることができます。
  2. 「恐れ入りますが、辞退させてください」: 謙虚な口調で断る表現です。「恐れ入りますが」の部分が、「存じます」と同様に謙遜の意味を持ちます。
  3. 「申し訳ありませんが、お受けできません」: 自分が申し出を断ることに対して謝罪の意を込めた表現です。相手に失礼のないように心遣いを示すことができます。
  4. 「心苦しいのですが、辞退させていただきます」: 決断が難しいと感じつつ、相手に断りを伝える表現です。自分の気持ちや葛藤を含んだ言い回しです。
  5. 「誠に勝手ながら、お断りさせていただきます」: 自分の都合で辞退することを伝える表現で、「勝手ながら」が謙譲のニュアンスを持ちます。

これらの表現は、相手に対して丁寧に断ることができる一方で、堅苦しさを避けることができる点が共通しています。

「辞退させていただきたく存じます」の具体的な使用場面5つ

使用場面1

新しい仕事のオファーがあり、その仕事をする余裕がない場合、「辞退させていただきたく存じます」を使います。

使用場面2

パーティーや集まりに招待されたが、予定が重なった場合もこの表現を使用します。

使用場面3

個人的な理由(健康、家庭の事情など)で提案された活動を断らなければならない場合にも使用します。

使用場面4

専門分野外の任務を断る際にも、「辞退させていただきたく存じます」を使用します。

使用場面5

自身の信条や価値観に反する提案を断る際にも、この表現を使用します。

「辞退させていただきたく存じます」を使う際の注意点

「辞退させていただきたく存じます」を使うタイミング

この表現は、他人の依頼や申し出を丁寧に断る際に用います。ですが、あまりにもカジュアルな状況では硬すぎると感じられる可能性もあるので注意が必要です。

「辞退させていただきたく存じます」を使う際のマナーと具体例

断る理由を簡潔に述べ、相手の提案に感謝の意を示すことが重要です。「お誘いいただき、大変光栄に思いますが、現状の仕事量を考慮すると、申し訳ないのですが辞退させていただきたく存じます」と言うように、感謝の意を明確に示しましょう。

「辞退させていただきたく存じます」を使ったビジネスメール例

山田様


先日は貴重なお時間を割いて、新プロジェクトのご説明をいただき、誠にありがとうございました。大変興味深い内容で、大いに考えさせられました。

しかしながら、現状の業務量と私のスキルセットを考慮すると、このプロジェクトに十分な時間とエネルギーを割くことが難しい状況にあります。このため、大変申し訳ありませんが、この度のプロジェクトへの参加を辞退させていただきたく存じます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

中村

「辞退させていただきたく存じます」の意味や使い方・例文まとめ

「辞退させていただきたく存じます」は、ビジネスシーンや日常生活で、他人の依頼や申し出を丁寧に断るための表現です。使用する際は、感謝の意を示し、理由を簡潔に述べることがマナーです。