ここでは、「閉業」と「閉店」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「閉業」とは
閉業とは、企業や事業体が商売をやめ、営業活動を停止することを指します。これは、事業そのものを止めることなので、経営者の死去や事業売却、経営破綻、改業や業種の変更など、様々な理由で引き起こされる場合があります。一時的な活動停止を意味する休業とは異なり、閉業は永続的なものと考えられています。ただし、将来的に再開する可能性もあります。
「閉店」とは
閉店
とは、主に小売業や飲食業など、店舗を持つ事業がその業務を終了することを表す言葉です。通常、一時的な業務終了である日常的な営業の終了を指す場合と、店舗の運営そのものを断念して営業を全く行わない状態を指す場合があります。
「閉業」と「閉店」の違い
閉業と閉店の違い
「閉業」と「閉店」は、どちらも営業を終了することを表す用語ですが、微妙に異なる意味を持つことを理解しておくと良いでしょう。
閉業
「閉業」は一般的に経済活動を停止することで、事業そのものを終了させるという意味合いが強いです。つまり、事業の規模や種別に関わらず、法人格がある企業が一部または全部の事業活動を止めることが「閉業」となります。
閉店
一方、「閉店」は小売店や飲食店等の店舗が営業を終了することです。つまり、物流の終点である売り場やサービス提供地点が営業をやめることを「閉店」と言います。そのため、大企業でも一部の店舗が閉店したといえば、その特定の店舗のみが営業終了した事を指すことになります。
「閉業」の例文・使い方
例文
- 父の死後、家業を継ぐことができず閉業せざるをえなかった。
- コロナ禍で経営状況が厳しくなり、彼の小さな工場は閉業を余儀なくされた。
- 借金の返済が困難になり、とうとう彼の店は閉業するはめになった。
使い方と注意点
注意点としては、一時的に事業を行わない場合や、店を休む場合ではなく、企業や個人事業主が自己の事業を永続的に行わないことを指すため、その点を混同しないようにしましょう。また、閉店とは内容が異なるので、用途に合った言葉を選ぶ必要があります。
「閉店」の例文・使い方
例文
- 「今日はもう閉店時間ですので、お帰りください」
- 「そのカフェは先月閉店しました」
- 「この街の老舗書店が閉店すると聞き、寂しく思います」
使い方と注意点
「閉店」は大抵は一日の営業が終わったときに使いますが、店が事業を永続的に終了するときにも使用します。しかし、事業全体が終了する場合は「閉店」よりも「閉業」という言葉が適切な場合が多いです。「閉店セール」などでは、本当にその店が永続的に閉じるかどうかは分からないので注意が必要です。
「閉業」「閉店」の類語・言い換え
閉業
- 廃業: 開業した事業を廃止すること。閉業よりも、事業そのものをやめるニュアンスが強い。
- 停業: いったん事業を停止するが、その後再開の見込みがあるときに使う。
- 転業: 現在の事業から他の事業に変えること。旧事業を一旦閉じ、新しい事業を開始する様子を示す。
- 倒産:経済的な理由により、事業が続けられなくなり、破産や自己破産すること。
- 潰れる: 利益が出なくなり、事業そのものが存続できなくなること。特に、経済的な理由から事業が続けられなくなった状態を描写する。**
閉店
- 廃店: 営業を終え、店そのものが廃止されること。閉店よりも店そのものをなくすニュアンスが強い。
- 撤退: 一定の場所や地域から店舗を撤去して退去する行為。店舗そのものがなくなる様子を示す。
- 移転: 店舗が別の場所に移動すること。閉店する一方で、新たな場所で営業を続けるニュアンスがある。
- 潰れる: 店が利益を上げられずに、維持が困難になり、営業を終了すること。
- 経営をたたむ: 経済的な理由などから店を閉じること。特に、経済的な理由から店舗営業が続けられなくなった状況を描写する。**
「閉業」と「閉店」の違いまとめ
「閉業」と「閉店」は、どちらもビジネスや事業が終了することを指す言葉ですが、使用される文脈が異なります。