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ここでは、「お手間」と「お手数」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。

「お手間」とは

「お手間」は、何か特定のことを達成するために必要な時間や労力を指します。この言葉は主に、他人から何かを頼まれてそれを実行する際にかかる苦労や労力を表現するのに用いられます。また、「お手間をかける」というフレーズは、相手に迷惑をかけたり、余分な作業をさせたりすることを謝るときに使います。

「お手数」とは

お手数とは、人に何かを頼む際や、手続きをする際などに、相手に手間をかけることを丁寧に表す言葉です。お手数をおかけしますが、という形で使われることが多く、相手に配慮の意を示す表現です。自分のために他人に何かをしてもらう状況で使います。この言葉には直訳すると「労力を使ってくれること」を意味します。

「お手間」と「お手数」の違い

「お手間」と「お手数」という言葉はどちらも他人に労力や時間を使ってもらう際に用いられる敬語ですが、それぞれ適用する場面や意味に微妙な違いがあります。

「手間」は、仕事や作業などで使う労力や時間、工夫を指します。したがって、「お手間」は、他人に具体的な作業や課題を頼む際に用いる言葉と言えます。例えば、「お手間をおかけしますが、レポートの校正をお願いできますか」などと用いられます。

一方、「手数」は手間よりも広範で、複数の作業や手順、煩雑な事柄を含みます。「お手数」は、他人にいくつかの手続きや段取りを頼むときなどに使います。例えば、「お手数ですが、書類の提出手続きをお願いできますか」などと用いられます。

「お手間」の例文・使い方

お手間

「お手間」は、手間をかけて何かをすること、またはそのようなくだけた労力のことを指します。なお、礼儀をはらった表現として、他人に対して手間をかけてもらう際や、他人に手間をかけた際の謝罪等の文脈で使われます。

使用例

  1. お手間をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。
  2. お手間をおかけしますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
  3. お手間を掛けてくださいまして、誠にありがとうございます。

注意点と使い方

「お手間」という言葉は、手間をかけて何かをすることを慎重に表現するために使われます。しかし、相手がその「手間」を自由に選択できるような文脈ではない場合や、手間をかけることが相手にとって負担になる可能性がある場合には注意が必要です。例えば、自分の仕事を他人に押し付けるような形で「お手間をおかけしますが」と前置きするのは、失礼ととられる場合があります。

「お手数」の例文・使い方

「お手数」

例文

  1. お手数をおかけしますが、コピーをお願いできますでしょうか?
  2. お手数ですが、この書類にサインをお願いします。
  3. 本当にお手数をおかけしました。

解説

「お手数」は、他人に対して何かを頼むときの社交表現で、頼む行為が相手にとって「手間」や「労力」を必要とすることを伝える言葉です。「お手数をおかけしますが」というように会話の前置きとしてよく用いられます。また、「お手数ですが」や「お手数をおかけして申し訳ありません」のように、謝罪やお詫びの言葉を伴うことも多いです。使い方に注意すべき点は、宛て先に対する敬意を示す表現であるため、親しい間柄や、非公式な場所、状況では不適切な可能性があります。

「お手間」「お手数」の類語・言い換え

【お手間】

  • お手数: 「お手間」よりも丁寧度が少し上がる表現。
  • 手間取る: 特に時間が多くかかることを表す。
  • 労力を使う: 力仕事がつきもので、物理的な労力が必要な作業を指す。
  • 一苦労: 非常に困難な作業を指し、間違えてしまいそうなものや細心の注意が必要な作業を指す。
  • 骨を折る: 非常に手間のかかる作業を指し、成功させるためには大量の手間と努力が必要となる事象を指す。

【お手数】

  • お手間: 「お手数」よりも幾分カジュアルな表現。
  • 面倒を見る: 他人に対して何かをするための労力を表す表現。
  • 手を煩わせる: 特に人に対して何かをお願いする場面で使用される。
  • 労をかける: 他人に対して時間や労力を使わせることを指す。
  • 迷惑をかける: 「お手数」よりも少し重く、相手に対して大変な労力を使わせてしまう状況を指す。

「お手間」と「お手数」の違いまとめ

「お手間」と「お手数」の違いは関連する作業の長さや複雑さによります。"お手間" は一つの作業が長時間や多くの労力を必要とすることを強調します。一方、"お手数"は、たくさんの作業や複雑な作業、細かな手続きを必要とすることを意味します。