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メールや手紙の最後に「P.S.」と書かれた文章を見たことがある方も多いでしょう。 

よく使われる表現ですが、相手や状況によっては適切でない場合もあり、使い方に注意が必要です。

本記事では、「P.S.」の意味や正しい使い方を解説し、ビジネスシーンでも活用できる言い換え表現をご紹介します。

「P.S.」とは

まず初めに、「P.S.」の基本的な意味や表記方法について確認しましょう。

「P.S.」の意味

「P.S.」は、ラテン語の 「post scriptum(ポスト・スクリプトゥム)」 の略語で、「後から書かれたもの」という意味を持ちます。

手紙やメールの本文を書き終えた後、署名の下に追加で書き添える文章のことを指し、忘れた情報を補足したり、強調したいポイントを再度伝えたりする際に使用されます。

ビジネスメールではあまり使われませんが、カジュアルなやり取りや広告、マーケティングメールなどでは効果的に活用されることがあります。

「P.S.」の正しい表記

「P.S.」にはいくつかの表記方法がありますが、どれも意味は同じです。英語圏では好みや文書のフォーマルさによって使い分けられます。

P.S.(一般的で正式な表記)

最もよく使われる標準的な表記です。特に手紙やカジュアルなメールで広く使われます。

  • 「P.S. I’ll call you later.(追伸:後で電話するね。)」

PS(省略形でフォーマルな文書向き)

公式な文書やビジネス寄りの場面では、大文字の「PS」が使われることがあります。

  • 「PS Please confirm the schedule.(追伸:スケジュールの確認をお願いします。)」

p.s.(非公式な手紙やメモ向き)

小文字の「p.s.」は、親しい間柄のカジュアルな手紙やメモなどで使われることが多いです。

  • 「p.s. Don't forget to feed the cat.(追伸:猫にエサをあげるのを忘れないで。)」

ps(インフォーマルなメールやSNS向き)

最もカジュアルな表記で、SNSの投稿やテキストメッセージなどで使われることがあります。

  • 「ps. See you tomorrow!(追伸:また明日!)」

「P.S.」の使用場面と例文

以下では、「P.S.」の使い方を使用場面と合わせてご紹介します。

心遣いの表現

季節の挨拶や体調を気遣う

季節の変わり目や天候の影響を考慮し、相手の体調を気遣うメッセージを添えることで、思いやりのある印象を与えます。

  • P.S. 寒い日が続きますので、どうぞご自愛ください。
  • P.S. 素晴らしい週末をお過ごしください。
  • P.S. 季節の変わり目なので、体調にはくれぐれもお気をつけください。

感謝の気持ちを伝える

相手への感謝を「P.S.」に添えることで、より心のこもったメッセージになります。特に、相手の支援や親切に対して感謝を伝える際に有効です。

  • P.S. この一年のご支援に心より感謝申し上げます。
  • P.S. あなたの親切な心遣いに深く感動しました。
  • P.S. いつも温かいご対応をいただき、本当にありがとうございます。

情報の追加

本文で書き忘れた内容の補足

メールや手紙の本文では伝えきれなかった内容を追記し、誤解のないよう補足する役割を果たします。

  • P.S. 金曜日の会議は来週火曜日11時に変更になりました。
  • P.S. オンラインドキュメントに追加する権限がなかったため、別文書を作成しました。
  • P.S. 参考資料を添付し忘れましたので、改めてお送りします。

本題とは別の話題

「P.S.」を使って、メールの本題とは直接関係のない内容を付け加えることができます。これにより、フォーマルなメールでもフレンドリーな印象を与えることができます。

  • P.S. この度は昇進おめでとうございます!
  • P.S. 先日のプレゼンテーション、とても素晴らしかったです。
  • P.S. お誕生日おめでとうございます!素敵な1年になりますように。

「P.S.」を使う際の注意点

「P.S.」は便利な表現ですが、使い方には注意が必要です。

以下では、「P.S.」を使う際の注意点を詳しく解説します。

ビジネスメールでは基本的に使用しない

ビジネスメールでは、原則として「P.S.」の使用は避けるべきです。

これは、ビジネスコミュニケーションにおいて、文章の整理が求められ、必要な情報を本文内に適切に盛り込むべきだからです。

「P.S.」はもともと手紙文化から来た表現であり、現代のメールでは、情報が明確に伝わるように構成を考えることが重要です。

特に、顧客や上司へのメールでは、正式な構成を意識し、「P.S.」に頼らず、本文の適切な箇所で伝えるようにしましょう。

どうしても追加情報が必要な場合は、メール本文を修正するか、新たに別のメールを送ることをおすすめします。

仲の良い同僚であれば使える

「P.S.」はフォーマルなビジネスメールには適しませんが、仲の良い同僚との日常的なやり取りでは比較的自由に使うことができます。

例えば、業務連絡の後に軽いジョークを加えたり、個人的な話題を付け加えたりする場合に便利です。

「P.S. そういえば、昨日の会議での発言、すごく参考になりました!」といった形で、親しみを込めたメッセージを添えることで、良好な関係を築くことができます。

また、カジュアルな関係性の同僚に対してのみ使用するのが望ましく、上司や取引先には避けた方が無難です。

重要な内容は書かない

「P.S.」を使用する際に注意すべき点のひとつは、重要な内容を追伸に記載しないことです。

「P.S.」はあくまで補足情報を伝えるためのものであり、伝えたい内容が相手に確実に届くようにするためには、本文内でしっかり記載することが必要です。

例えば、会議の時間変更やプロジェクトの重要な決定事項などをP.S.に書いてしまうと、相手が見落とす可能性があります。

また、相手に対して「この情報はついでに伝えている」といった印象を与えかねません。

そのため、P.S.には軽い補足情報やカジュアルなコメントを記載するに留め、重要な要件や業務に関する連絡事項は必ず本文内で明確に伝えるようにしましょう。

お詫びやお礼などは本文で伝える

お詫びやお礼の言葉は、メールの本質的な目的として伝えるべき重要な内容です。

そのため、「P.S.」に記載するのではなく、本文の冒頭または結びの部分にしっかりと記述することが求められます。

例えば、「P.S. 先日はご対応いただきありがとうございました。」と記載すると、あくまで補足的な扱いになり、感謝の気持ちが十分に伝わらない可能性があります。

代わりに、本文の締めくくりとして、「改めまして、このたびはご支援いただき誠にありがとうございました。」と明確に述べる方が、誠意が伝わりやすくなります。

文章は2〜3行程度の短い内容にする

「P.S.」を使う際には、文章の長さにも注意が必要です。

P.S.は追伸として簡潔に付け加えるものなので、長文になってしまうと、本来本文に含めるべき内容をP.S.に回しているような印象を与えてしまいます。

そのため、P.S.の文章は2〜3行以内にまとめ、簡潔に伝えることを意識しましょう。

例えば、「P.S. 次回の会議では、新しい提案について話し合う予定です。」や「P.S. 出張のお土産、楽しみにしていてくださいね!」といった短いメッセージが適しています。

「P.S.」を使うメリット

「P.S.」は、メールや手紙の最後に添えることで、特別な効果を生む便利な表現です。

以下では、「P.S.」を使うことで得られるメリットについて詳しく解説します

メッセージを強調して記憶に残りやすくする

「P.S.」を使うことで、本文と視覚的に切り離された追加情報が目立ち、読み手の記憶に残りやすくなります。

特に、本文で伝えた重要なポイントをもう一度強調したいときや、イベントの日時などをリマインドする際に効果的です。

例えば、「P.S. 明日のミーティングは10時開始ですので、お忘れなく!」と追記することで、相手が重要な情報を見落としにくくなります。

また、マーケティングメールなどでは、最後の一押しとして「P.S. 今週末までの特別割引をお見逃しなく!」のように使うと、行動を促す効果も期待できます。

親しみやすさを演出できる

​また、「P.S.」を活用すると、メールや手紙に温かみを加え、相手との距離感を縮めることができます。

特に、フォーマルな本文の後に個人的なメッセージを添えることで、親しみやすい雰囲気を演出できます。

例えば、業務連絡のメールの後に「P.S. そういえば、先日のプレゼン、とても素晴らしかったです!」と書くと、相手への気遣いや好意が伝わります。

また、プライベートなメールやSNSのメッセージでは、「P.S. 次に会うときは、またカフェ巡りしましょう!」といった形で、軽いメッセージを添えることで、自然な親しみを感じさせることができます。

ビジネスで使える「P.S.」の言い換え表現

ビジネスメールでは、「P.S.」はカジュアルな印象を与えるため、フォーマルな言い回しに言い換えることが望ましいです。

以下では、ビジネスシーンで使える適切な表現をご紹介します。

末筆ながら/末筆ではございますが

「末筆ながら」は、手紙やメールの最後に、本文とは別の内容を追加する際に使われる格式の高い表現です。

特に、相手の健康や会社の発展を祈るメッセージを添える場合によく用いられます。「末筆ではございますが」とすることで、より丁寧なニュアンスになります。

  • 末筆ながら、貴社のますますのご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
  • 末筆ではございますが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 末筆ながら、貴殿のご活躍をお祈り申し上げますとともに、引き続きご指導賜りますようお願い申し上げます。

最後に/最後になりますが

「最後に」や「最後になりますが」は、話や文章の最後に重要な情報や要点を伝える際に使用する表現で、P.S.のように本文とは切り離した形で補足情報を述べる場合にも適しています。

  • 最後に、来週のミーティングの日程について確認させていただきたいです。
  • 最後になりますが、本件に関するご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。
  • 最後に一つお願いがございます。お手数ですが、添付ファイルをご確認いただけますでしょうか。

「P.S.」を使ったメールに返信は必要?

「P.S.」が含まれたメールを受け取った場合、どのように対応すべきか迷うことがあるかもしれません。

以下では、「P.S.」を使ったメールへの適切な対応について解説します。

質問や確認事項がある場合は返信が必要

「P.S.」の部分に質問や確認事項が含まれている場合は、基本的に返信が必要です。

P.S.は補足情報として使われることが多いため、本文の主要な内容とは別に質問が記載されていることがあります。

ただし、返信の際に「P.S.」を使って返答する必要はなく、本文中に自然な形で返答を織り込むのが望ましいです。

例えば、「P.S. 次回の会議の開始時間は変更になりましたか?」と書かれていた場合、返信の冒頭や適切な文脈の中で「次回の会議は10時開始の予定です。」と述べましょう。

また、質問が複数ある場合は、箇条書きにするなどしてわかりやすく回答すると、相手にとっても読みやすく、スムーズなやり取りが可能になります。

単なる情報共有の場合は返信不要

「P.S.」で書かれた内容が単なる情報共有の場合、基本的に返信は必要ありません。

P.S.はあくまで補足的なメッセージとして使われるため、相手が返信を期待していないケースが多いからです。

特に、CCで送られてきた情報共有メールの場合は、送信者が直接のアクションを求めているわけではないため、返信を求められない限り返信を控えるのが適切です。

例えば、「P.S. 明日のセミナーの資料を共有しましたので、ご確認ください。」とあった場合、送信者が特に意見やフィードバックを求めていない限り、返信する必要はありません。

「P.S.」の他の意味

「PS」という略語は、手紙やメールでの追伸以外にも、様々な分野で使用されています。

「PS」の主な意味と用途を分野別にまとめました。

分野

省略前の言葉

説明

コンピューター

PostScript

高品質な印刷を可能にするページ記述言語

ゲーム機

PlayStation

ソニーの家庭用ゲーム機シリーズ

建築

パイプスペース

賃貸物件の間取り図で給排水設備の配管スペースを示す

医療

Performance Status

患者の日常生活動作レベルを評価する指標

ゲーム

Player Skill

オンラインゲームでプレイヤーの上手さを表す

科学

Photoshop

Adobe社の画像編集ソフトウェア

電気

Power Supply

電源装置

「P.S.とは」まとめ

「P.S.」は、メールや手紙で補足や強調を伝える便利な表現ですが、使う場面や相手に注意することが大切です。

特にビジネスメールではカジュアルな印象を与えるため、フォーマルな言い換え表現を活用することで、より適切なコミュニケーションが取れます。

また、「P.S.」には様々なメリットがありますが、重要な内容は本文でしっかり伝えることが基本です。

本記事を参考に、状況に応じた適切な表現を使い分け、より効果的なメール作成を目指しましょう!