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年末年始は、大切な人々とのコミュニケーションを大切にする時期ですが、適切な挨拶メールの書き方に悩む人は多いものです。

本記事では、ビジネスや私用における年末年始メールの正しい書き方、タイミング、注意点を具体的な例文とともに詳しく解説します。

メールの送り方や返信のコツを知ることで、相手との良好な関係を築きながら、心のこもったメッセージを届けられるようになるはずです。

【基本マナー】年末年始の挨拶メールのポイント

ここでは、年末年始の挨拶メールのポイントについてご紹介します。

適切なタイミングで送る

年末の挨拶メールを送る際には、受信者の状況に応じて最適なタイミングで送信することが重要です。

取引先に対しては、ほとんどの企業が年末の業務を終える12月28日前後を考慮して、12月21日から25日の間に送るのが良いでしょう。

一方、社内での挨拶メールは、同僚や上司が年内最後の業務を終える12月28日を目安に、遅くとも12月25日までに送ることが望ましいです。

このタイミングなら、全員がメールを確認する余裕がありますし、年末の忙しい時期にも配慮した形となります。

また、相手の休暇予定や業務スケジュールを考慮し、必要に応じて送信日を前後させる柔軟性も大切です。

お世話になった人へ個別送信

また、年末の挨拶メールを送る際、一斉送信ではなく個別に送ることもとても重要です。

CCやBCCを使った一括送信は、相手に対して事務的な印象を与えてしまうだけでなく、個人情報の保護という観点からもおすすめできません。

個別にメールを送るメリットは、各取引先や関係者との個人的なつながりを重視できる点にあります。

たとえば、「今年の○○プロジェクトでのご協力に心より感謝しております」といった、その相手ならではの感謝の言葉を加えることで、より心温まる挨拶が可能になります。

このように相手一人ひとりに合わせたカスタマイズされたメッセージは、ビジネス関係の信頼を深め、より強固なつながりを築く絶好の機会となります。

件名を明確にする

年末におけるメールの件名は、受信者にとって一年で最も多くのメッセージが届く時期ですから、特に注意を払うべきです。

件名を明確にすることで、受信者がメールの内容を即座に理解しやすくなり、メールが埋もれてしまうことを防ぎます。

たとえば、「【年末のご挨拶】株式会社○○ 山田太郎」という件名は、送信者とその目的が一目でわかり、個人的なつながりを感じさせます。

また、「年末年始休業のお知らせ ▲▲(自社の社名)」という件名は、そのメールが何についてのものかを明確に伝え、受信者にとって重要な情報であることを示しています。

このような工夫をすることで、年末の忙しい時期でも相手にメールをしっかりと読んでもらえるようになります。

年末年始の挨拶メールの構成

次に、実際に年末年始の挨拶メールの構成を見ていきましょう。

件名

年末年始に送るメールの件名は、受信者が一目でメールの内容を把握できるように、シンプルかつ明確であることが求められます。効果的な件名の例としては、以下が挙げられます:

  • 「年末年始営業日のご案内」
  • 「年末年始休業のお知らせ」
  • 「年末のご挨拶と営業日のお知らせ」

件名には、可能であれば自社の名前や部署名を追加すると、より具体的になります。例えば、「年末年始営業日のご案内【株式会社○○ 営業部】」のような形式です。

曖昧な件名は避け、できるだけ簡潔かつ明確に要点を伝えましょう。

宛名

宛名は、相手との関係性や親密度によって適切な表現を選ぶ必要があります。

取引先や上司など、フォーマルな関係の場合は、「〇〇株式会社 ●●様」のように、相手の会社名と氏名を正確に記載することが基本となります。

一方で、社内の同僚や親しい関係の場合は、「●●さん」や「●●課長」など、より親しみやすい呼称を使用することができます。

宛名の後には、改行を入れて本文を始めることで、読みやすく丁寧な印象のメールになります。

挨拶・名乗り

年末年始のメールにおける挨拶と名乗りは、ビジネスコミュニケーションの第一歩となる重要な部分です。

まず、「いつもお世話になっております」や「平素は格別のご高配を賜り」といった定型文で丁寧に挨拶を始めます。その後、自分の所属と名前を明確に伝えることが大切です。

例えば、「株式会社○○の△△です」のように、企業名と氏名を簡潔に示します。

本文

年末の挨拶メールの本文は、相手との関係性によって構成が異なりますが、基本的には以下の要素を盛り込みましょう。

1年間の感謝の気持ちを具体的に表現し、特定のプロジェクトや支援に対する感謝や、具体的なエピソードを交えると、より心のこもった挨拶になります。

次に、年末年始の休業期間や営業日を明確に伝えます。緊急連絡先があれば併せて記載すると、相手への配慮が感じられます。

締め

年末年始の挨拶メールの「締め」は、相手への感謝と温かい気持ちを伝える部分で、結びの言葉ではその年の感謝を改めて表現し、来年への期待や希望を込めます。

典型的な締めの文例としては、「どうぞよいお年をお迎えください」「貴社のご繁栄をお祈りいたします」「引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」などがあります。

相手との関係性に応じて、少し個人的な気遣いの言葉を添えると、より心のこもった印象を与えることができます。

署名

メールの署名は、ビジネスコミュニケーションにおける重要な要素です。基本的に、以下の情報を含めることをおすすめします:

  • 会社名
  • 所属部署
  • 氏名
  • 連絡先(電話番号、メールアドレス)
  • 会社住所

年末年始の特別な期間中は、署名に休業日の情報を追加すると親切です。

例えば、「年末年始休業期間:12月29日〜1月3日」といった一文を入れることで、相手に事前に情報を伝えることができます。

年末年始の挨拶で使える締めの言葉

ここでは、年末年始の挨拶で使える締めの言葉をいくつかご紹介します。

年末の挨拶で使う締めの言葉

ビジネス向け

  • 「本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます」
  • 「皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」
  • 「寒い日が続きますので、お体に気をつけて、よいお年をお迎えください」
  • 「年末は一段と寒さが厳しくなるとのことですので、ご自愛ください」
  • 「来年も引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」
  • 「来年も素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます」

プライべート向け

  • 「来年も素晴らしい年になりますよう願っております」
  • 「皆様おそろいで穏やかな新年をお迎えください」
  • 「お互い元気に年末を乗り切りましょう」
  • 「風邪などひかず、健康に気をつけて」

年始の挨拶で使う締めの言葉

ビジネス向け

  • 「本年も変わらぬご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い申しあげます」
  • 「本年も引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
  • 「本年も貴社のお力になれるよう、よりいっそう業務に邁進する所存です」
  • 「貴社のますますのご発展を心より祈念しております」
  • 「今年も幸多き年でありますよう、お祈り申し上げます」

プライべート向け

  • 「ご家族そろって穏やかな新年をお迎えください」
  • 「今年も健康に十分ご留意ください」
  • 「本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」
  • 「引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」

【例文】シーン別年末年始の挨拶メール

ここでは、シーン別年末年始の挨拶メールの書き方を例文を使ってご紹介します。

社外宛て年末の挨拶メール

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

本年は、当社製品の導入プロジェクトにおいて、貴社のご支援と協力を賜り、誠にありがとうございました。

特にデジタルマーケティング分野での貴社の専門知識は、当社の業績向上に大いに貢献しております。

新年も引き続き、このような協働の機会を拡大し、相互の発展を図れればと存じます。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

皆様が健やかに新年を迎えられますようお祈り申し上げます。

社外宛て年始の挨拶メール

新春の候、貴社におかれましては益々のご発展をお祈り申し上げます。

昨年は当社製品の新規プロジェクトにおいて、格別のご配慮と支援を賜り、心より感謝申し上げます。特に貴社の迅速な対応により、多くの課題が円滑に解決へと導かれました。

本年も貴社との更なる協力関係を築き、双方にとって有益な一年となることを期待しております。今年も変わらずのご支援をお願い申し上げます。

皆様の健康と幸運を心よりお祈りしております。

社内宛て年末の挨拶メール

皆さん、

今年一年、社内各部門でのご尽力に深く感謝申し上げます。

特に、新たな営業戦略の展開やリモートワークシステムの導入に際し、各自が一致団結してくれたことに心より感謝しています。

年末年始の休暇を迎えるにあたり、くれぐれも健康に留意し、リフレッシュしていただきたいと思います。来年も一丸となってさらなる成果を目指し、協力して取り組んでいく所存です。

皆様の家族も含めて、健康で安全な年末年始をお過ごしいただけますように。新たな年が皆様にとって素晴らしい一年となりますように。

社内宛て年始の挨拶メール

皆さん、

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は多くの挑戦と変化の中、皆さんの努力と協力により数々の成果を上げることができました。今年もその勢いを持続し、さらなる成長を目指しましょう。

今年の目標は、革新的なプロジェクトの成功と、社員一人ひとりの能力開発に注力することです。皆さんの積極的な参加と意見を期待しています。

新しい年が、皆さんにとって健康、幸福、そして成功の多い一年となりますよう心から願っています。改めて、本年も変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。

社外向け年末の挨拶メールへの返信

この度は温かい年末のご挨拶を賜り、誠にありがとうございます。今年一年、貴社との協力関係を深めることができたことを嬉しく思います。

来年も引き続き相互の発展を目指し、協力していければと存じます。どうぞ良いお年をお迎えください。

年始にも、改めてご挨拶をさせていただきます。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

社内向け年始の挨拶メールへの返信

皆様、

新年あけましておめでとうございます。貴重なご挨拶をいただき、心より感謝申し上げます。

昨年は数多くの挑戦と成果がありましたが、今年も一層の努力でさらなる成功を目指していきたいと思います。皆様と共に努力し、会社の目標達成に貢献できることを楽しみにしております。

202X年も、どうぞよろしくお願いいたします。皆様にとって健康で充実した一年となりますよう願っております。

【NG例】年末年始の挨拶

ここでは、年末年始の挨拶のNG例についてご紹介します。

BCCによる一括送信

BCCでの一斉送信は、ビジネスマナーとして適切ではないとされることが多いです。

特に、メールアドレスが意図せずに漏れるリスクがあり、受信者に一律のメッセージを送ることで、個々の関係を大切にしていないと感じられる恐れがあります。

取引先や重要な関係者に対しては、一人ひとりに合わせたカスタマイズされたメールを送ることが推奨されます。

CCでの共有送信

CCを使用して複数の取引先や関係者に同時にメールを送信することは、個人情報の意図しない漏洩やプライバシー侵害のリスクを伴い、受信者に非常に不誠実で形式的な印象を与える可能性があります。

また、CCでの共有は、受信者間での関係が透明になりすぎ、予期せぬ誤解やコミュニケーションの問題を引き起こすこともあるため、慎重な使用が求められます。

このため、重要なコミュニケーションでは、個々に対応することが最良のアプローチとされています。

送信忘れ

年末の挨拶メールの送り忘れは、意外と頻繁に起こる失敗です。

慌ただしい年末年始の時期、仕事の締めくくりや休暇の準備に追われ、気づいたときには年が明けてしまうことがよくあります。

送り忘れを防ぐためには、メールの配信予約機能を活用するのがおすすめです。事前に下書きを作成し、送信日時を設定しておくことで、確実に年内に挨拶メールを送ることができます。

また、送り忘れた場合は、年始早々に「新年のご挨拶」や「寒中見舞い」として連絡を取ることで、遅れを取り戻すことができます。

年末年始の挨拶メールに関する質問

ここでは、年末年始の挨拶メールのよくある疑問について解消していきます。

予約配信の日時はいつが適切か?

年末の挨拶メールは、最終営業日の1週間~3日前に送信するのが最適です。

具体的には、12月中旬から下旬にかけて、取引先の業務繁忙期を考慮しながら送信するのがベストです。早めに送ることで、相手に余裕を持って年末年始の準備をしてもらえます。

また、メール配信のタイミングは相手との関係性によっても異なります。社外の取引先には休業の約1週間前、社内の上司には休暇に入る数日前までに送るようにしましょう。

先に挨拶メールを受け取った場合の返信方法

年末の挨拶メールを先に受け取った場合、できる限り当日中、遅くとも本年度の営業時間内に返信することが望ましいでしょう。

返信メールには、感謝の言葉、今年一年へのお礼、来年への抱負、自社の年末年始の休業期間などを含めることが重要です。

相手のメールとほぼ同じような定型文でも問題なく、「こちらこそ」や「○○様におかれましても」などの言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

はがきや対面で挨拶済みの場合のメールの有無

年末年始の挨拶を既にはがきや対面で済ませている場合でも、ビジネスメールでの挨拶は依然として重要です。

対面やはがきで挨拶済みであっても、メールは公式な記録として残り、年末年始の営業日程や感謝の気持ちを明確に伝えられる機会となります。

特に取引先や重要な関係者に対しては、簡潔で丁寧なメールを送ることで、コミュニケーションの質を高め、良好な関係性を維持することができます。

メールの内容は、既に伝えた挨拶の補足や、来年への抱負、感謝の言葉などを簡潔に盛り込むとよいでしょう。

年末年始の挨拶メールまとめ

年末年始メールは、ビジネスにおける重要なコミュニケーションツールです。

感謝の気持ちと休業期間の明確な伝達が鍵となり、相手との良好な関係を維持する絶好の機会となります。

自社のトーンや相手との関係性に合わせて、心のこもった丁寧な挨拶メールを作成し、新年への期待と感謝の気持ちを伝えましょう。