「オンライン授業やリモート授業のやり方について知りたい!
「オンライン授業をする際のおすすめツールはあるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
コロナウイルスの影響もあり、zoomやskypeなどを用いたオンライン授業(遠隔授業)を導入している教育現場は増えています。
パソコンやスマホがあれば遠隔授業が受けられることから、感染対策をしながら学びを得られるメリットがあります。
しかし、導入してから日が浅く、オンライン授業・リモート授業のやり方が分からずに困っている人も少なくありません。
こちらの記事では、オンライン授業・リモート授業のやり方や実際の活用事例などを紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
- オンライン授業にもいくつか種類がある
- 最適なツールを選ぶ事が重要
- オンライン授業のマニュアル・受け方を確認しておくとスムーズ
オンライン授業とは?
オンライン授業とは、インターネット回線を用いて遠隔で行う授業を指し、パソコンやスマホさえあれば学びを得ることができます。
時間や場所に関係なく、受講生や生徒が必要な時に好きなタイミングで受講できるメリットがあり、近年急速に普及が進んでいます。
一般的に、パソコンやスマホを使用して受講する形態となっており、オンライン授業の方法としては主に下記の三つがあります。
Live授業
Live授業の特徴は、授業をリアルタイムでオンライン配信する形態で、「Live」とある通りリアルタイムで受講する点が特徴です。
リアルタイムでお互いの表情を把握することができ、大人数が同時に同じ資料をチェックするなど、時間を共有しやすい点がメリットです。
また、リアルタイムでチャットなどの機能を活用しながら質疑応答を行うこともできるので、疑問や不明点が解消しやすいメリットもあります。
一方で、リアルタイム配信なので倍速などスピード調整ができなかったり、大人数の場合は通信環境が悪くなってしまう可能性があるデメリットがあります。
オンデマンド(録画)授業
オンデマンド(録画)授業とは、事前に教授や先生が録画した授業をオンラインで配信する形態です。
リアルタイムではないので、時間や場所に関係なく自分の好きな時間・速度で受講することが可能できます。
自分が見逃してしまった箇所など、ピンポイントで再生できる柔軟性の高さが大きなメリットと言えるでしょう。
リアルタイムならではの緊張感や集中力を維持しづらい点や、その場での質疑応答ができない点がデメリットです。
ハイブリッド
ハイブリッド型とは、Live授業とオンデマンド(録画)授業を融合した形態です。
また、対面授業との組み合わせて活用するパターンもあり、受講者が自分の好みの形式の授業スタイルを選択できるメリットがあります。
融通が利きやすいので、自分の生活スタイルなどに合わせて効率の良い学びを得られるでしょう。
一方で、授業をする側からすると、どちらの受講者に向かって授業をするべきか難しく、やりづらさを感じてしま点がデメリットと言えるでしょう。
オンライン授業のやり方(受講者側)
それでは、オンライン授業を受けるにあたり、受講者側が準備として必要なものを解説していきます。
通信機器・ツールの準備
当然ですが、オンラインで授業を受けるためには通信環境や受講環境を整備することが欠かせません。
パソコンやスマホの他にも、具体的にはWi-fiの確認や使用するデバイス(Skypeやzoomなど)やカメラの確認などが挙げられます。
通信環境が悪いと画面が止まったり音声が乱れてしまうので、事前に確認しておく必要があります。
オンライン授業のマニュアル・受け方を確認
ツールの確認や設定が済んだら、オンライン授業のマニュアルや授業スタイルを決定しましょう。
まだまだ日本ではオンライン授業が浸透してから歴史が浅いので、対面授業とは仕様が異なることもあります。
オンライン授業のマニュアル・受け方を確認が指示されているケースが多いので、事前に確認しておきましょう。
オンライン授業のやり方(授業提供側)
続いて、オンライン授業を行う側が事前に行うべき準備について解説していきます。
通信機器・ツールの準備
通信環境
オンライン授業では、有意義な学びを提供するためにも安定した映像と音声を受講生に届ける必要があります。
通信環境はしっかりと整えておく必要があるため、通信環境の整備と確認は欠かせません。
具体的には、無線よりも有線LANの方が速度が早くなり回線が安定します。
また、有線LANの中でもブローバンド回線の光回線が一般的に早いと言われているため、ブローバンド回線の光回線を導入することをおすすめします。
通信機器
ブローバンド回線の光回線などの通信環境を整えたら、続いて使用するパソコンやマイク・モニター・カメラなどの機器を揃えましょう。
特に、マイクは差が生まれやすいので、聞きやすい音声を届けるためにも慎重に選ぶべきです。
具体的には、移動の多い授業の場合であればワイヤレスマイクの方が音を拾いやすくなります。
場面やシチュエーションによって最適なマイクは異なるので、受講生が聞きやすいと感じられるかを常に意識しましょう。
使用するツール
通信機器と通信環境を整えたら、使用するWEB会議ツールを決めましょう。
詳しくは後述しますが、使用用途や使用時間・参加人数などによっておすすめのツールは異なります。
例えば、双方向のコミュニケーションをメインとした授業であったり、講義形式で一方的なコミュニケーションの授業の場合など、場面によってWEB会議ツールを検討しましょう。
授業内容・コンテンツの準備
通信機器や使用するツールを設定したら、実行・運用にあたり必要な準備を進めましょう。
日程と参加URLの通知
受講生が講義の日程を知らないと意味が無いので、実際にオンライン授業を行う日程と受講者が参加するためのURLなどの共有・通知を行いましょう。
メールで共有したり、学校のWEBサイトを利用した通知など様々な通知方法が考えられるので、事前に通知方法についても情報共有しておきましょう。
マニュアルの作成
オンライン授業に慣れていない受講者がいたり、使用したことのないツールを使用する場合は操作に戸惑うことが多いです。
そのため、セッティングや講義に慣れるまでに時間がかかることを想定して、マニュアルの作成が必要な場合もあります。
また、出席方法や課題の提出方法・授業の最適な受け方などの情報共有も重要なので、いざというときに役立つマニュアル作成も済ませておきましょう。
使用する資料の共有方法の確認
オンライン授業で使用する資料などの共有方法も確認しておきましょう。
資料があった方が講義や授業は分かりやすくなるので、どのような形式でどのタイミングで共有するかを事前に決めておくとスムーズです。
また、使用する資料がしっかりと映像で映るか・見やすいかどうかの確認も欠かせません。
実際のオンライン授業の活用事例
続いて、どのような場面でオンライン授業が活用されているのかについて解説していきます。
実際の活用事例を把握することで、実践でも活用しやすくなるでしょう。
Live授業
Live授業は、オンライン英会話など双方向のコミュニケーションが必要な授業で行われます。
オンライン英会話の他にも、小中学校などの授業など受講生の反応を必要とする授業で有効活用されています。
また、疑問や不明点があればすぐに解決できるメリットを生かせる場面でも、Live授業は活用できるでしょう。
オンデマンド授業
オンデマンド授業は、時間や場所に関係なく視聴できることから、塾や予備校の授業・企業の社員研修用で活用されています。
双方向のコミュニケーション必要としないことから、受講者の好きなタイミングで利用できる場面で有効活用できるでしょう。
他にも、大学の授業の一部でも導入されています。
ハイブリッド授業
ハイブリッド授業は、大人数での授業が難しい場面で活用されることが多いです。
大学の講義や社内研修など、Liveの要素とオンデマンドの要素が有効活用できる場面で活用されています。
大人数だとリアルタイムで質疑応答するのが難しい特徴があるので、Liveとオンデマンドの良いとこどりができるハイブリッド授業が活用できる場面は増えています。
オンライン授業の際の注意点
続いて、オンライン授業を導入する際の注意点についていくつか紹介していきます。
事前準備の徹底
回線の不具合などが起きると授業にならなくなってしまうことから、事前準備の徹底は欠かせません。
オンライン授業用の会議室やオフィス(バーチャルオフィス)を借りるケースも多いですが、インターネットで「仮想オフィス」と検索すると単に住所貸しのために使用するオフィスがヒットすることが多いです。
しかし、英語で言うバーチャルオフィスとはそのような意味でなく、オンライン授業に適してい役立つツールです。
接続テストとシミュレーションを行う
本番で接続不良が起きると、講師側も受講生側もストレスを感じてしまいます。
そのため、講義が中断しないようにするためにも、入念に接続テストとシミュレーションを行っておきましょう。
起こりうるトラブルを想定しておく
オンライン授業ならではのトラブルとして、下記のような事例が挙げられます。
- ログインできない
- 音声のトラブル(音声が時々飛ぶ、通信が不安定など)
- ハウリングの発生(マイク使用時の不快音)
- スライドショーがうまく画面共有できない
- 途中で画面が切れる
- 動きが遅い
音声や画面のトラブルなど、オンライン環境では様々なトラブルが起こりえます。
しっかりとトラブルシューティングやマニュアルを考えておく必要があるでしょう。
出席や課題の提示や確認方法を整理しておく
出席や課題の提示、それらの確認方法を整理しておくことも重要です。
例えば、zoomなどでは出席人数が把握できるので出席状況の確認は容易です。
しかし、他のデバイスでは出席人数が分からないこともあるため、他の手段を用いて出席確認をしなければなりません。
なお、課題として授業の感想を提出させることでオンライン授業の出席確認を行っているケースもあります。
これらを決めておかないとメリハリのない授業になってしまうので、気を付けましょう。
オンライン授業向けツールの選び方
こちらのトピックでは、オンライン授業向けのツールの選び方を紹介していきます。
いくつかの観点から紹介いくので、参考にしてください。
使用用途
まずは、どのような用途でオンライン授業を行うのか明確にしましょう。
例えば、双方向のコミュニケーションがメインなのか、グループワークも積極的に行うのかによって最適なデバイスは異なります。
使用用途や授業形態、コミュニケーションの頻度などに応じて最適なツールを選択しましょう。
参加人数
大人数の講義なのか、少数の講義なのかによって最適なツールが異なるので、参加人数も重要な要素です。
当然ですが、参加人数が多くなればなるほど回線の負担も重くなるなるため、対応策が求められることになります。
「○人までならこのツールを使う」など、ある程度のマニュアルを作成しておくとスムーズです。
導入実績
Skypeやzoomなどが代表的なオンラインコミュニケーションツールですが、導入実績についても確認しておきましょう。
先行事例として類似する使用用途で利用されている実績があれば、安心して利用できるでしょう。
実際に成功事例や導入実績があれば、失敗などのリスクを軽減できるので情報収集してみてください。
オンライン授業におすすめのツールは?
こちらのトピックでは、オンライン授業をする際におすすめのツールについていくつか紹介していきます。
zoom
zoomは多くの企業や学校で導入されており、最大1,000人参加のミーティングに対応・最大49人をビデオ画面に表示することができるツールです。
動画の録画や人工知能による自動文字起こし機能があるので、講義後に内容を確認する際にも非常に便利です。
PCやタブレットはもちろん、スマホでも利用できるので、様々なデバイスに対応している点も強みです。
Google Meet
Google Meetは、Googleが提供しているWeb会議ツールですが、近年はオンライン授業にも活用されています。
受講者側のデバイスをミュートにして、講師の音声のみを届けることが可能なので、一方的なコミュニケーションである講義型授業に向いています。
他にも、Q&A機能を用いた質問受付や、アンケート機能も付いているので、受講者側が置いてけぼりにされることはありません。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、略して「Teams」と呼ばれることもあるOffice365の機能です。
WordやExcel、PowerPointなどの利用率の高いMicrosoftのソフトを使いながら授業を行うことができます。
オンラインストレージサービスの「One Drive」と連動させると、ファイルをクラウドで共有できるようになるので、受講者は好きなタイミングでファイルを閲覧できます。
複数人でのファイル共有も可能なので、グループ単位で共同編集する場面で役立つでしょう。
Cisco Webex
Cisco Webexは、最大1,000人がビデオミーティングに参加できるコミュニケーションツールです。
ミーティング中、アプリやファイルの共有も可能なので、参加者は用意に授業内容を確認できるメリットがあります。
他にも、双方向のやり取りをスムーズにしてくれるホワイトボード機能が付いているので、チーム内のブレインストーミングをする際にも役立つでしょう。
MetaLife
MetaLifeは、アバターとなって同じバーチャル空間に集まり、近くにいるアバター同士で話ができるオンラインコミュニケーションツールです。
アバターがスペース内を自由に動き回ることができるので、以下のような様々な授業形態が簡単に実施できます。
- 先生がクラス全員に対して一斉に講義を実施する
- 生徒がグループごとに分かれて作業を行う
- 生徒が1人1人自習して先生が個別に生徒からの質問に答える
MetaLifeでオンライン授業を開催する!画面共有やチャット、スタンプでの反応機能もついているので、生徒との双方向のコミュニケーションを活性化させることができます。
オンライン授業の課題
最後に、オンライン授業の現状の課題について解説していきます。
導入メリットは大きいですが、導入までのハードルや運用にデメリットもあるため、予め確認しておきましょう。
インターネット環境の整備にかかる初期費用
元々対面の授業を展開していたところ、オンライン授業やリモート授業に切り替えるとなると、膨大な初期費用が発生します。
通信機器や通信環境の整備(Wi-Fiの導入など)をはじめ、様々な費用と手間が発生してしまう点には注意しましょう。
対面よりも意思疎通が難しい
オンライン授業やリモート授業は、対面よりも意思疎通が難しいデメリットがあります。
一方方向の授業になりやすく、受講者の表情がなかなか分かりにくいという声があるので、スムーズに意思疎通をするための工夫が欠かせません。
他にも、同時に話すことが難しかったり、全員の様子をチェックすることも難しいため、対面授業よりもコミュニケーションに難儀してしまう点は知っておきましょう。
授業提供者によってコンテンツの質が大きく変わる
授業提供者のオンライン授業に対する知見や経験によって、提供されるコンテンツの質は大きく影響を受けます。
オンライン授業に慣れている講師であれば円滑に授業を行えますが、不慣れな場合はストレスを感じてしまうことが多いです。
具体的には、通信環境の整備が不完全でラグが生じたり映像が乱れるなど、様々な支障が出ます。
そのため、授業提供者もオンライン授業やリモート授業に慣れるための練習や準備は不可欠です。
教える側はオンライン授業に苦労している
NTTドコモモバイル社会研究所によるオンライン授業の調査レポートによると、オンライン授業を受けた経験がある小学生は5割、中学生は6割を超えていることが分かりました。
また、オンライン授業の悪かった点として「先生への負担が増えた」という回答が78%で最も多く、教師側としてはかなりの負担となっていることも見て取れます。
パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジーの小学校での情報通信技術(ICT)教育に関する意識調査によると、教員からは「教材研究の時間がない」「教員が使いこなせない」という声が挙げられています。
このように、「教える側」の負担が重くなっていることが指摘されていますが、これは「教育のデジタル化がまだ過渡期であるため」という点が大きな理由でしょう。
日本は元々オンライン化やデジタル化が遅れていると言われていましたが、コロナウイルスの影響を受けて突貫工事的に教育のデジタル化が進んでいる点は否めません。
学校だけでなく、学習塾などでも効率よく指導するために四苦八苦しているケースが多くありますが、逆に言えばオンライン授業やオンライン教育が成熟すればスムーズに指導できるようになるでしょう。
オンライン授業のやり方に困っている教員や講師は多いですが、今後オンライン教育がスタンダードになっていけば様々なやり方が生まれたり、自分なりの工夫を施せるようになるので、徐々に慣れていくことが重要です。
オンライン授業・リモート授業のやり方まとめ
- しっかりと準備をしておくことが重要
- おすすめのツールはいくつはあるが、用途に応じて最適なものを選ぼう
- オンライン授業(遠隔授業)のニーズは高まるので、教える側も慣れることが重要
オンライン授業は、パソコンやスマホさえあれば遠隔でも受けることができる利便性があるので、今後もニーズが高まっていくでしょう。
様々な準備が必要になるので手間がかかりますが、運用に慣れればスムーズに授業ができるようになります。
こちらの記事を参考にして、最適なツールを選びながら効率よくオンライン授業ができるようにしましょう!