「つきましては」は丁寧な表現だと分かっていても、上司に使って失礼にならないか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「つきましては」の正しい意味や使い方を、具体的な例文とともに詳しく解説します。
ビジネスシーンで適切に「つきましては」を使いこなせるようになり、より洗練されたビジネスコミュニケーションを実現しましょう。
「つきましては」の正しい意味とは?
「つきましては」は、前述の内容を受けて次の話題へつなげる際に使われる表現です。
ここでは、その正しい意味や使われる場面について詳しく解説します。
敬語表現における「つきましては」
「つきましては」は、「~について」をより丁寧に表現した敬語表現です。
類似の表現として「~については」や「~に関しては」がありますが、「つきましては」は特にフォーマルな場面でよく使われます。
この表現を使う際のポイントは、まず前提となる内容や結論を述べ、それを受ける形で「つきましては」を用いることです。
そうすることで、話の流れが整理され、相手にとって分かりやすい伝え方になります。
また、「その件につきましては」などの形で使うことで、すでに話題になっている内容を指すことができ、丁寧かつ明確な表現になります。
接続詞における「つきましては」
接続詞としての「つきましては」は、主に文頭に置かれ、前の話題を受けて新たな展開や依頼を示す役割を持ちます。
「したがって」「そこで」「このような事情により」といった意味に近く、文脈の流れを自然にする効果があります。
特に、ビジネスシーンでは「つきましては」の後に依頼やお願いが続くことが多く、相手に何か対応を求める際に用いられます。
例えば、「新しいプロジェクトが始動します。つきましては、会議の準備をお願いいたします。」のように使うことで、前提と依頼が明確になり、スムーズな伝達が可能になります。
「つきましては」を目上の人に使用すると失礼にあたる?
「つきましては」は丁寧な表現であり、目上の人に対しても問題なく使用できます。
接続詞として文頭で使う場合も、連語として文中で使う場合も、むしろ「~については」「~に関しては」「そこで」「そのため」といった表現よりもフォーマルな印象を与えます。
そのため、ビジネスシーンやフォーマルな場面では、「つきましては」を使用する方が適切です。
特に、謝罪や説明の場面では、「つきましては」を用いることで、問題点を明確にした上で、その対応策やお願いをスムーズに伝えられます。
例えば、「大変申し訳ございませんが、予定していた納品日に間に合わない見込みです。つきましては、明後日の11時に納品させていただきたく存じます。」といった形で使うと、相手に伝わりやすくなります。
「つきましては」のビジネスシーン別例文
「つきましては」は、ビジネス文書や会話で次の要件につなげる際に使われる表現です。
ここでは、シーン別に適切な例文を挙げ、その使い方を詳しく解説します。
提案や依頼をする場合
- 新しいプロジェクトを立ち上げることとなりました。つきましては、〇〇様にご協力をお願いできれば幸いです。
- 会議の内容が変更となりました。つきましては、新しい日程をご確認いただけますようお願い申し上げます。
- このたび、新製品の発売が決定しました。つきましては、詳細資料を添付いたしましたのでご確認ください。
- 研修の実施が決定しました。つきましては、参加の可否をお知らせいただけますでしょうか。
- 来月のイベントにてプレゼンを行うこととなりました。つきましては、事前に資料をご確認いただけますと幸いです。
業務連絡や調整をする場合
- システムメンテナンスを実施することとなりました。つきましては、〇月〇日の間、サービスが一時停止となります。
- 来月の営業方針について変更がございます。つきましては、社内会議を開催いたしますので、ご出席をお願いいたします。
- 先日の案件について、追加の情報が必要となりました。つきましては、詳細をご共有いただけますでしょうか。
- 社内のフロア配置が変更となります。つきましては、移動スケジュールをご確認ください。
- 契約書の締結が必要となりました。つきましては、必要書類をご準備いただけますでしょうか。
トラブルや変更の説明をする場合
- お客様からのご要望を受け、仕様を変更することとなりました。つきましては、新たなスケジュールをご確認ください。
- 誤送信が判明いたしました。つきましては、正しいデータをお送りいたしますので、ご確認をお願いいたします。
- 設備の不具合が発生いたしました。つきましては、復旧作業完了まで今しばらくお待ちください。
- 予定していた納品日が変更となりました。つきましては、改めて日程を調整させていただきます。
- システムの不具合が発覚しました。つきましては、影響範囲について調査を進めておりますので、後ほどご報告いたします。
案内やお知らせをする場合
- 創立記念イベントを開催することとなりました。つきましては、詳細を添付しておりますのでご確認ください。
- 担当者が変更となりました。つきましては、以後のご連絡は〇〇が対応いたします。
- このたび、新サービスを開始する運びとなりました。つきましては、キャンペーン内容をお知らせいたします。
- 年末年始の営業日が決定いたしました。つきましては、スケジュールをご確認のほどお願いいたします。
- 社内規定の一部が改定されました。つきましては、関連資料をお送りしますので、ご確認をお願いいたします。
「つきましては」と「おかれましては」の意味の違いは?
つきましてはとおかれましてはは、どちらも丁寧な表現ですが、使用する対象が異なります。
つきましてはは物事や事柄に対して使用する表現で、「この企画につきましては」「その件につきましては」のように使います。
一方、おかれましてはは人や会社に対して使う表現です。
例えば、「企画の詳細につきましては、お手元の資料の4ページをご覧ください」や「申請方法につきましては、添付ファイルのご確認をお願いいたします」のように使用します。
おかれましてはは「皆様においては」を丁寧に表現したフレーズで、取引先など目上の相手に使える敬語として適切です。
「つきましては」の他の言い換え表現
「つきましては」を他の表現に言い換えることで、文章の流れやニュアンスを調整できます。
ここでは、状況に応じた適切な言い換え表現を具体例とともに解説します。
関しましては
「関しましては」は、特定の話題や状況について説明や報告を行う際に使用される丁寧な表現です。
上司や取引先など目上の人にも使えるフォーマルな表現で、ビジネスシーンで広く活用されています。
また、「つきましては」が事柄を指すのに対し、「関しましては」は人や場所にも使えるため、汎用性が高いのが特徴です。
- 今回のプロジェクトに関しましては、進捗状況を改めてご報告いたします。
- ご質問に関しましては、担当部署より折り返しご連絡させていただきます。
- 契約内容の変更に関しましては、添付の資料をご確認ください。
従いましては
「従いまして」は「従って(したがって)」の敬語・丁寧語であり、「つきましては」「ついては」よりもよりかしこまった表現です。
「従いまして」は、メールや挨拶状、社内文書などで日常的に使われる言葉で、前の文を受けて、その内容を絞り込み、何かしらの結論に落とし込むために使用します。
前後の意味の関係性は非常に高く、前の文の内容から必然的にこのような結論となることを表す接続詞です。
- 社内規定が変更となりました。従いまして、新しいルールに従って運用をお願いいたします。
- 予算の都合上、計画を一部見直すことになりました。従いまして、会議日程を調整いたします。
- 重要な案件となります。従いまして、慎重にご対応くださいますようお願いいたします。
そういうわけで
「そういうわけで」は事前に述べた物事の事情や背景を理由とする場合の表現で、「そんなわけで」という意味です。
「つきましては」を接続詞として使う場合の言い換え表現として「そういうわけで」を使うことができますが、ややカジュアルな印象を与えます。
日常会話やカジュアルなメールなど、フレンドリーなやり取りの中で用いるのが望ましい表現です。
- 仕事が一段落しました。そういうわけで、今日は早めに帰ろうと思います。
- 天気が悪くなりそうですね。そういうわけで、ピクニックは延期することにしました。
- クライアントから急な変更依頼がありました。そういうわけで、スケジュールを調整します。
「つきましては」を英語で表現すると
「つきましては」は、文脈をつなぐ役割を持つ表現で、英語では状況に応じた適切なフレーズを選ぶ必要があります。
ここでは、「つきましては」の英語表現とその使い方を解説します。
冒頭部分「therefore」「so」
「つきましては」を接続詞として文頭で使用する場合、英語では主に「therefore」や「so」が適しています。
「therefore」はフォーマルな表現で、ビジネス文書や学術論文でよく使われ、「したがって」「それゆえに」という意味を持ちます。一方、「so」はよりカジュアルな表現で、日常会話や親しみのあるビジネスシーンで適しています。
また、「so therefore」のように両方を組み合わせることは避けましょう。どちらも接続詞としての役割を持つため、冗長な表現になってしまいます。
- We have decided to launch a new service next month. Therefore, we need to finalize the marketing strategy.
(来月、新サービスを開始することになりました。つきましては、マーケティング戦略を確定する必要があります。) - The deadline has been moved up. So, we must speed up the project.
(締め切りが前倒しになりました。つきましては、プロジェクトを加速させなければなりません。) - The client requested a revision. Therefore, we need to update the proposal accordingly.
(クライアントから修正依頼がありました。つきましては、提案書を更新する必要があります。)
文章の途中「about」「regarding」
文中で「つきましては」を英語で表現する際には、「about」や「regarding」がよく使われます。
「regarding」は「〜に関して」「〜について」という意味を持ち、特定の話題や事項にフォーカスする際に適しています。
また、「about」も一般的に使用されますが、ややカジュアルな印象を与えます。
- Regarding the upcoming meeting, please confirm your availability by tomorrow.
(つきましては、次回の会議について、ご都合を明日までにご確認ください。) - We need to make some changes about the project schedule.
(プロジェクトのスケジュールにつきましては、いくつか調整が必要です。) - In this regard, we kindly ask for your cooperation in the transition process.
(つきましては、移行プロセスへのご協力をお願い申し上げます。)
つきましてはまとめ
「つきましては」は、ビジネスシーンで頻繁に使われる丁寧な表現で、上司や取引先に対しても適切に使用できる言葉です。
事柄や物事について説明する際には「つきましては」を使い、人や会社に関する話題では「おかれましては」と使い分けることで、より洗練されたコミュニケーションが可能になります。
本記事で紹介した使い方や例文を参考に、実際のビジネスシーンで活用してみてください。
適切な表現を身につけることで、よりスムーズで円滑なやり取りが実現できるでしょう。