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ここでは、「嗚咽」と「えずく」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。

「嗚咽」とは

「嗚咽」は、人が悲しみや苦しみから発する押し殺したような泣き声を表す言葉です。感情が極限に達した時、泣き言を言うわけではなく、むせび泣いたり、つまづいた声を上げたりする状態を指します。これは強い感情や感動が溢れ出し、言葉にならないほどの悲しみや苦しみを強く表現しています。

「えずく」とは

「えずく」とは、吐き気を感じ、もどす反射を促す感覚を指す言葉です。口元に食べ物や液体が逆流してくる感じを伴います。これは体が異常を感じ、有害物質を排除しようとしている自然な反応です。例えば、胃の調子が悪い時や、乗り物酔いなどでめまいを感じた時、体調不良のサインとして「えずく」感覚が現れます。

「嗚咽」と「えずく」の違い

「嗚咽」は、悲しみや痛みなどの感情が高まって涙を流し、息も詰まるような呼吸をする状態を指す言葉です。言葉に出せないほどの感情が溢れ出てしまうときなどに使います。

一方、「えずく」は、物理的な反応としての吐き気を表す言葉です。胃が不快に感じるときや、気持ち悪さから吐きそうになるときに使います。また、比喩的に極度の不快感を示すときにも使われることがあります。

以上のことから、「嗚咽」は感情的な反応を、「えずく」は物理的な反応をそれぞれ表した言葉であることが読み取れます。

「嗚咽」の例文・使い方

嗚咽を使った例文:

  1. 彼女は悲しみのあまり、声にならない嗚咽をもらすだけだった。
  2. 子供の小さな身体が嗚咽をこらえて震えていた。
  3. 彼の口から小さな嗚咽が漏れ、その無力さが私を打った。

嗚咽の使い方と注意点についての解説:

嗚咽とは、悲しみや苦しみなどからくる抑えきれない声、つまり、溢れ出る涙や悲しみを堪えきれずに意志に関係なく出てしまう、泣くような声や吐息を指します。文学的、詩的な表現によく使用されます。悲劇的なシーンや感情的な場面でよく使われます。

使う場面によっては、被害者意識の強さや自己憐憫を暗示するため、必要以上に強調するとむしろマイナスの印象を与えることもあるので注意が必要です。また、口頭での日常会話ではあまり用いられない言葉なので、書き言葉や文学での使用を主に考えるとよいでしょう。

「えずく」の例文・使い方

えずくの例文

  1. 彼はこの映画があまりにもグロテスクで、何度かえずくような気持ちになった。
  2. 食事のマナーを知らぬ彼の行動に、我々はえずくような気持ちになった。
  3. 空腹のあまり、空虚な胃が常にえずく感じがして辛かった。

えずくの使い方と注意点

「えずく」は自然な反応や感情表現として使われます。言葉としては、吐き気を感じることを示すため、通常、肉体的な不快感・不快な心情を表現するときに用いられます。しかし、「マナーのなってない行動にえずく」というように、比喩的に非常な不快感や忌むべき行状を表すのにも使用されます。

使う際の注意点は、主に否定的な状況を表すので、使う文脈や場面を適切に考慮することが重要です。また、「えずく」という言葉は強い吐き気や不快感を表すため、使い方によっては相手を傷つける可能性もあることに注意するべきです。

「嗚咽」「えずく」の類語・言い換え

嗚咽

1. 「すすり泣く」: 声を押し殺したような泣き方。主に悲しみや辛さを強く感じているときに使われる表現。

2. 「泣きじゃくる」: 強い感情を抑えきれずに声をあげて泣くこと。情緒が乱れ、極度の悲しみや苦しみを感じている場合に使われる。

3. 「涙をこぼす」: 静かに涙を流すこと。主に静かな悲しみや感動を表すのに使われる。

4. 「涙を流す」: 悲しみや感慨などの感情が溢れ、涙が流れ出る様子を表現する言葉。

5. 「声を詰まらせる」: 感情が高ぶり、言葉を出すことが難しくなる様子を表現する言葉。

えずく

1. 「むかつく」: 不快な感情や体調不良から、胃の中身が口元まで上がってくる感覚を表す。

2. 「胃酸が逆流する」: 胃から食道に向かって胃酸や食物の一部が逆流する症状を指す医学的な表現。

3. 「吐き気がする」: 吐く寸前の感覚や、気分が悪い状態を表す表現。

4. 「気持ちが悪い」: 身体的、または心理的な不快感を表す言葉。

5. 「吐きそうになる」: 吐くほどに気分が悪い状態を直訳した表現。

「嗚咽」と「えずく」の違いまとめ

「嗚咽」は悲しみや苦しみからくる泣き声のことを指し、情感表現の一つとして使われます。「えずく」は具体的には胃液が喉に上がる感覚や、その際に起こる吐き気感を指し、身体の反応や症状表現に用いられます。