ここでは、「言っていただく」と「おっしゃっていただく」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「言っていただく」とは
「言っていただく」は、相手に何かを話すことをお願いする表現です。日本語の中では、相手への敬意を表現するために「いただく」を用いることがあります。それが「言う」に対して適用された形となります。
具体的な例文としては、「その詳しい話をもう一度、言っていただけますか?」や「ご意見を言っていただけると助かります」のように使用します。
「おっしゃっていただく」とは
「おっしゃっていただく」は、敬語の一種で、相手から何かを話してもらう、または指示・意見等を述べてもらうという意味があります。「おっしゃる」は尊敬語で、「言う」という動詞を敬う表現で、「いただく」は謙譲語で、自分が相手から何かを受け取ることを控えめに表現しています。したがって、「おっしゃっていただく」は、自分が相手から話を聞かせてもらうという行為に対する敬意を表しています。
「言っていただく」と「おっしゃっていただく」の違い
「おっしゃっていただく」は、どちらも他人に特定のことを話すよう依頼するときに使いますが、そのニュアンスと敬語のレベルは異なります。
- 「言っていただく」は一般的な敬語レベルで、慣れた相手や等身大の相手に対して使うことが多くあります。
- 「おっしゃっていただく」は尊敬語レベルで、目上の人物や敬意を示すべき相手に対して使う表現となります
「言っていただく」の例文・使い方
「言っていただく」の例文
- 意見があれば遠慮なく言っていただきたいです。
- できたら、具体的な指示を言っていただけますか?
- もし分からないことがあれば、何でも言っていただいて大丈夫です。
「言っていただく」についての解説
「言っていただく」は相手からの発言を自分自身が受け取りたいとき、または自分自身に向けて何かを表現する意欲を持つときに使用される敬語表現です。ここで注意すべき点は、「言っていただく」という表現が自分自身にとって有益な情報を求めたり、自分の立場を相手より上に見せる意図がないように使われるべきだということです。「いただく」という言葉は自己利益を求める表現にならないように気をつけ、相手への尊重と感謝の表現として使われるべきです。
「おっしゃっていただく」の例文・使い方
おっしゃっていただくという言葉の使い方
「おっしゃっていただく」は、相手の意見や考え、情報などを敬意を持って尋ねたり、述べてもらうことを表す尊敬語の一つです。多くの場合、上司や目上の人、敬うべき人に対して用います。
- 例文1:「もし可能でしたら、詳細をおっしゃっていただけないでしょうか?」
- 例文2:「その件について、いかがお考えか、おっしゃっていただけますか?」
- 例文3:「先生方のお知恵をお借りして、ご意見をおっしゃっていただければと思います。」
特に注意すべき点は、国語辞書等には「おっしゃる」は自分の意見を述べる場合には使わない、とあります。したがって、自分が発言する場合には「おっしゃる」を用いず、「言う」など他の動詞を使うことが適切です。ただし、目上の人や相手を敬う場合には「おっしゃる」を使用します。
「言っていただく」「おっしゃっていただく」の類語・言い換え
「言っていただく」の類語・言い換え
- 語っていただく:これは、誰かに長い話や詳しい内容を述べてほしいときに使います。
- 伝えていただく:伝達的なニュアンスを強調します。誰かに情報を渡してほしい時に使います。
- 告げていただく:こちらも伝達的なニュアンスですが、重要な情報や決定事項を伝えてほしい時に使います。
- 示していただく:説明よりも見せることに重きを置いた表現で、具体的なアクションや方法を示すように求める時に使います。
- 教えていただく:教育的なニュアンスを持ち、知識やスキルの伝達を期待する場合に使います。
「おっしゃっていただく」の類語・言い換え
- 申し上げていただく:こちらもビジネスなどのフォーマルな状況でよく使われ、相手の意見や視点を尊重して求める時に使用します。
- 述べていただく:具体的なポイントやアイデアを詳述するよう求めるときに使います。
- 指摘していただく:相手に問題点や改善点を示してほしいときに使用します。
- 指導していただく:具体的な指導や教示を求めるときに使用します。特に教育的な状況で使われます。
- 示唆していただく:新しいアイデアや解決策を提供してほしいときに使います。
「言っていただく」と「おっしゃっていただく」の違いまとめ
「言っていただく」は比較的カジュアルな表現で、具体的な意見や要望を相手に伝えてもらいたいときに用います。「おっしゃっていただく」は敬語表現で、上司や目上の人に対して、その意見や考えを尋ねるときに使用します。上下関係や状況により適切に使い分けます。