ビジネスにおいて、効果的なアポイントメールは成功の鍵となりますが、多くの営業担当者や社会人が、どのようにアポイントメールを作成すればよいか悩んでいるのが現状です。
本記事では、ビジネスシーンで信頼を得て、確実に返信をもらえるアポイントメールの書き方を、実際の例文を交えて詳細に解説します。
この記事を読むことで、すぐに実践できる実用的なスキルを身につけることができるはずです。
相手に良い印象を与え、ビジネスチャンスを広げるための「伝わるメール」の作り方を、ぜひご覧ください。
アポイントメールを書くときのポイント
ここでは、アポイントメールを書くときのポイントについてご紹介します。
件名の工夫
アポイントメールの件名は、相手に開封してもらうためのポイントであるため、戦略的に作成する必要があります。
効果的な件名には、具体的で分かりやすい内容を約20文字程度で簡潔にまとめ、相手にとってのメリットを明確に伝えることが求められます。
例えば、「御社の課題解決に役立つサービスのご提案」や「△△を最大〇%改善可能」など、具体的な数字やキーワードを使うことで、相手の興味を引きやすくなり、メールを開封してもらえる可能性が高まります。
本文の簡潔さ
メール本文は、相手の貴重な時間を奪わないよう、簡潔かつ明確に作成しましょう。
長文は相手の興味を削ぎ、メールを最後まで読んでもらえない可能性があるため、要点を最初に伝え、不要な説明や余計な言葉遣いを省くことが求められます。
具体的な提案や目的をはっきりと伝えつつ、短い文章で情報を整理することがポイントです。相手がすぐに理解できるよう、簡潔で読みやすいメールを心がけましょう。
相手へのメリット明示
アポイントメールで重要なポイントの一つは、相手にとって明確なメリットを簡潔に示すことです。
単に自社の製品やサービスを並べるだけではなく、相手のビジネス課題や具体的な改善点に直接アプローチすることが大切です。
例えば、「御社の営業効率を〇〇%改善可能」や「貴社が抱える△△の課題を解決」など、具体的な数値やメリットを提示することで、相手の関心を引き、メールを開封してもらえる確率が高まります。
相手の立場に立って、「なぜこのアポイントが自分にとって有益なのか」を明確かつ簡潔に伝えることが、成功するアポイントメールの鍵となります。
具体的な日程提案
日程調整は、アポイントメールの成功を左右する要素です。
相手の都合を考慮しつつ、具体的な候補日を3〜4日程度提示することが大切です。直近の日程ではなく、送信日の翌週あたりを候補にするのが理想的です。
例えば、「来週の火曜日(○月○日)14時〜16時」や「水曜日(○月○日)10時〜12時」のように、具体的な時間帯も併せて提案しましょう。
複数の候補日を示すことで、相手は返信しやすくなり、スムーズに日程調整を進めることができます。
また、柔軟性を持たせるために、「上記日程以外でご都合の良い日時がございましたら、ご相談ください」といった一文を添えるのも効果的です。
丁寧な言葉遣い
アポイントメールにおける丁寧な言葉遣いも、相手に対する尊敬と誠意を示すポイントとなります。尊敬語や謙譲語を適切に使用し、「です・ます調」の丁寧語を心がけましょう。
また、命令形は避け、「~いただけますでしょうか」や「~お願いできますでしょうか」といった疑問形の敬語を使うことで、相手の意向を尊重する姿勢を示すことができます。
このような表現を使うことで、相手に対して礼儀正しく、誠意を持って接していることが伝わります。
アポイントメールを書くときの注意点
ここでは、アポイントメールを書くときの注意点についてご紹介します。
営業メール拒否の確認
アポイントメールを送信する前に、相手先のウェブサイトで営業メールの受け入れ可否を必ず確認しましょう。
多くの企業は、お問い合わせページに営業メールや広告宣伝メールの拒否に関する明確な文言を掲載しています。
こうした文言がある場合、メールを送信すると法的リスクや企業からの評価を損なう可能性があります。
特に、「営業メール・広告宣伝メール禁止」の表記がある場合は、絶対にメールを送信してはいけません。
誤字脱字の防止
誤字脱字の防止も、ビジネスコミュニケーションの信頼性を保つ上で重要です。
メールを送信する前には、宛名の会社名や担当者名、自社の名称、日付、数字、連絡先情報などを細心の注意を払って確認する必要があります。
特に効果的な方法は、メールを一度書いた後に30分以上時間を置き、改めて文章を読み直すことです。
文法や表現の適切さにも注意を払い、信頼性の高いアポイントメールを作成することが求められます。
返信への迅速な対応
アポイントメールにおいて、返信の速さも大切です。相手の日程調整に関する返信は、できる限り当日中に行うことが望ましいでしょう。
遅くとも翌日中には必ず返信し、相手の予定確定をサポートすることが大切です。もし即座に返信できない場合は、返信が遅れる理由を簡潔に説明し、相手に安心感を与えるよう心掛けましょう。
返信を後回しにすると、相手に不信感を与えてしまい、せっかくのビジネスチャンスを逃す可能性があります。
タスク管理ツールやリマインダーを活用して、返信を忘れないよう工夫し、迅速かつ丁寧に対応することが重要です。
過度な情報提供の回避
相手の興味を維持するために情報量を適切にコントロールすることも欠かせません。
長々とした説明や詳細な製品情報は、受信者の読む気を削ぐ可能性があります。むしろ、簡潔で魅力的な内容に絞り、相手の好奇心を刺激しましょう。
メールの本文は300〜400文字程度に抑え、具体的な提案や提供できる価値に焦点を当てましょう。詳細な説明は、実際の面談や商談の場で行うことで、相手の興味を持続させることができます。
過剰な情報を避け、相手が「もっと知りたい」と思うような簡潔で魅力的な内容を心がけることで、成功へと繋がります。
アポイントメールの構成・書き方
ここでは、アポイントメールの構成・書き方についてご紹介します。
件名
件名は20文字以内で具体的かつ明確に内容を伝える必要があり、大量のメールに埋もれないためにも、一目で用件が分かるワーディングが鍵となります。
具体的には、具体的なサービス名や商品名を入れ、メールの目的を明確に示し、相手にとってのメリットを匂わせることが重要です。
例えば、「〇〇のご提案に関する面談のお願い」や「貴社の課題解決に向けた新サービスのご紹介」といった件名が効果的です。
宛名
宛名の書き方は、以下のポイントを押さえることが大切です。
会社名は必ず正式名称で記載し、略称は避けましょう。部署名や役職名も可能な限り明記し、相手の氏名はフルネームで記載します。
個人名が分かる場合は、名前の後に「様」を付けます。個人名が不明な場合は、会社名の後に「御中」と記載するのがマナーです。
挨拶・名乗り
アポイントメールの挨拶と自己紹介は、相手との関係性によって大きく異なります。
初めて連絡する相手の場合は、まず「突然のご連絡にて失礼いたします」などの一言から始めましょう。その後、自分の会社名、部署、氏名を明確に伝えます。
メールを送る経緯も重要です。
例えば、「貴社のホームページを拝見し、御社の事業に弊社のサービスがお役に立てるのではないかと思い、ご連絡いたしました」といった説明を加えることで、相手の警戒心を和らげることができます。
既存の取引先には、「平素よりお世話になっております」から始め、これまでのやりとりや関係性を簡潔に触れると、より親近感のある挨拶になります。
本文
アポイントメールの本文では、5W1H(Who、When、What、Why、Where、How)を意識して、的確かつ簡潔に目的を伝えることが重要です。
最初に結論となる要点を記載し、その後に詳細を説明することで、相手に伝わりやすくなります。
具体的には、なぜアポイントを取りたいのか、どのようなメリットがあるのかを明確に示しましょう。
相手の事業内容を理解し、提案する商品やサービスが顧客にとって有益であることを簡潔に伝えることで、「話を聞いてみたい」と思わせる文章を心がけてください。
また、具体的な数字や実績を交えることで、提案の信頼性を高めることができます。
締め
アポイントメールの締めはビジネスメールの最後を飾る部分であるため、まず、丁寧な感謝の言葉を入れることが大切です。
「お時間をいただき、誠にありがとうございます」や「ご検討いただき、感謝申し上げます」といったフレーズで、相手への敬意を示しましょう。
次に、具体的な行動を促す文言を入れます。「ご返信をお待ちしております」「ご都合の良い日程をお知らせください」など、相手に明確な次のアクションを求める表現を使用します。
最後に、「よろしくお願いいたします」という定型文で締めくくることで、丁寧さと誠実さを表現できます。
署名
署名には会社名、部署名、氏名を忘れずに入れましょう。
さらに、連絡先電話番号やメールアドレスも明記することで、相手が折り返し連絡を取りやすくなります。
【例文】シーン別アポイントメールの書き方
ここでは、シーン別アポイントメールの書き方を例文を使ってご紹介します。
新規顧客へのアポイントメール
件名: 新サービスのご提案について
〇〇株式会社
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)と申します。
貴社の〇〇に役立つ新サービスをご提案したく、お打ち合わせの機会をいただけないかと思いご連絡いたしました。
以下の日程でご都合の良い時間をお知らせいただけますでしょうか?
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
- 〇月〇日(〇曜日) 10:00〜12:00
- 〇月〇日(〇曜日) 13:00〜15:00
ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
既存顧客へのアポイントメール
件名: ご確認のお願い【〇〇サービスのアップデートについて】
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)です。
〇〇様にご提供しているサービスについて、最新のアップデートがございますので、確認いただきたくご連絡させていただきました。
お手数ですが、以下の日程でお打ち合わせの機会をいただけますでしょうか?
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
- 〇月〇日(〇曜日) 10:00〜12:00
- 〇月〇日(〇曜日) 13:00〜15:00
ご都合の良い時間帯をご教示いただけると幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
社長や役員へのアポイントメール
件名: 【重要】お打ち合わせのお願い
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)と申します。
〇〇様にご提案させていただきたい新しい事業内容がございます。お忙しいところ恐れ入りますが、ぜひお時間をいただけますでしょうか。
以下の日程でご都合の良い時間をお知らせいただければ幸いです。
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
- 〇月〇日(〇曜日) 10:00〜12:00
- 〇月〇日(〇曜日) 13:00〜15:00
もし上記の日程で難しい場合は、他のご都合をお知らせいただければ調整させていただきます。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
OB・OG訪問のアポイントメール
件名: OB・OG訪問のお願い
〇〇大学 〇〇学部
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。〇〇大学〇〇学部の△△(あなたの名前)と申します。
現在、就職活動を行っており、〇〇様のご経験やご活躍をお聞きしたく、OB・OG訪問をお願いできないかと思い、ご連絡させていただきました。
お忙しいところ恐れ入りますが、以下の日程でお時間をいただけますでしょうか?
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
- 〇月〇日(〇曜日) 10:00〜12:00
- 〇月〇日(〇曜日) 13:00〜15:00
ご都合の良い時間をお知らせいただければ幸いです。
お時間をいただけることを心より感謝申し上げます。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
先方に候補日を提示してもらうアポイントメール
件名: お打ち合わせの日程調整のお願い
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)です。
先日はお話しいただき、ありがとうございます。
〇〇様とのお打ち合わせをぜひ行いたく、ご連絡させていただきました。
お手数ですが、〇〇様のご都合の良い日程をいくつかご提示いただけますでしょうか?
こちらで調整させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
候補日が1日のみの場合に送るアポイントメール
件名: お打ち合わせの日程のご確認
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)です。
先日はご連絡いただき、ありがとうございます。
お打ち合わせの日程として、以下の日時をご提案させていただきます。ご都合はいかがでしょうか?
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
もしご都合が悪い場合は、別の日時をご提案いただければと思います。
ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
別の日程を提示するアポイントメール
件名: お打ち合わせの日程調整のお願い
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)です。
先日はお話しいただき、ありがとうございます。
お打ち合わせの日程について、以下の日時で調整をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか?
- 〇月〇日(〇曜日) 14:00〜16:00
- 〇月〇日(〇曜日) 10:00〜12:00
- 〇月〇日(〇曜日) 13:00〜15:00
ご都合の良い時間帯をお知らせいただければ幸いです。
もし上記の日程で難しい場合は、他の日程をご提案いただけますようお願いいたします。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
リマインダーアポイントメール
件名: 【リマインダー】お打ち合わせのご確認
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の△△(あなたの名前)です。
〇月〇日(〇曜日)にお約束しておりましたお打ち合わせについて、改めてご確認させていただきます。
お打ち合わせの日時は以下の通りです:
- 〇月〇日(〇曜日) 〇〇時〜〇〇時
もしご都合が悪くなった場合は、別の日時をご提案いただければと思います。
お手数ですが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、お打ち合わせを楽しみにしております。
アポイントメールを送るタイミング
次に、アポイントメールを送るタイミングはいつが良いのかを見ていきます。
おすすめの送信曜日
メールの開封率が最も高いのは木曜日で、次いで火曜日が続きます。特に平日の午前中の送信が最適とされています。
一方で、土日は平日の開封率の半分程度に低下するため、避けた方が良いでしょう。
月曜日は週の始まりで忙しく社内会議なども多いため、メールを確認する余裕が少ないことが多いので、送信は避けた方が賢明です。
また、金曜日の夕方も仕事の終わりに近づいているため、気持ちが仕事モードから切り替わり、アポイントメールへの返信率が低くなる傾向があります。
おすすめの送信時間帯
アポイントメールを送る最適な時間帯は、火曜日から木曜日の午前中がおすすめです。具体的には、午前8時から9時の通勤時間帯が効果的です。
この時間帯は、多くの人が電車の中でスマートフォンを使用して情報収集やメールチェックを行っているため、メールが開封される可能性が高くなります。
また、昼休み明けの時間帯も返信率が良いとされています。リモートワークが増えている現在、オフィス外でも比較的早く返信をもらえることが多くなっています。
絶対に避けるべき時間帯
アポイントメールを送る際に避けるべき時間帯は、相手の業務に支障をきたす可能性が高い時間帯です。
深夜から早朝(22時~5時)、始業直前の慌ただしい30分、昼食時間(12時~13時)、終業前30分、そして土日祝日は絶対に避けるべきです。
これらの時間帯にメールを送ると、相手に不快感を与えたりメールが後回しにされたりする可能性が非常に高くなります。
アポイントメールまとめ
アポイントメールは、ビジネスにおいて欠かせないコミュニケーションツールです。件名や本文の構成、相手への配慮など、細やかな工夫が成功の鍵を握っています。
今回学んだポイントを実践し、自分らしい魅力的なアポイントメールを作成して、商談成功への第一歩を踏み出しましょう。
相手の立場に立ち価値ある提案を心がけることで、返信率や商談獲得率を確実に高めることができるはずです。
ビジネスにおいて、適切なアポイントメールを送ることで、信頼関係を築き、より良い成果を上げるための土台を作ることができます。