「オンライン企業説明会のメリットは何があるの?」
「オンライン企業説明会を開催する際のポイントやツールについて知りたい!」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスの影響から、就活のオンライン化が進んでいます。
企業にとっても就活生にとってもメリットが大きいですが、開催する場合は注意点や使用すべきツールについては知っておく必要があります。
こちらの記事では、オンライン会社説明会のメリット・デメリット、成功するためのコツなどを解説していくので、参考にしてください!
- コロナ禍で注目を集め、近年就活生からの需要が増加
- コストや負担を抑えつつ、多くの人々にアプローチできる
- 開催方式の検討や通信環境の整備が必要
オンライン企業説明会とは?
オンライン企業説明会とは、その名の通りオンライン上でリモート開催される会社説明会を指します。
従来、会社説明会は就活生が実際に会場をへ足を運んで企業側から事業の説明を受けるという形が主流でしたが、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業がオンライン企業説明会を導入しています。
オンライン会社説明会が始まったばかりの頃は「分かりづらい」という声も見られましたが、会社側にノウハウが蓄積されてきたことで、効率的かつ分かりやすくオンライン会社説明会ができるようになりました。
企業は一度に多くの就活生と接触でき、就活生にとっては移動時間や交通費などをカットして気軽に会社の説明を聞けるので、双方にとってメリットの大きい説明会のスタイルと言えるでしょう。
近年オンライン説明会への注目が高まる
コロナ禍や利便性といった理由から、オンライン企業説明会への関心・ニーズは高まっています。
実際に就職白書2022によると、「個別企業・各種団体等の説明会・セミナーへの参加」について、オンラインで開催されるものに参加すると回答した2022年卒の割合は42.9%と、2021年卒と比べて13.3%増加しました。
一方で「対面で開催されるものに参加する」と回答した2022年卒の割合は28.9%と、2021年卒と比べて5.8%減少しました。
このことから、就活生がより説明会のオンライン開催を求めるようになっている、という傾向がわかります。
出展:就職白書2022
地方では歓迎の声が多い
熊本大学では、2022年に主催した就活生向けの合同オンライン会社説明会に5日間で200社近くが参加しました。
業種に関係なく、県内や九州エリアだけでなく、東京や大阪などの企業が多く参加するようになったことで、大学の担当者も「学生の選択肢が広がった」と好意的に捉えています。
実際に、学生からも「1日に複数の会社説明会や見学会などに参加しやすくなった」と、オンライン会社説明会を好意的に捉えていることから、今後ますますオンライン会社説明会が浸透していくでしょう。
就活のオンライン化が進むことで、時間や場所などの制約が無くなるので、企業と学生の双方にとって接点が増える上に選択肢が広がるメリットがあります。
実際に、福岡市の内定者の内訳を見てみると、県外大学出身者の割合が2019年は36%であったのに対し、2020年は56%、2021年も40%と上昇傾向です。
採用の幅も広がりますので、ぜひ企業側もオンライン説明会のメリットを生かしていきましょう。
オンライン会社説明会の種類
オンライン説明会と一言で言っても、様々な開催方式があります。ここでは開催方式の例を紹介しますので、これを参考に最適な方式を検討してみてください。
ライブ配信型
ライブ配信型は、オンラインでリアルタイムで実施される説明会です。
会話やチャットを通じて、参加者と直接コミュニケーションが取れることが大きな特徴となっています。参加者の質問にその場で答えられるのは魅力的ですよね。
ただし開催日時が決まっているため、学生は都合が合わないと参加することができません。この点に配慮しようとすると、企業は説明会を複数回開催する必要があり、負担が大きくなるというデメリットもあります。
ライブ配信型にはさらに複数の方式があります。以下で紹介する開催方式を複数組み合わせるのも良いでしょう。
ウェビナー型
主催者が一方的に説明し、参加者がそれを聞くという形が基本になります。企業側と学生側が長時間直接会話するということはあまり想定されていません。
ただし、チャットでの質問を募集したり、参加者にその場でアンケートを実施したりすることで、双方向でのコミュニケーションが可能になります。
まずは企業の特徴や魅力をこちらから伝えたい、という時におすすめの形式です。
Web会議型
企業側も学生側も全員が声を出して会話する形式で、より双方向のコミュニケーションに重きを置いています。
企業による説明というより、社員と学生の交流の機会を提供したい場合におすすめです。
参加者がマイクとカメラをオフにすれば、実質ウェビナー型にもなります。ですので、「ウェビナー型で説明→Web会議型で交流」という形にするのも良いでしょう。
テーブル型
参加者をグループに分けて実施する形で、バーチャル上で実際にたくさんのテーブルを設置することもあります。
使い方としては、社員1人と少人数の参加者で座談会を行う、就活生をグループワークやディスカッションさせたりする、といった方法が挙げられます。
またテーブル型は、複数の企業が参加する合同説明会でも便利です。各テーブルに企業のブースを設置することで、学生がテーブル=企業間を自由に移動することが可能になります。
録画配信型(オンデマンド型)
録画配信型は、企業が事前に撮影しておいた説明会の動画をweb上で公開する方式です。そのため、リアルタイムでの参加者との会話はできなくなります。
しかしメリットも多くあります。就活生は都合の良い時間にいつでも見ることができるため、企業にとっては多くの就活生にアプローチすることができます。
またライブ配信型のように本番で失敗するリスクもありませんし、一度録画してしまえば何度でも使えるので負担の軽減にもなります。
リモート会社説明会のメリット
ここまでリモート説明会の種類をお伝えしてきましたが、リモートで実施するメリットは何なのでしょうか。ここでは、オンライン実施の長所をお伝えします。
手間やコストを抑えて効率化を実現
対面の説明会を開催するには多くの手間とコストがかかります。
事前に会場を確保し設営、当日は参加者を集合場所から会場に誘導して受付、開催後は会場の片付け・・・これらにかかる手間・人員・費用は大きな負担になります。さらに地方で開催する場合は、さらに移動のための費用と時間がかかります。
オンライン説明会であれば、最初にツールを用意すればあとはどこからでも開催できます。企業は会場の準備や移動のコストを大幅に削減することができ、特に録画配信型であれば負担が大きく減るでしょう。
オンラインだからこその内容も
オンラインを活用すれば、コストを抑えた上で非常に内容が充実した説明会を実施することが可能です。
例えば、地方や海外駐在中の社員が現地から説明会に参加することで、現地の臨場感を参加者に伝えることができます。
また参加できる社員数が増えれば、社員1人と少人数の就活生という形で、より密なコミュニケーションを取ることも可能になります。
採用の母数を増やすことが可能
採用活動の成否を決める要因として、採用の母数が挙げられます。この母数が多ければ、より優秀な人を採用できる可能性が高まると言えるでしょう。オンライン説明会では、採用の母数増加に貢献することができます。
なぜなら、オンライン説明会は対面と比べて気軽に参加できるため、企業はより多くの就活生にアプローチすることができます。特に地方や海外に住んでいる学生は、オンライン説明会のほうがはるかに参加しやすいです。
こうした学生がオンライン説明会をきっかけに企業に興味を持ち、応募するという流れができれば、採用の母数増加を実現することができます。
参加者数の上限が増える
対面での説明会ですと、会場の収容人数によって参加者数が制限されてしまいます。その結果、対面での説明会は先着順ですぐに枠が埋まってしまったり、高倍率の抽選が実施されたりと、企業がアプローチできる参加者数が限られます。
一方でオンラインですと、使用するツールにもよるが上限が1回につき数百人にまで増えるので、対面に比べてはるかに多くの就活生と交流できるのです。
オンライン会社説明会のデメリット
オンライン説明会はメリットもあればデメリットもあります。ここでは事前に知っておくべきオンラインの短所について紹介します。
直前キャンセル・途中退席が発生しやすい
オンライン説明会は気軽に申し込み・参加ができる一方、就活生にとって1つの説明会へのモチベーションは下がります。よって直前にキャンセルされる、無断欠席される、説明会の途中に退出される、といったことが起こりやすくなります。
よって、学生の関心を引き続けることが重要です。説明会の前日にリマインドメールを送信して学生が忘れないようにし、説明会自体を学生の需要に応える内容にすることで、最後まで参加してもらえるようにしましょう。
コミュニケーションが難航することも
オンラインは対面に比べて相手の様子がわかりづらく、どうしても距離感ができてしまいます。
対面であれば、参加者の反応に応じて臨機応変にアドリブを入れることも容易いですが、オンラインでは参加者の反応に応じて話すことが難しくなります。
また双方向のコミュニケーションを取ろうとしても、質問を投げかけても反応が返ってこない、社員と学生との会話がぎこちない、途中で参加者が退出してしまうなど、コミュニケーションが捗らないことも少なくありません。
オンラインでは相手の反応を読み取ろうという姿勢がより重要になってくるのです。
会社の雰囲気が伝わりづらい
企業オフィスで実施される対面の説明会では、参加者はオフィスや社員の雰囲気を感じ取ることができます。特にオフィス環境を売りにしている企業にとっては、魅力的なオフィスを知ってもらうことは大事ですよね。
しかしオンラインでは、こうした社内の雰囲気が伝わりづらくなります。よって、オンラインでオフィスツアーを実施したり、社員の普段の空気感をオンラインで実現したりする努力が必要です。
また対面では自社の商品やサービスを体感してもらうことも可能ですが、オンラインではそれもやりづらくなります。オンラインツールを活用して自社の事業を伝える工夫をしてみましょう。
オンライン説明会におすすめのツール
オンライン説明会を開催するには、ツールの活用が必要です。ここでは、特におすすめのツール9つを紹介します。
MetaLife
MetaLifeは、バーチャル上のスペースに参加者がアバターとなって参加し、近くにいるアバターと会話を楽しめるオンラインツールです。
様々な開催形式に対応しており、会議室を用いればWeb会議型も、スペース上にテーブルを設置すればテーブル型も実施することができます。
画面共有やチャット、スタンプでの反応機能などコミュニケーションを円滑化させる機能は一通り揃っています。またアバターやスペースはデザインを選べるので、エンタメ要素も入って説明会が盛り上がること間違いなしです。
無料プランではビデオ通信が1日1時間までで定員25人ですが、有料プランなら時間無制限で最大1000人以上も参加することができます。
Zoom
Zoomはコロナ禍を機に代表的なオンライン会議ツールとなりました。
通常のZoomミーティングでWeb会議型の説明会を実施することも、Zoomウェビナーでウェビナー型の説明会を実施することも可能です。またチャット、投票、画面共有機能など、オンライン説明会の役に立つ機能が盛りだくさんです。
比較的回線が安定していると定評があり、こちらもURLまたはIDを発行して参加者に周知するだけで利用できます。
無料プランは1回40分、参加人数100人までですが、有料プランなら時間無制限でミーティングに最大1,000人参加することができます。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、WordやExcelでお馴染みのMicrosoft社が提供するビデオ会議ツールです。
MicrosoftのOfficeソフトとの互換性が高く、会議中にWordやExcelと連携して、参加者と共同で編集することもできます。一方で他ツールより通信データ量が多いため、通信が不安定になる場合が多いとの声もあります。
無料版はグループ会議が1回60分、参加人数100人までです。また有料版ですと1回あたり最大300人が参加することができ、会議の文字起こし機能や出席者登録ツールなど便利な機能が増えます。
Google Meet
Google MeetはGoogle社が提供しており、元々ビジネス向けだったことからセキュリティに優れていると評判です。
また他のGoogleのサービスと連携させることも可能で、例えばGmailやGoogleカレンダーと連携させれば、簡単に参加者へのURLの共有や会議の日程管理を行うことができます。
開催する場合はGoogleアカウントを持っている必要がありますが、参加するだけなら登録は不要です。無料版は100人まで参加可能で、有料版ですと時間無制限で最大500人まで参加することができます。
V-CUBEセミナー
V-CUBEセミナーはオンラインセミナーに特化したツールです。録画配信や追っかけ再生機能がついていたり、視聴ログで効果測定・分析データの収集ができたりと、かなり便利なセミナーツールになっています。
また、サポートが充実しているので、オンライン開催に不安を抱える企業の方でも安心です。会場の手配から台本の作成、配信時の進行管理からトラブル対応まで、年間7,800件のイベント配信の実績があるプロが丁寧にサポートしてくれます。
最大26,000台まで接続可能で、費用については問い合わせる必要があります。
コクリポ
コクリポは、こちらもウェビナーに特化したツールです。
使い方が簡単で、タイトルや開催日時を入力するだけで、集客・予約募集用のページを作成することができます。またサポートも丁寧で、定期的に開催される「ご質問会ウェビナー」で直接質問・相談できるなど、とにかく初心者に優しいサービスです。
月額77,000円(税込)のエンタープライズプランなら、毎月20時間まで、最大参加可能人数は300人までとなっています。
Remo
Remo(リモ)では、オンライン上にテーブルと椅子で構成されたスペースが複数あり、同じスペースにいる人とリアルタイムで会話をすることができます。
まさにテーブル型なので合同説明会を実施する際にも非常に便利です。またウェビナー機能もついているので、ウェビナー型と組み合わせることもできます。
月額7,500円(税込)の標準プランで、1スペースあたり最大4時間、最大100人まで参加することができます。
EventIn
EventInは、オンライン上に複数の「ブース」を設置し、ブース間を自由に移動することができるイベントプラットフォームです。先ほどの「V-CUBEセミナー」と同じ会社によって運営されています。
各ブースは、参加者へセミナーを実施する「プレゼンモード」、複数人で会話を楽しむ「トークモード」、スライドや動画などを展示する「展示モード」の3つのモードから選ぶことができます。
最大300ブースまでで、こちらも費用については問い合わせる必要があります。
YouTube
YouTubeは、世界で最も有名な動画プラットフォームとも言える誰もが知っているサービスです。多くの人が日頃から利用しているため、説明会を実施する際に操作に苦労することは少ないでしょう。
こちらでは動画を録画して公開したり、リアルタイムで動画を配信して視聴者からの質問やコメントを受け付けることが可能です。
動画のURLを公開するだけで簡単に周知できますが、一方でURLを知っている人であれば誰でも視聴できるため、内容には注意が必要です。
オンライン企業説明会を実施する際の注意点
これまでの情報を踏まえて、最後にオンライン企業説明会を成功させるポイントについてお伝えします。
適切な開催方式を選択する
すでにお伝えした通り、オンライン説明会はライブ配信型や録画配信型など様々形式があり、これらを適切に使い分けることが重要です。
参加者とのリアルタイムのコミュニケーションを重視する場合、ライブ配信型をおすすめします。その際、チャットやアンケート機能を上手く活用し、企業側から積極的に参加者に質問や意見を求めましょう。
まずは多くの就活生にアプローチしたいという場合、録画配信型がおすすめです。動画制作会社を利用すれば手間を減らすことができますが、今は動画編集ソフトなども発達しているので、自社で動画を制作することも十分可能です。
ただし録画配信型は一方的な説明になってしまうので、視聴する就活生が飽きないようにわかりやすく端的にまとめるよう心がけましょう。
通信環境・機器を整備する
オンライン説明会を実施する上で、通信環境と通信機器が整備されていることは必要不可欠です。通信環境が不安定で説明会が中断するなどした場合、企業がイメージが低下することも免れません。
またマイクやカメラが原因で映像や音声の質に問題があった場合も、説明会への満足度が低下します。よって通信環境が安定していること、マイクやカメラなどの周辺機器に問題がないことを徹底して確認しましょう。
参加者の興味をひく内容にする
最近はオンライン説明会や企業紹介動画など、企業研究のコンテンツが増えています。多くのコンテンツの中で自社のオンライン説明会に来てもらうために、就活生にとって魅力的な内容にする必要が増しています。
就活生が今知りたい内容は何か、同業他社と比較した自社の強み、会社や社員のリアルな雰囲気、福利厚生など、参加者の興味を引く内容を盛り込むようにしましょう。事前に参加者に聞きたい内容をアンケートするのもおすすめです。
また説明会中の話し方も大切です。対面より熱量が伝わりづらくなることもありますので、抑揚や身振り手振りを意識しましょう。
次の選考に繋がるようにする
説明会後に参加者との繋がりを維持することも重要です。
例えば、説明会終了後にWebアンケートを実施して選考を希望する就活生に次の選考を案内したり、説明会後にそのまま筆記試験や面接を実施したりすることも可能です。
また選考を受ける際に説明会への出席を必須にする企業もあります。こうすることで、受験者全員に自社への理解を深めてもらうことが可能になるからです。
オンライン説明会から採用の母集団を形成するためにも、説明会を実施して終わりではなく、その後の選考への導線を考えることが重要になります。
オンライン企業説明会まとめ
- どこからでも開催でき、費用や手間を大幅に削減できる
- 社内の雰囲気が伝わりづらいなどのデメリットの理解も必要
- MetaLifeなど適切なオンラインツールを活用するのがおすすめ
オンライン企業説明会は、住んでいる場所に関係なく企業と就活生が繋がることができるので、非常な貴重な機会となります。
企業にとっても就活生にとってもメリットが大きい開催方法なので、本記事で紹介したポイントや注意点を参考にして上手に運営してください。