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大学の GPA(Grade Point Average)とは、成績を数値化した指標で、学業成績の評価に用いられます。

多くの大学では、GPAが一定基準を満たすと奨学金の対象になるなど、進学や卒業に影響を与える重要な要素です。

また、近年では 就職活動においても企業がGPAを重視する傾向があり、その重要性が高まっています。

この記事では、GPAの計算方法や平均値、就活への影響などについて分かりやすく解説します。

「GPA」とは?

GPA(Grade Point Average)とは成績指標値と呼ばれ、学生が履修した科目の成績を点数化し、算出された1単位あたりの平均点です。

この制度は学生の学習意欲を高め、適切な修学指導に役立てることを目的に導入されています。

アメリカの大学で標準的に使用されている評価方式で、日本の大学でも2000年代から導入が進み、現在では90%以上の大学がGPA制度を採用しています。

「GPA」の計算方法

以下では、どのように「GPA」を算出するのか、具体的な計算方法を詳しく解説します。

「GPA」を算出してみよう

各科目の成績をGPに変換する

  • 90~100点(秀):4ポイント
  • 80~89点(優):3ポイント
  • 70~79点(良):2ポイント
  • 60~69点(可):1ポイント
  • 0~59点(不可):0ポイント

まず、各科目の成績をグレードポイント(GP)に変換し、そのGPを科目の単位数で重み付けします。たとえば、科目Aが3単位でGPが4の場合、上の例に基づくと、その科目の総ポイントは

3×4=12ポイントとなります。

次に、全科目における重み付けされたGPの総和を計算します。すべての科目で計算した総ポイントを単純に合計することで、重み付けされた総ポイントが求まります。

最後に、この合計した総ポイントを履修した全単位数で割ります。この計算結果が、あなたのGPAとなります。

実際にGPAを求めてみよう

科目A(4単位、成績92点)、科目B(2単位、成績88点)、科目C(2単位、成績75点)の場合のGPAを計算してみましょう。

  • 科目A: 4単位 × 4GP = 16ポイント(90~100点で4ポイント)
  • 科目B: 2単位 × 3GP = 6ポイント(80~89点で3ポイント)
  • 科目C: 2単位 × 2GP = 4ポイント(70~79点で2ポイント)

合計ポイント = 16 + 6 + 4 = 26ポイント 履修単位数 = 4 + 2 + 2 = 8単位

GPA=26/8=3.25

「GPA」の平均値

大学によって平均値は異なりますが、GPAの平均は2.4~2.8が一般的な目安となっています。3.0以上のGPAを持つ学生は全体の約3割程度で、優秀な成績として評価されます。

具体的な評価の目安は以下のようになります:

  • 3.5以上:大変優秀
  • 3.0~3.4:優秀
  • 2.4~2.8:平均的
  • 2.3以下:努力が必要

ただし、同じ大学でも文学部の平均は3.0、経済学部では2.1など、学部による差が生じることがあります。

また、授業の難易度や教授の成績評価基準によってGPAの数値は変動するため、異なる大学や学部間での単純な比較は難しいとされています。

「GPA」の評価基準は?

一般的な5段階評価の基準は以下のようになっています:

評価区分

GPA

点数

S/秀

4

90~100点

A/優

3

80~89点

B/良

2

70~79点

C/可

1

60~69点

D/不可

0

60点未満

ただし、評価基準は大学によって異なる場合があります。

「GPA」は何に関係する?

GPAは、大学生活や将来の進路において重要な指標となります。以下では、具体的にどのような場面に関係するのかについて確認していきます。

進級・卒業

大学では、学生が進級や卒業するためには一定のGPAを維持することが求められることが多く、具体的には、多くの大学でGPA2.0以上を保持することが最低条件とされています。

この基準を満たしていない場合、進級が制限されるか、最悪の場合退学に至ることもあります。

さらに、専攻によってはより高いGPAが要求されることもあり、学生は定期的な試験やレポートの成績を通じて、恒常的に良好な学業成績を保つ必要があります。

留学・奨学金

留学においては、多くの大学が最低GPA基準を設けており、これを満たすことが応募の条件となります。

奨学金に関しては、多くのプログラムでGPA基準が設けられており、一般的にJASSO奨学金では2.3以上が要件とされています。

アメリカの大学留学では、GPA3.2以下で奨学金が支給されなくなるケースもあります。

ゼミ・研究室配属

大学におけるゼミや研究室の配属では、GPAが高い順に希望の研究室を選べる制度を採用している大学が多くあります。

特に人気の研究室は定員オーバーになりやすく、その場合はGPAが重要な選考基準となるため、学部の成績をしっかりと維持することが希望の研究室に配属されるために重要となります。

一般的に、GPAが3.0以上あればほとんどの研究室で安心して希望を出せるとされますが、特に人気の高い研究室では3.5以上が求められる場合もあります。

また、研究室ごとに選考基準が異なり、面接や研究計画書の提出を求められることもあります。

就職活動

日本企業における就職活動では、GPAの重要性はそれほど高くなく、「参考程度」として扱われることが多いです。

ただし、企業によっては成績証明書の提出を求める場合があり、その目的は主に卒業可能性の確認や学生の真面目さを判断することにあります。

一方で、外資系企業ではGPAを基礎学力の指標として重視し、特に3.0以上を求められることが一般的です。

特に、コンサルティング業界や投資銀行、IT企業などでは、3.5以上のGPAを有する学生を優先的に採用するケースもあります。

大学院進学

多くの大学では、GPAが一定以上の学生を対象に内部推薦制度を設けており、一般的にはGPAが上位3分の1や2分の1に入ることで推薦の対象となることが多いです。

GPAが高ければ筆記試験や面接試験が免除される可能性もあり、スムーズな進学が可能になります。

また、外部の大学院を受験する場合でも、GPAが高いことは願書の評価に影響を与えることがあり、研究実績や学会発表の経験がない場合は、GPAが重要な指標となり得ます。

海外の大学院ではGPA3.5以上を求められることが多く、奨学金の申請にも影響を与えるため、大学院進学を視野に入れている場合は早い段階から成績を意識しましょう。

「GPA」が特に重要視される企業・職種 

GPAは、企業や職種によって重視される度合いが異なります。以下では、「GPA」が特に重要視される業界や職種について詳しくご紹介します。

外資系企業

外資系企業は日本企業よりもGPAを重視する傾向があります。

これは、GPAが欧米を中心に広く普及している評価制度だからです。外資系企業を目指す場合、GPA3以上は必要とされます。

外資系企業がGPAを重視する理由として、以下の点が挙げられます。

  • あらゆる業務で必要となる基礎的な能力の判断材料として使用される
  • GPAが高い学生は、苦手な分野を作らず継続して良い成績を残す力があると評価される

研究職・専門職

研究職や専門職においては、GPAが特に重視される傾向にあります。これは、大学で学んだ知識をそのまま活かす職種であるため、学業成績がその分野における専門性の高さを示す指標となるためです。

特に、理系の研究職では、GPA3.5以上が求められることが多く、大学院進学を前提とする職種ではさらに高いGPAが求められる場合もあります。

例えば、製薬会社の研究職や半導体開発、人工知能(AI)、データサイエンスなどの分野では、専門的な知識が必要不可欠であり、GPAが高い学生ほど採用時に有利とされています。

また、研究機関や国のプロジェクトへの参加を希望する場合、GPAが一定の基準を超えていないと応募すらできないこともあります。

金融系企業

金融業界では、特に大手銀行、証券会社、保険会社、コンサルティングファームなどでGPAが重視されることが多いです。

これは、入社後に金融関連の資格取得が推奨されるため、学業への取り組み姿勢を測る指標としてGPAが利用されるためです。

金融業界で求められる資格には、公認会計士(CPA)、証券アナリスト(CFA)、ファイナンシャルプランナー(CFP)、日商簿記1級などがあり、これらの資格試験には高度な学習能力が求められます。

そのため、GPAが高い学生ほど「勉強する習慣がある」と判断され、採用で有利になるケースが多くあります。

特に外資系の金融機関や投資銀行では、GPA3.5以上が求められることもあり、国内の大手金融機関でも一定水準のGPAが期待される傾向があります。

大手企業

大手企業では、応募時に大学成績センターへの登録やGPAの申告を義務付けているケースがあります。特に、以下のような企業では、採用時にGPAを考慮する場合があります。

  • 総合商社(三菱商事、三井物産など)
  • メーカー(東レ、帝人、富士通など)
  • 製薬会社(大塚製薬など)
  • たばこ産業(JTなど)

これらの企業では、社内の研修や資格取得が必須となるケースが多いため、学習意欲が高く、継続的に努力できる学生を求める傾向があります。

また、書類選考の際にGPAの基準を設けている企業もあり、例えば「GPA3.2以上の応募者を優遇する」といったケースも見られます。

学校推薦での就職先

大学の推薦制度を利用して就職する場合、GPAの高さが重要な要素となります。

企業側としても、推薦枠を提供する以上、一定の学力や素行を満たす学生を受け入れたいと考えているため、GPAが高い学生が優先的に推薦されることが多いです。

文部科学省の調査によると、GPAを就職等の推薦基準として「有効」と回答した企業は30.5%、「やや有効」と回答した企業は31.6%となっており、GPAが推薦枠に影響を与えることが分かります。

特に、大手企業や専門職志向の強い企業では、GPAが一定の水準を満たしていることが推薦条件となる場合が多く、例えば「GPA3.0以上であること」などの基準が設けられていることがあります。

「GPA」の低い人が就活で挽回できる方法

GPAが低くても、就活で挽回する方法はあります。以下では、具体的に有効な対策をいくつかご紹介します。

学業以外の経験やスキルをアピール

GPAが低い場合でも、学業以外で積極的に取り組んだ経験をアピールすることで評価を得ることが可能です。

例えば、サークルのリーダーとして組織をまとめた経験があれば、リーダーシップやコミュニケーション能力をアピールできます。

また、接客業のアルバイト経験があれば、顧客対応スキルや問題解決能力を強調することができます。

さらに、資格の取得も大きなアピールポイントとなります。TOEICや簿記、IT系資格など、志望業界に関連するスキルを証明できる資格があれば、成績の代わりに実務能力を示す材料になります。

インターンシップへの参加

企業は実務経験を評価する傾向が強く、インターンでの成果をしっかりとアピールできれば、学業成績よりも高く評価されることがあります。

インターンでは、実際の業務を経験することで仕事の流れやビジネスマナーを学ぶことができ、採用担当者にとっても「即戦力になりうる人材」としての評価につながりやすくなります。

また、長期インターンに参加することで、プロジェクトの進行や業務遂行能力を身につけることができ、履歴書に書く内容も増やすことができます。

エントリーシート・面接対策の強化

GPAが低い場合は、エントリーシート(ES)や面接の対策を万全にすることが特に重要です。

企業は成績だけでなく、応募者の人間性や考え方、将来の可能性を重視するため、自己PRや志望動機をしっかりと作り込むことで、GPAの低さを補うことができます。

ESでは、学業以外での努力や成功体験を具体的に記述し、企業に対して自分の強みを明確に伝えることが求められます。

また、面接では、自信を持って話すことが重要であり、GPAに関する質問があった場合も、他の強みをアピールしながらポジティブに回答することが大切です。

就活エージェントの活用

就活エージェントを利用することで、GPAの低さを補うための具体的な戦略を立てることができます。

就活エージェントは、個々の強みを見つけ出し、どのようにアピールすればよいかを的確にアドバイスしてくれます。

また、エージェントを通じて、学業成績よりも実務経験や人柄を重視する企業を紹介してもらうことも可能です。

さらに、模擬面接や履歴書の添削など、実践的なサポートを受けることで、選考通過率を高めることができます。

GPAが低い理由の説明準備

GPAが低い理由を面接で聞かれる可能性があるため、事前に説明できるように準備しておくことが重要です。

ただ単に「勉強が苦手だった」などの理由ではなく、説得力のある説明を用意することが求められます。

例えば、「資格取得のために多くの時間を費やしていた」「長期インターンに参加し、実務経験を積んでいた」「課外活動やボランティア活動に力を入れていた」など、ポジティブな要素と結びつけることで、GPAの低さが単なる怠慢ではないことを伝えることができます。

「GPA」の高い人が就活でアピールすべきこと

GPAが高いことは、就活において強みになります。

以下では、その強みを効果的に発揮するために、どのような点をアピールするべきか詳しく解説します。

会社に入ってから発揮できるスキル

GPAの高さは、成績の良さだけでなくビジネススキルの指標にもなります。

まず、計画力と実行力が挙げられます。GPAを維持するためには、日々の予習・復習、課題の提出、試験勉強を計画的に進める必要があり、これらの経験は業務の優先順位付けやタイムマネジメントの能力へとつながります。

また、複数の科目を並行して学ぶことを通じて、マルチタスク能力が培われます。

例えば、レポートの提出と試験勉強、アルバイトや部活動の両立など、複数のタスクを管理しながら成果を上げる力は、仕事の現場においても役立ちます。

専攻した科目や特に力を入れた研究テーマ

専攻や研究テーマは、GPAの背景にある学びを示す重要な要素です。成績が優秀だった科目は、その分野における専門性の証明となります。

例えば、統計学で高成績を収めた場合、データ分析や数値をもとにした意思決定のスキルが高いことをアピールできます。

経営学を専攻していた場合は、組織運営やマーケティング戦略についての知識が、ビジネスの場で即戦力となる可能性があります。

また、卒業研究やゼミでの研究テーマも、論理的思考力や課題解決能力を示す材料となります。

学業成績の向上に向けて取り組んだ事項

GPA向上のために行った取り組みを説明することで、自己管理能力や学習意欲の高さをアピールすることができます。

例えば、学習計画を立て、時間管理アプリを活用して勉強時間を確保することで、効率的に学ぶ習慣を身につけた経験があれば、それは仕事のスケジュール管理や業務の効率化にも応用できます。

また、ノートの取り方を工夫し、重要ポイントを整理することで学習効率を向上させた経験は、情報整理能力や資料作成のスキルにつながります。

さらに、勉強会を開いて他の学生と知識を共有した経験があれば、チームワークやリーダーシップ能力の証明にもなります。

「GPAとは」まとめ

GPAは大学の成績を数値化する指標で、進学や奨学金の選考、就職活動にも影響を与えることがありますが、GPAがすべてではなく、企業や業界によって重視される度合いは異なります。

GPAが高い場合は、学業への努力や継続力をアピールする材料になります。

一方で、GPAがあまり高くない場合でも、インターンシップや課外活動、資格取得などの経験を活かして、自分の強みを別の形で伝えることができます。

自分の強みをしっかりと見極め、効果的に伝えられるよう準備を進めていきましょう。