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「誠に申し訳ございません」は、丁寧で真摯な謝罪を表現する際に使われる日本語です。

特にビジネスや正式な場面でよく耳にするこの言葉ですが、適切な使い方を知っていますか?

この記事では、「誠に申し訳ございません」の意味や正しい使用方法を解説し、状況に応じて使える類似表現もご紹介します。

「誠に申し訳ございません」の意味

「誠に申し訳ございません」は、深刻な状況や重大な失敗時に使用される最も丁寧な謝罪表現の一つです。

特に、自分の過失によって相手に大きな迷惑をかけてしまった際に使用される、最も敬意を示す謝罪の言葉です。

「誠に申し訳ございません」の使用例

まず初めに、「誠に申し訳ございません」の使用例について見ていきましょう。

1. ビジネスでの納期遅延時

  • 「納期が遅れてしまい、誠に申し訳ございません」
  • 「納品が遅れ、お客様に多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」

2. 取引先への謝罪メール

  • 「この度は、弊社の不手際により多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」
  • 「進捗報告が遅れ、誠に申し訳ございません。早急に対応いたします」

3. 顧客対応での謝罪

  • 「商品の不具合によりご不便をおかけし、誠に申し訳ございません」
  • 「お客様のご期待に添えず、誠に申し訳ございません」

4. 重大なミスや失敗時

  • 「重大な誤りを犯し、誠に申し訳ございません」
  • 「お客様に誤った情報を提供してしまい、誠に申し訳ございません」

「誠に申し訳ございません」の類語・言い換え

「誠に申し訳ございません」の類語や言い換え表現は、状況に応じて謝罪のニュアンスを調整するのに役立ちます。

以下では、「本当に申し訳ございません」や「心よりお詫び申し上げます」など、丁寧で適切な表現を厳選してご紹介します。

「本当に申し訳ございません」

深い謝罪の意を伝える非常に丁寧な表現であり、ビジネスシーンや目上の方に対して使用するものです。

  • 「この度は弊社の不手際により、ご迷惑をお掛けしてしまい本当に申し訳ございません。」
  • 「準備が整っておらず、本当に申し訳ございません。」
  • 「お手数をお掛けして、本当に申し訳ございません。」
  • 「私共の表記の仕方が不明瞭で、二度手間をお掛けしてしまい本当に申し訳ございませんでした。」

「大変申し訳ございません」

重大な事態や相手に大きな迷惑をかけた際に使用する表現であり、「大変」という言葉が謝罪の気持ちを強調しています。

  • 「大変申し訳ございませんが、ただいま通信が混雑しております。」
  • 「納期を遅らせてしまい、大変申し訳ございませんでした。」
  • 「ご迷惑をおかけして、大変申し訳ございません。」
  • 「本日の会議に遅刻してしまい、大変申し訳ございませんでした。」

「心よりお詫び申し上げます」

ビジネスシーンや目上の方への謝罪で使用される表現であり、「心より」という言葉が謝罪の重みを強調しています。

  • 「この度の弊社の確認不足により、ご請求金額の入金が遅延し大変なご迷惑をおかけしました事、心よりお詫び申し上げます。」
  • 「商品の発送が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。」
  • 「弊社の不手際により多大なるご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。」
  • 「この度の不手際について、心よりお詫び申し上げます。」

「誠に恐縮です」

深い感謝や申し訳なさを表現する非常に丁寧な表現であり、ビジネスシーンで相手に敬意を示すものです。

  • 「誠に恐縮ですが、明日の会議の時間を変更していただけないでしょうか。」
  • 「誠に恐縮ですが、今週中に書類をご提出いただけますか。」
  • 「誠に恐縮ですが、先約があるため、後ほど折り返しご連絡差し上げます。」
  • 「誠に恐縮ですが、21時をもって閉店となります。」

「大変恐縮です」

相手に迷惑をかけたことへの深い申し訳なさを表現し、ビジネスシーンで丁寧な依頼や感謝に使用します。

  • 「お忙しいところ大変恐縮ですが、資料のご確認をお願いいたします。」
  • 「大変恐縮ですが、以下の日時でお打ち合わせをお願いできますでしょうか。」
  • 「大変恐縮ですが、今週中に書類をご提出いただけますか。」
  • 「大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。」

「陳謝いたします」

理由や事情を述べて謝罪する公式な表現で、経緯や背景の説明を含みます。

  • 「システム点検を怠ったことにより、この度の事故を起こしてしまいました。みなさまに心より陳謝いたします。」
  • 「先日は、〜により打ち合わせに参加できませんでした。ご迷惑をおかけしたことを、心から陳謝いたします。」
  • 「弊社の検品不備によって〇〇に破損が生じ、心から陳謝いたします。今後は点検システムの見直しを徹底して行ってまいります。」
  • 「今回の件に関しましては、〜のような経緯がございました。今回の問題点について対策を進めるとともに、心より陳謝いたします。」

「失礼いたしました」

礼儀を欠いた行動を詫びる謙譲語で、軽いミスや礼儀を欠いた行動に対して使用します。

  • 「大きな音を出してしまい、失礼いたしました。」
  • 「勘違いしておりまして、失礼いたしました。」
  • 「お返事が遅くなり、失礼いたしました。」
  • 「お先に失礼いたします。」

ビジネスシーンでの謝罪メール例

失礼やミスを迅速かつ適切に謝罪し、信頼回復を目指すためには、ポイントを押さえた文章作成が求められます。

以下では、謝罪メール作成のポイントと具体例をご紹介します。

ビジネスシーンでの謝罪メール作成のポイント

ビジネスメールで謝罪する際は、以下の基本的な構成を意識することが重要です:

  • 件名: 具体的で明確な内容を示す
  • 挨拶と自己紹介: 会社名、部署、氏名を明記
  • 謝罪: 誠意を込めた丁寧な言葉遣い
  • 原因説明: 問題の経緯を簡潔に説明
  • 再発防止策: 具体的な対策を提示
  • 締めの挨拶: 再度お詫びと今後のお願い
  • 謝罪メールの例文

具体的なメール例文

商品不具合に関する謝罪

件名: 商品不具合に関するお詫び

〇〇様

平素より弊社商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

このたびは、弊社商品〇〇に不具合があり、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。

不具合の原因は〇〇であると判明しており、現在再発防止に向けて対応を進めております。

このたびの不手際を深くお詫び申し上げるとともに、引き続きのご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

納期遅延に関する謝罪

件名:納期遅延に関するお詫び

〇〇株式会社

〇〇様

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。

このたびは、〇月〇日納期のご注文商品「〇〇」について、納期が遅延することとなり、誠に申し訳ございません。

当初お約束しておりました納期に間に合わせるべく最善を尽くしておりましたが、〇〇(遅延理由)により、〇月〇日の納品となる見込みです。

何卒ご理解とご容赦賜りますようお願い申し上げます。また、何かご不明点やご要望がございましたら、遠慮なくお知らせください。

クレーム対応の謝罪

件名:ご迷惑をおかけした件についてのお詫び

〇〇様

平素よりお世話になっております。〇〇株式会社の△△でございます。

このたびは、弊社の〇〇に関して多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。ご指摘いただきました内容を重く受け止め、早急に原因を調査し、再発防止策を講じる所存です。

詳細な調査結果と改善策については、〇月〇日までに改めてご報告申し上げます。それまでの間、ご不便をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。

何かお気づきの点や追加でご要望がございましたら、どうぞご遠慮なくお知らせください。

引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

謝罪メールへの返信例

謝罪メールへの返信では、相手の謝罪を受け入れる姿勢と感謝の気持ちを丁寧に伝えることが大切です。

以下では、返信時のポイントや具体的なメール例文をご紹介します。

謝罪メールへの返信のポイント

取引先からの謝罪メールに対する返信では、以下のポイントを押さえることが重要です:

  • 感謝の気持ちを伝える
  • 相手の誠実な対応に対して感謝の言葉を述べる
  • 丁寧で前向きな姿勢を保つ
  • 寛容な姿勢を示す
  • 問題を大きく構えず、前向きな関係性を維持する
  • 相手の誠意を受け止め、今後の協力関係を重視する

具体的なメール例文

社外向けの返信例:

〇〇株式会社
△△様

平素より大変お世話になっております。株式会社□□の□□です。

このたびは、丁寧なご連絡をいただき、誠にありがとうございました。また、状況をご説明いただきましたこと、深く感謝申し上げます。

今回の件につきましては、貴社の迅速な対応を重く受け止めており、特に問題がないことを確認しております。今後も引き続き、貴社との良好な関係を大切にしてまいります。

どうぞお気になさらず、引き続きよろしくお願い申し上げます。

取り急ぎ、御礼と返信を申し上げます。

社内向けの返信例:

件名:ご連絡ありがとうございます

〇〇さん

お忙しい中、ご丁寧にご連絡いただきありがとうございます。ご指摘いただいた件について、事情を理解いたしました。

今後の対応についても承知いたしましたので、引き続き協力させていただきます。

何か追加で必要なことがございましたら、遠慮なくお知らせください。

よろしくお願いいたします。

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の違いは?

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」は、どちらも謝罪を表現する敬語表現ですが、丁寧さに微妙な違いがあります。

「ない→ありません→ございません」の順に丁寧さが高まるため、目上の人や取引先に対しては「申し訳ございません」を使うことが推奨されます。

特に、重大な失敗や深刻な状況で謝罪する際は、より丁寧な「申し訳ございません」が適切です。

「誠に申し訳ございません」を英語で言うと

「誠に申し訳ございません」の英語表現は主に以下のように言い換えられます:

  • I am deeply sorry.
  • I sincerely apologize.
  • We are truly sorry.

これら表現は、特に重大な失敗や相手に大きな迷惑をかけた際に使用される、非常に丁寧で真摯な謝罪の言葉です。

「誠に申し訳ございません」まとめ

「誠に申し訳ございません」は、相手に敬意を払いながら誠実に謝罪の意を伝える重要な表現です。

適切な場面で使うことで、信頼関係を保ち、円滑なコミュニケーションを築く助けとなります。

また、状況に応じて類似表現を使い分けることで、より相手の気持ちに寄り添う対応が可能です。

この記事を参考に、言葉選びに配慮し、丁寧な謝罪表現を実践してみてください。