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ここでは、「log」と「ln」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。

「log」とは

logは数学用語で、"対数"を表す英語の略語であり、logという記号がある数値へいくつの10を掛け合わせればいいのかを示します。例えば、log10(100)は、「10を何回掛け合わせると100になるか」を表し、その答えは2です。しかし計算の際は常にベース(ここでいう10)を示さなければならないことに注意が必要です。その他のベースも使用でき、例えばlog2(8)では、「2を何回掛け合わせると8になるか」を示し、答えは3となります。

「ln」とは

lnは自然対数を表す記号で、数学や物理学などの数多くの分野で使用されます。この記号は「logarithmus naturalis」の略で、ラテン語で「自然の対数」を意味します。

自然対数は数学者レオナルド・オイラーが発見した、数「e」を底とする対数のことを指します。数「e」は無理数で、約「2.71828」を指しますが、成長や衰退、複利などの自然現象や経済現象を表現する上で非常に重要な役割を担っています。

例えば、自然対数 ln(x) の計算は「e を何乗したら x になるか?」という問いに等しいです。したがって、例えば ln(7.389) はおおよそ 2 となります。これは e を 2 乗しておおよそ 7.389 になるからです。

自然対数は、べき乗、指数関数、微分、積分などの計算を大幅に簡易化します。これは、ln の微分や積分が非常に簡単であるためです。

「log」と「ln」の違い

「log」(対数)と「ln」(自然対数)は、対数の計算を表現する際に使用される記号であり、基数--つまり何を基準に計算を行うか--が異なることから、その意味や使い方が異なります。

「log」は一般的に Logarithm の省略形で、基数が10である事を意味しています。つまり、「log100」は「10を何回掛け合わせると100になるか?」という質問に相当し、答えは2になるため「log100 = 2」となります。

一方、「ln」は natural logarithm の略で、基数が数学的に重要な定数 e (おおよそ2.71828)であることを示しています。数学や物理学における多くの自然現象を表現するのに使われます。「ln7」は「eを何回掛け合わせると7になるか?」という質問に相当します。

「log」の例文・使い方

例文:

  1. "log10=1は、基数が10の対数関数で100を1に変換することを意味します。"
  2. "彼はlog2で計算を進めていましたが、答えが思ったよりも大きく出ました。"
  3. "対数尺度を使う場合、単にlogを記述すると通常、底が10の対数を指します。"

解説:

logは、数学において対数を表す一般的な記号です。対数は基本的に、特定の数が他の数を何乗したものであるかを表します。logの底(対数関数が何の対数であるかを指す)を明示しない場合、それは10を底とすることを暗に示しています(logは底が10の対数を表す)。したがって、「log10」は1を意味します。しかし、このルールは必ずしも絶対ではなく、文脈によってlogの底は異なる場合があります。例えば、「log(2)」は2を底とする対数を指す可能性があります。常に特定の対数問題において何を基にしているかを確認しなければなりません。

「ln」の例文・使い方

lnの使用例

  1. 数学の各種公式の一部としてのlnの使用:例えば、eのx乗の微分は、ln(e)×xで計算されます。
  2. 自然対数としてのlnの使用:例えば、無利息で10年後に$2000が得られる投資の現在価値は、数式で表すと、$2000 ÷ e^(ln(1)×10)です。
  3. 無次元化を行うためのlnの使用:例えば、1%の成長率を無次元化するには、ln(1.01)を計算します。

lnの使い方と注意点

lnは「自然対数」を表すための略語で、数学や物理学などの分野で頻繁に使用されます。自然対数は、ネイピア数(e≈2.718)を底とする対数を指します。lnは「logarithmus naturalis」の略で、底がeの対数を指します。

lnの使用に当たって最も注意しなければならないのは、その底数がeであるという事実です。これは特に、他の底の対数(底10の対数が一般的)と混在して使用される場合に混乱を避けるため重要です。また、lnは自然対数の一般的な表記ですが、稀にlogを自然対数を示すために用いる文脈も存在します。そのため、文脈により適切な使用を心掛けることが重要です。

「log」「ln」の類語・言い換え

loglnは、いずれも数理学や工科などの学問でよく使用される用語で、それぞれの特性により違いがあります。まず、「log」は「対数」を指し、「ln」は「自然対数」を意味します。

log 等価表現や類語

  1. logarithm: この用語は、「log」の完全な形で、数学の分野でよく使用されます。
  2. common logarithm: この用語は、「log」に対する他の表現であり、ベース(すなわち基数)が10の対数を指します。
  3. base 10 logarithm: これは、「common logarithm」と同様にベースが10の対数を指します。
  4. decadic logarithm: この表現もベース10の対数を指し、特に科学的な文脈で使用されます。
  5. Briggsian logarithm: 17世紀の数学者ヘンリー・ブリッグスにちなんだ用語で、同様にベースが10の対数を示します。

いずれの表現も基本的には同じ概念を指していますが、研究者や状況によって用語の選択が変わることがあるため、これらの等価用語を理解しておくと便利です。

ln 等価表現や類語

  1. natural logarithm: この用語は、「ln」の完全な形で、数学の分野でよく使用されます。
  2. Napierian logarithm: この用語は、「ln」に対する他の表現であり、ベース(すなわち基数)がネイピア数(約2.71828)の対数を指します。
  3. logarithm base e: これは、「Napierian logarithm」と同様にベースがネイピア数の対数を指します。
  4. log base e: この表現は、ベースがe(ネイピア数)の対数を示します。
  5. Euler's logarithm: 18世紀の数学者レオナルド・オイラーにちなんだ用語で、ベースがeの対数を示します。

これらの表現も、それぞれ特定の文脈でよく使用されます。また、「自然対数」の概念は、物理学、統計学、エンジニアリングなどの多くの分野で重要な役割を果たします。

「log」と「ln」の違いまとめ

「log」と「ln」は両方とも対数の表現ですが、基数が異なる点が違いです。「log」は一般的に10を基数とする対数を指します(例:log_10 100=2)。「ln」は自然対数を表し、ネイピア数(約2.71828)を基数とします(例:ln(e)=1)。よって、基数が10の対数は「log」、基数がeの対数は「ln」を使用します。