ここでは、「借りる」と「貸りる」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「借りる」とは
「借りる」とは、他人所有の物や金銭を一定の期間使用する許可を得る行為を指します。また、特定のスキルや知識を他人から取り入れる際にも「借りる」を使います。その後、使用したものは元の状態で返却するか、使用した分を補填します。「借りる」は手元に必要なものが無い時や、その場しのぎで必要になった場合などに使う言葉です。
「貸りる」とは
実は、「貸りる」という言葉は日本語では正しくありません。動詞の「貸す」は「貸す」のままで使いますが、「貸りる」は存在しません。ですから、「貸りる」という言葉を使った例文は存在しないのです。
確かに「借りる」という言葉はあり、それを「借りる」という形で使います。しかし、「貸す」に関しては、「貸す」の形で使うのが正しいです。両者は一見すると同じような使い方をするのかもしれませんが、厳密に言うと役割が異なります。「借りる」は、自分が何かを他人から受け取る行為を指します。一方、「貸す」は、自分が何かを他人に提供する行為を指します。
例えば、「彼に本を借りる」、「彼に本を貸す」と言う場合、前者は彼から本を受け取るという意味になり、後者は自分から本を彼に渡すという意味になります。従って、「貸りる」のような言葉は必要なく、「借りる」や「貸す」の形で表現することが適切です。
「借りる」と「貸りる」の違い
「借りる」と「貸す」は、物やお金を手に入れる行為に対して使う言葉ですが、その主体や行為の向きが対立する関係にあります。
「借りる」は、他人から物やお金を一定期間得る行為を指します。一般的には、その物やお金は返す約束のもとに手に入れます。
一方、 「貸す」は、「借りる」の逆の行為を指します。「貸す」は自分の物やお金を他人に一定期間与える行為を指しています。また、ここでも通常はその物やお金は返す約束のもとに与えます。
「借りる」の例文・使い方
借りるという言葉は、何かを所有者から一時的に使う許可を得るときに使用します。その物への所有権は変わらず、一定期間後や一定の条件のもとでその物を返すという点で、購入や賃借とは異なります。
以下に「借りる」を用いた例文を3つ示します。
- 「友人からCDを借りる」
- 「図書館から本を借りる」
- 「銀行からお金を借りる」
注意点としては、「借りる」は受け身の形なので、「~から借りる」という形で用います。「~に借りる」などと誤用しないよう注意が必要です。
また、最後の例文のようにお金を借りる場合、無計画な借金は後で返済する自己負担が重くなることを忘れないようにすることも、非常に重要なポイントとなります。
「借りる」「貸す」の類語・言い換え
「借りる」の類語・言い換えとそのニュアンス:
1. 拝借する: 敬語の一つで、他人から何かを借りる際に使用します。一般的には物品のみならず、言葉や考え方なども拝借することがあります。
- 例:彼のアイデアを拝借しましょう。
2. 借用する: 文章表現や言葉を他から借りて使うことを特に指す言葉です。
- 例:彼の引用を借用したいと思います。
3. 使う: 他人から提供された物やサービスを利用するといった意味です。ただし、「借りる」に比べて一時的な使用感が弱い。
- 例:彼の車を使っていい?
4. 預かる: 他人から物を一時的に預けられる。ただし、「借りる」に比べて預かる側に保管・管理する責任がある。
- 例:彼の荷物を預かることになった。
5. 両替する: お金の形態(硬貨、紙幣、電子マネーなど)を他の形態に変更する。
- 例:1000円札を硬貨に両替してもらえる?
「貸す」の類語・言い換えとそのニュアンス:
1. 提供する: 何かを他人に使わせることを一般的に指します。ただし、貸し出しとは違い、返すことを前提としていません。
例:無料WiFiを提供します。
2. レンタルする: 特定の期間、物を他人に貸し出すことを指します。料金が発生することが多いです。
例:映画のDVDをレンタルします。
3. 出資する: 経済的な援助を指します。よくビジネスや投資の文脈で使われます。
例:新しい事業に出資します。
4. 供給する: 物品やサービスを他者に向けて提供することを表します。需要と供給の関係でよく使われます。
- 例:市場に新鮮な野菜を供給します。
「借りる」と「貸りる」の違いまとめ
「借りる」とは自分が他人から何かを一時的に受け取る行為を指します。例えば、「彼から本を借りた」などと用いられます。一方、 「貸す」は自分が他人に何かを一時的に提供する行為を指します。 たとえば、「彼に本を貸した」などと用いられます。「貸る」は「貸し出す」「提供する」などの類語があります。