ビジネス用語ナビ

「配偶者」という言葉の正しい意味や履歴書の配偶者欄の記載方法に迷っていませんか?また、扶養家族との違いについても分かりにくいと感じる方が多いようです。

この記事では、「配偶者」の定義をわかりやすく解説し、履歴書の記入例や扶養家族に関する基礎知識を紹介します。

読むことで、正確な知識を身につけ、自信を持って書類を作成できるようになるはずです!

配偶者の意味を確認

「配偶者」という言葉の意味を正しく理解することは、履歴書の記載や公的手続きで重要です。

ここでは、「配偶者」の定義や法律上の扱いについて詳しく解説します。

配偶者には権利も発生する

配偶者になることで、法律上さまざまな権利が発生します。

民法では、夫婦は互いに 同居、協力、扶助の義務 を負っています。具体的には、日常の家事に関する連帯債務や、子どもの監護と教育に関する共同の権利と義務が生じます。

特に注目すべきは、相続に関する権利です。近年の法改正により、配偶者居住権 という新しい制度が設けられました。

これは、配偶者が亡くなった配偶者の自宅に終身または一定期間住み続けることができる権利を意味します。

内縁関係の夫・妻は該当しない

配偶者の定義は、税法上と社会保険上で異なる点に注意が必要です3。

税法上の配偶者は、民法の規定による正式な婚姻関係にある夫婦のみを指し、内縁関係や事実婚は原則として配偶者に含まれません3。

具体的には、戸籍に婚姻届を提出し、法的に結婚が成立している夫婦のみが対象となります。内縁関係や事実婚の場合、法律上は配偶者とみなされないため、税制上の優遇措置を受けることができません5。

ただし、社会保険上では、内縁関係や事実婚も配偶者として扱われる場合があるため、状況によって定義が異なることを理解しておく必要があります。

履歴書における「配偶者欄」「配偶者の扶養義務欄」の書き方

履歴書の配偶者欄は、社会保険上の基準で記入します。配偶者がいる場合は「有」に、いない場合は「無」に○をつけます。

事実婚や内縁関係の場合も、証明できる書類があれば「有」として記載できます。

配偶者の扶養義務欄は、配偶者の年収が130万円未満の場合は「有」、130万円以上で自身で社会保険に加入している場合は「無」となります。

扶養家族数は配偶者を除いた家族の人数を記入するため、独身の場合は必ず「0」と記入することが重要です。配偶者の収入や家族構成によって、記入方法が変わるので注意が必要です。

配偶者控除とは

配偶者控除の意味と適用条件

配偶者控除は、収入が一定以下の配偶者がいる場合に、納税者の税金を軽減する制度です。

適用を受けるためには、以下の厳格な条件を全て満たす必要があります:

  • 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下(給与収入のみの場合は年収1,195万円以下)
  • 配偶者が民法上の正式な婚姻関係にあること
  • 配偶者と生計を一にしていること
  • 配偶者の年間所得が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)
  • 配偶者が事業専従者ではないこと

この制度は、専業主婦や収入の少ない配偶者がいる世帯の税負担を軽減することを目的としています。ただし、内縁関係や事実婚のパートナーは対象外となるため、注意が必要です。

配偶者控除と配偶者特別控除の違い

配偶者控除と配偶者特別控除は、配偶者の年収額によって適用される範囲が異なります。

配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合に適用されます。一方、配偶者特別控除は、配偶者の年収が103万円を超えて201万円までの場合に適用されます。

これらの控除には、扶養者の所得に上限があり、合計所得金額が1,000万円(給与収入のみなら年収1,195万円)を超えると適用されません。

世間でよく聞く「103万円の壁」「201万円の壁」は、まさにこの控除制度に由来しているのです。

配偶者控除の改正ポイント

配偶者控除は、近年大きな改正が行われました。これまでは夫の合計所得金額に制限がなく、妻の年収が103万円以下であれば38万円の控除が受けられていました。

しかし、改正後は以下のような変更点があります:

  • 夫の合計所得金額が1,000万円(年収1,220万円)を超えると、配偶者控除を受けられなくなります
  • 夫の所得に応じて控除額が3段階で算出されるようになりました
  • 夫の合計所得金額が900万円以下の場合は従来通り38万円の控除
  • 900万円超〜950万円以下の場合は26万円
  • 950万円超〜1,000万円以下の場合は13万円

さらに、配偶者特別控除においても、妻の所得要件が38万円(年収103万円)から85万円(年収150万円)まで引き上げられ、123万円(年収201万6千円)までは収入に応じて段階的に控除額が減少します。

扶養家族とは

扶養家族とは、生活費や医療費などを他の家族(通常は働いている家族)に依存している家族メンバーのことを指します。

健康保険法における扶養家族(被扶養者)は、主に以下のような特徴があります:

  • 収入が一定金額(通常130万円)未満の家族
  • 子ども、両親、祖父母、兄弟姉妹などが含まれる
  • 配偶者は扶養家族数に含まれない

履歴書の扶養家族欄には、配偶者を除いた家族の人数を正確に記入する必要があります。独身や一人暮らしの場合でも、必ず「0人」と記載することが重要です。

最近では、プライバシーへの配慮から、扶養家族欄を削除した新しい履歴書様式も普及しつつあることに注意しましょう。

履歴書の「扶養家族欄」の書き方

履歴書の「扶養家族欄」は、正確に記載する必要がありますが、迷いやすいポイントも多い項目です。ここでは、具体的な書き方や注意点について詳しく解説します。

扶養家族数欄の書き方

扶養家族数の記入は、自分自身と配偶者を除いた、あなたが実際に扶養している家族の人数を記載します。

重要なポイントは以下の通りです:

  • 扶養家族に含まれるのは、子ども、両親、祖父母、兄弟姉妹などです。
  • 扶養家族がいない場合は、必ず「0」と記入する必要があります。
  • 独身で一人暮らしの場合でも、空欄にせず「0」と記入しましょう。

家族の年収が130万円未満であることが、扶養家族としてカウントされる目安となります。

注意点として、履歴書の扶養家族欄は通常「配偶者を除く」と明記されているため、配偶者は人数に含めません。

扶養家族欄を書かなければいけない理由

履歴書の扶養家族欄は、一見プライベートな情報に思えますが、実際には企業にとって重要な事務手続きに関わる情報です。

主な理由は、社会保険の加入手続きや各種税金の算出に必要な情報を事前に把握するためです。

企業は、従業員の家族構成を知ることで、正確な社会保険手続きや住宅手当、扶養手当などの支給額を適切に計算できます。

また、転勤や勤務形態を検討する際に、従業員の家族状況を考慮することができます。

ただし、厚生労働省のガイドラインでは、扶養家族の有無や人数が採用選考に影響を与えてはならないと定められています。

扶養家族の数え方

扶養家族の人数を数える際は、まず自分自身と配偶者を除外することが重要です。

具体的には、子ども、両親、祖父母、兄弟姉妹などが扶養家族としてカウントされます。

別居している場合

別居している家族を扶養家族として数える際は、経済的な支援の有無が重要なポイントとなります。具体的には、以下のような条件を満たす場合に扶養家族として認められます:

  • 別居している親族に定期的に仕送りをしている
  • 生活費の一部を支援している
  • 親族の年収が一定金額(130万円)未満である

例えば、別居中の両親や兄弟姉妹を経済的にサポートしている場合、履歴書の扶養家族欄にその人数を正確に記入する必要があります。

ただし、単に連絡を取っているだけや、たまに小遣いを渡す程度では扶養家族とは見なされないため、実質的な経済的支援があるかどうかを慎重に判断しましょう。

配偶者とはまとめ

この記事では、「配偶者」の正しい意味や履歴書の配偶者欄の書き方、扶養家族との関係について解説しました。

これらを正確に理解することで、就職活動や公的手続きでのミスを防ぎ、スムーズに対応できるようになります。

ぜひこの記事を参考に、正確な知識を活用して、自信を持って手続きを進めてください!ブックマークして必要なときに役立てましょう。