日本語には、敬意や謙虚さを示す表現が豊富に存在します。その1つである「携わらせていただく」という表現は、ビジネスでよく使用される敬語です。
今回は「携わらせていただく」の意味や使用例、注意点、言い換え方法まで詳しく解説します。
「携わらせていただく」の基本的な意味と背景
「携わらせていただく」の「携わる」部分は、古語では「手を添える」という意味になります。また、「いただく」は「もらう」と同義ですが、受け手が相手に敬意を表して使う敬語です。このように、「携わらせていただく」は自分が何かに関与することを、相手に対する敬意を込めて表す表現です。
「携わらせていただく」の直訳的な意味は、「何かに関与することを許してもらう」または「何かに関与する機会を得る」となります。
特にビジネスシーンでは、自分が何かのプロジェクトやタスクに関与する機会を得たときに、相手に対する敬意と感謝の意を示すために用いられます。
「携わらせていただく」を使った例文
ビジネスシーンでの例文5つ
- 「今後のプロジェクトにも、引き続き携わらせていただければ幸いです。」
- 「商品開発の全過程に携わらせていただき、大変勉強になりました。」
- 「この度は、貴重な機会を頂き、イベントの運営に携わらせていただき、ありがとうございます。」
- 「チームの新メンバーとして、プロジェクトに携わらせていただくことを、楽しみにしております。」
- 「会議の進行役を携わらせていただき、感謝申し上げます。」
日常生活での例文5つ
- 「地元の祭りの運営に携わらせていただき、有意義な時間を過ごすことができました。」
- 「友人の結婚式のプランニングに携わらせていただき、大変光栄です。」
- 「子どもの遠足の引率を携わらせていただき、楽しい一日でした。」
- 「近隣の清掃活動に携わらせていただき、地域貢献ができて嬉しいです。」
- 「家族の引っ越しの手伝いを携わらせていただき、有り難うございました。」
「携わらせていただく」の類語と言い換え
「携わらせていただく」は、敬語であり謙譲語です。よりカジュアルな状況では「手伝わせてもらう」や「参加させてもらう」、「関与させてもらう」などの表現に言い換えることが可能です。ただし、相手との関係性や状況により適切な表現を選びます。
そのほか、以下のような言い換え方法があります。
- 参加させていただく - ビジネスやイベントなどにおいて、自分が参加する機会をもらったことへの謙虚さと敬意を表現する。
- 参画させていただく - プロジェクトや活動において、自分が参加・関与することに感謝と敬意を示す。
- 関与させていただく - 自分が何かに深く関与し、影響を与える機会をもらったことを示す。
- 携帯させていただく - 自分が活動やプロジェクトに参加し、共に行動する機会をもらったことを示す。
- 貢献させていただく - 自分が何かに対して価値ある貢献をする機会をもらったことを示す。
「携わらせていただく」の具体的な使用場面3つ
使用場面1
プロジェクトの打ち合わせにおいて、自分が新しく参加することを伝える際に使うことができます。例えば、「新プロジェクトに携わらせていただくことになりました。」と言うことができます。
使用場面2
会議やミーティングの最後に感謝の意を示すためにも「携わらせていただく」を使います。例えば、「今日の会議に携わらせていただき、ありがとうございました。」と言います。
使用場面3
新商品や新サービスの開発に関わった際に、自身の参加を強調する場面でも使用します。例えば、「この新製品の開発に携わらせていただきました。」と伝えることができます。
「携わらせていただく」を使う際の注意点
「携わらせていただく」を使うタイミング
「携わらせていただく」は自分が何かに参加することが許可された、または依頼されたときに使用します。それは仕事のプロジェクトであったり、地域のイベントであったりします。しかし、自分から積極的に行動する状況ではなく、他人からの許可や依頼があったときに使われる表現です。
「携わらせていただく」を使う際のマナーと具体例
「携わらせていただく」は謙譲語なので、相手を立てる意味も含まれています。そのため、相手を尊重し、自分が下位であると示す場合にのみ使用するべきです。例えば、上司に対してプロジェクトへの参加の感謝を伝える場合、「プロジェクトに携わらせていただき、感謝いたします」というように使います。
「携わらせていただく」を使ったビジネスメール例
件名:新プロジェクトへの参加について
山田様
いつもお世話になっております。鈴木と申します。
先日、ご指名いただきました新プロジェクトについて、私も携わらせていただくこととなりました。この機会を頂き、誠にありがとうございます。
プロジェクトの成功に向けて全力を尽くしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
引き続き、山田様のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
「携わらせていただく」の全体のまとめ
「携わらせていただく」は、自分が何かに参加することが許可された、または依頼された際に用いる敬語表現です。特にビジネスの場でよく用いられる謙譲語です。
ビジネスの場では様々な敬語や表現を状況に応じて使い分けることが求められます。相手を尊重することを忘れず、適切な表現を選んでコミュニケーションを行ってください。