「在宅勤務のメリット・デメリットについて知りたい!」

「在宅勤務とテレワークはどのような意味の違いがあるの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか? 新型コロナウイルスの影響から在宅勤務を導入する企業が増えたことで、在宅勤務をする人も増えています。

似ている言葉に「テレワーク」がありますが、在宅勤務とテレワークは意味が微妙に異なります。

こちらの記事では、在宅勤務のメリット・デメリットやテレワークとの意味の違いなどを解説していきます。

また、企業が在宅勤務を導入する理由・目的や実際の導入事例も併せて紹介していくので、ぜひ参考にしてください!

在宅勤務のメリットについてざっくり説明すると
  • テレワークは在宅勤務よりも広義の意味で使われる
  • 政府も在宅勤務を推奨している背景がある
  • 業務効率や生産性の向上が期待できる

在宅勤務とは?

まずは、在宅勤務という言葉の定義について確認していきましょう。

在宅勤務とは、その名の通り「在宅」で「勤務」することになるので、自宅を就業場所として働くケースを意味しています。

新型コロナウイルスの影響もあり、感染防止という目的から在宅勤務を導入する企業が飛躍的に増えました。

ただし、仕事がすべて自宅で完結するものもあれば、週に何回かはオフィスに出社するケースも有り、形態は様々です。

在宅勤務とテレワークとの違いは?

違い

在宅勤務とは、上記のイラストのように「テレワーク」の中の一形態です。

時間や場所を問わずに勤務する働き方のことを「テレワーク」や「リモートワーク」と呼びますが、在宅勤務の他にもモバイルワークやサテライトオフィスワークという形態があります。

つまり、「テレワーク」は「在宅勤務」という言葉よりも広い概念のことを指しています。

企業が在宅勤務を導入する理由・目的

それでは、企業が在宅勤務を導入する理由や目的について見ていきましょう。

政府も在宅勤務を推奨している

日本政府としても働き方改革を推進しており、その中の一つとして在宅勤務などの柔軟な働き方の導入があります。

在宅勤務することで通勤の時間が減る上に通勤ストレスから解放されるので、労働生産性も上がることが期待されています。

このように、時代の要請という大きな背景も在宅勤務が浸透しつつある大きな理由です。

労働人口の減少に対応する

少子高齢化の進展に伴って、日本では労働人口がこれからより少なくなっていきます。

そこで、労働力を確保する目的として在宅勤務の導入が推進されています。

これにより、育児などで目が離せない方など、外出が難しい方も就労できるようになることから、労働力の確保に繋がるのです。

在宅勤務のメリット

それでは、具体的な在宅勤務のメリットについて見ていきましょう。

業務効率や生産性の向上

在宅勤務中は、基本的に一人で作業をすることになるため仕事に対する集中度が高くなる効果が期待できます。

オフィスの場合、電話対応をすることで仕事の集中が遮られたり、来客対応があることで付随的な業務に気を取られがちです。

このように、オフィス勤務だと在宅勤務よりも予定外の作業が起きることが多いため、集中力が散漫になりやすいデメリットがあるのです。

通勤・移動にかかるコスト削減

自宅で勤務をすることになれば、通勤する機会が大幅に減ります。

つまり、移動の交通費がかからないことで移動に関連したコストを削減できるメリットがあります。

さらに、満員電車などでのストレスから解放されることで仕事のパフォーマンスが高まり、労働生産性が向上する効果も期待できるでしょう。

また、移動時間も削減されることで自分の時間が増え、社員満足度の向上にも繋がります。

災害時におけるリスクの軽減

通勤がスタンダードになっていると、災害時など通勤困難な事象が発生すると対応が難しいです。

しかし、社員は色々な場所に住んでいることから、在宅勤務を導入していれば仮に災害が発生してもリスクが分散でき、会社として重大なダメージを受けずに済みます。

そのため、在宅勤務を通常運用していれば、もし大規模災害が起きても会社の活動が全面的にストップしてしまうことはありません。

会社としては事業を継続しやすい体制が整うことになるので、ビジネスのリスク軽減という面でも有益です。

育児や介護との両立がしやすい

社員の中には、親の介護をする必要があったり、小さな子どもがいてなかなか自宅を空けることが難しいという人もいます。

近年は「介護離職」が問題になっていますが、貴重な労働力を家庭の事情で失ってしまうのはもったいないことです。

しかし、在宅勤務を導入することで、不測の事態にもすぐに対応しやすい環境で勤務をすることが可能となります。

家に要介護者や小さな子どもがいても安心して勤務できることから、会社にとっても本人にとってもメリットが大きいでしょう。

人材の確保・流出を防ぐ

先述したように、在宅勤務を導入することで育児や介護のために働きたくても離職せざるを得ないような社員も働き続けることができます。

そのため、貴重な社員が流出してしまうリスクを抑えることができ、業務の停滞リスクを軽減できるメリットがあります。

さらに、近年は在宅勤務を導入している企業の人気が高まっていることから、有能な人材を迎え入れることにも繋がるでしょう。

企業イメージのアップ

在宅勤務を導入している企業と全く導入していない企業では、働き方や社員の扱い方が大きく異なります。

在宅勤務ができるような仕事であるにもかかわらず、クラウド導入を渋ったり在宅勤務の導入に消極的な企業は時代遅れと言わざるを得ません。

しかし、転職サイトなどでは「在宅勤務可」「リモートワーク可」が注目されやすいことから、前向きに在宅勤務を導入すれば従業員が働きやすい企業として取り上げられる可能性があります。

先進的な企業として認識してもらえるなど、企業イメージのアップなどといった効果も期待できる点は大きなメリットです。

しっかり集中できる

在宅勤務の場合には、基本的に一人で業務に取り組むことになるため、他の仕事に気が取られることなく目の前の仕事に集中できるメリットがあります。

対面の場合には、隣の人から相談を受けたり、電話応対や来客対応などが発生することがあるので、目の前の仕事に集中できるとは限りません。

そのため、各社員が自分のやるべき仕事に集中できる点は在宅勤務のメリットです。

在宅勤務のデメリット

在宅勤務のメリットについて紹介しましたが、デメリットも存在します。

対面の場合と比較した際のデメリットについて紹介していくので、参考にしてください。

勤務時間とプライベートとの境目が難しい

在宅勤務だと、当然のことながら勤務場所が自宅になるので、仕事とプライベートとの境目が曖昧になります。

在宅勤務に慣れてくると、部屋着のまま仕事に着手する人もいるので、緊張感が欠けてしまう可能性もあるでしょう。

特に、家の中に仕事部屋や書斎に相当する部屋が存在せず、ベッドルームと一体となっていたりすると、仕事環境としては良いものと言えません。

場合によっては、緊張が持てずに仕事のパフォーマンスが下がってしまう可能性がある点には留意しましょう。

業務上のコミュニケーション不足

対面して仕事をしている時と比べて、在宅勤務だと周囲に人がいないので雑談などのコミュニケーションが不足します。

コミュニケーションの機会が減るとストレス解消の機会も減ってしまい、精神的に疲弊して業務に支障が出る可能性もあります。

また、上司も社員の働きぶりが把握しづらくなるので、孤独感を感じやすくなるデメリットも生じやすい点には留意しましょう。

仕事の目的を明確にして、こまめにコミュニケーションを取ることが在宅勤務のコツです。

セキュリティ問題

在宅勤務となると、オフィスから自宅に機材や資料などの情報などを持ち込むことになるので、紛失や盗難などのリスクが高まります。

さらには、情報漏洩やウイルス感染などの危険性も高まるので、セキュリティ対策は意識する必要があるでしょう。

そのため、クラウドワービスなどを導入する際にはセキュリティ対策に関しても調べておくことが重要と言えます。

勤怠管理・評価が難しい

在宅勤務の場合、社員の働きぶりが把握しづらいので、勤怠管理や評価をすることが難しいデメリットがあります。

そのため、在宅勤務の場合は成果物などのアウトプットのみでの評価をせざるを得ないので、公正な勤怠管理は対面で仕事をする際よりも難しいです。

評価を下した明確な根拠や理由が無いと社員のモチベーションも下がってしまうので、注意しましょう。

導入時にコストがかかる

在宅勤務を導入する場合には、使用するツールを準備したり運用方法を整理する必要があります。

そのため、導入時には少なからずコストが発生してしまうので、会社側に負担が発生してしまう点は知っておきましょう。

また、社員に対するセキュリティ対策の研修など、時間的なコストも発生する点もデメリットと言えます。

在宅勤務導入までの流れ・コツ

続いて、実際に在宅勤務を導入する際のコツや準備すべきものについて紹介していきます。

自宅の環境を整備する

まずは、在宅勤務の導入にあたって社員が自宅の仕事環境を整備することが重要となります。

通信環境はもちろんですが、快適に仕事をするためのデスク・椅子・パソコンなどのデバイスが必要です。

また、複数人で住んでいる場合は騒音が入らない場所を設けるなど、仕事に集中できる環境づくりが欠かせません。

セキュリティ対策

先述したように、在宅勤務を導入する際にはセキュリティ対策が重要となるので、セキュリティ対策のできるツールをしっかりと準備する必要があります。

また、適切に運用できなければ意味が無いので、マニュアルを整備したりeラーニングを用いて社員研修を行うことも欠かせません。

近年は情報漏洩に関するコンプライアンスが厳格になっているので、会社の信頼を損ねないためにも重要視すると良いでしょう。

マニュアル・ルールの作成

会社の組織全員が在宅勤務できるとは限りません。

実際に在宅勤務を開始する人と、対面で勤務をする人が発生する場合などに備えて、どのように働くのかルールを定めておくことも重要です。

不公平感を感じるとモチベーションを失ってしまうので、勤怠管理や教育体制などについて細かくルールを決めておくのがコツです。

コミュニケーションツールの活用

在宅勤務だとコミニュケーション不足に陥りがちですが、ツールを活用すれば事前に対処することが可能です。

例えば、社員の働きぶりを可視化できるツールを利用したり、双方向のコミュニケーションが容易に取れるツールは有益です。

雑談も含めて、コミュニケーションを活性化することでストレスの蓄積を防ぎ、社員満足度の向上にも繋がります。

MetaLifeでモチベーションアップ

MetaLife

MetaLifeとは、社員1人1人がアバターとなってオンライン空間上に集結する、新しいバーチャルオフィスツールです。

MetaLifeの特徴は、アバターを自由に移動させることができ、さらに近くにいるアバター同士で会話ができることです。よって、わざわざweb会議を立ち上げるなどしなくても、アバターを近づけるだけで話したい人と会話ができます。

MetaLifeを使えばオンラインでも社内のコミュニケーションを活性化させることができるので、社員のモチベーションが上がること間違いなしです。

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在宅勤務が与えている影響

パソナ総合研究所が2021年11月19~22日に行った「在宅勤務が人々の生活やキャリア意識にどのような影響を与えたか」というアンケート調査の結果を見てみましょう。

全体の46.9%が「仕事以外の生活を重要視するようになった」と回答しており、20代は59.6%、30代は49.3%と若年層になるほど割合は高くなっています。

つまり、仕事よりも私生活を重視している人が約半数に及んでいることが分かりますが、仕事を軽視しているわけではありません。

「資格取得やスキルアップに対する意欲」について見てみると、「意欲が高まり実際に開始した」「意欲は高まり具体的に計画中」と回答した人は、

  • 20代:51.6%
  • 30代:41.2%

という結果でした。

つまり、私生活を大切にしつつも、資格取得やスキルアップに励んでいる社員も多いので、在宅勤務は職業人生を豊かにしていることが分かります。

在宅勤務の導入事例

最後に、実際に在宅勤務を導入した会社の実例を紹介していきます。

実際の事例を見ることで参考になる部分もあるでしょう。

日本IBM

<特徴>

日本IBMはクラウドワービスなどを提供している有名IT企業ですが、日本でいち早くテレワークを導入した企業の一つです。

週に三日までの在宅勤務を可能にしたり、サテライトオフィスの利用を可能にするなど、社員の柔軟な働き方をサポートしています。

<在宅勤務導入による効果>

在宅勤務などを導入したことで、実際に社員は柔軟な働き方を実現できています。

働き方の選択肢が増えることで、仕事のモチベーションが高まってパフォーマンスが向上したという声があります。

味の素

<特徴>

味の素社は 「どこでもオフィス」というテレワークの仕組みを導入し、積極的に推進しています。

在宅勤務はもちろん、サテライトオフィスの活用を認めて、「セキュリティ面やプライバシー面が確保できる場所」であれば好きな場所で勤務できる仕組みです。

<在宅勤務導入による効果>

実際に、全社員の約84%がテレワークを行っており、その結果として社員の満足度や働きがいは大きく向上しました。

社内アンケートでは、「約79%の社員が労働環境に満足している」という結果も出ていることから、社員満足度と生産性の向上を実現している好事例です。

ネスレ日本

<特徴>

ネスレ日本社では、理由に関係なく全社員が好きなタイミングでテレワークできる制度を導入しました。

一般的に、営業職は対面が基本なのでテレワークが難しいと言われていますが、リモートで営業を行う「モバイルセールス体制」を行うことで、営業社員もテレワークで業務効率化を実現しています。

<在宅勤務導入による効果>

テレワーク導入後のアンケートでは、通常勤務時と比較すると生産性(自己評価)が「平均7%上昇」したという結果を得られました。

やはり、移動などの余計な時間と手間をカットすることが業務生産性の向上に繋がることが分かるでしょう。

アフラック生命保険

<特徴>

大手保険会社のアフラックでは、全社員に在宅勤務を認めています。

場所に関係なく自社の社内システムにアクセスできるモバイルネットワーク環境を整備し、自宅からでもカフェからでも仕事ができるようにしました。

首都圏を中心にサテライトオフィスも設置しており、社員が「自分にとって最も心地よい」働き方を選べるようになりました。

<在宅勤務導入による効果>

在宅勤務の実施率は100%に及んでおり、社員の約8割が自社を「長く働き続けられる会社である」と評価しています。

社員の定着度が高いことはモチベーションの向上に繋がりやすいことを意味するので、在宅勤務の導入メリットは大きいと言えるでしょう。

パルコ

<特徴>

商業施設を全国展開しているパルコでは、2015年下半期の約半年間において試験的にテレワークを導入しました。

育児・介護、病気などの時間的な制約を抱えている社員を中心に行われ、利用者と周囲の双方が「ちょうど良い」と感じられる在宅勤務期間を見出すことに成功しました。

その後、の柔軟な働き方を実施するために在宅ワーク制度を2017年3月より正式導入しました。

<在宅勤務導入による効果>

部分的に運用しながら改善を繰り返すことで、育児の必要がある従業員も時間の制約がない従業員も、納得できる運用ができるようになりました。

つまり、全社員が納得できる働き方を実現し、結果的に社員満足度の向上につながっています。

在宅勤務のメリットまとめ

在宅勤務のメリットまとめ
  • 社員満足度が上がり、企業イメージのアップに繋がる
  • 人材流出や人材確保効果も期待できる
  • 実際の企業における導入事例は参考になる

在宅勤務を導入することで、社員満足度が上がったり業務生産性も向上するメリットが期待できます。

多くの企業でも導入が進み、社員満足度も高まっていることを考えると、本格的に導入するメリットが大きいでしょう。

在宅勤務やテレワークの導入を検討している企業の方は、ぜひ本記事を参考にしてメリットなどを把握しておくと良いでしょう。