ここでは、「個々人」と「個人」の違いについて、それぞれの意味や例文、類語と共に分かりやすく解説します。
「個々人」とは
「個々人」とは、「一人ひとり」という意味を持つ表現です。集団の中の一人ひとりの人間を指し、その人それぞれが持つ独特な個性や考え方、経験などを強調する際に用いられます。ここでいう「個々人」は、集団全体ではなく、個人に焦点を当てた表現です。
「個人」とは
「個人」とは、社会集団の中で独立した一人ひとりの存在を表す言葉で、その人自身の特徴や意志を指すことが一般的です。公人や法人と対比され、自己の思想、判断、意志を持つ一個体と捉えられます。
「個々人」と「個人」の違い
「個々人」と「個人」という言葉は一見書き方が似ているため、混同されることがありますが、用途やニュアンスには大きな違いがあります。
「個々人」は、一人一人を強調した表現です。「個々人にはそれぞれ異なる考え方がある」というように、集団の中でそれぞれの人が持つユニークさや独自性を指す表現として使われます。
一方、「個人」は集団や組織と対比され、単独の人間を指す言葉です。「個人の意見」「個人の財産」といったように、個々の人間としての独立性、自立性を強調する場合に使われます。
要するに、「個々人」は「一人一人の違い」を、「個人」は「集団からの独立」を強調した表現と言えます。
「個々人」の例文・使い方
個々人の使い方
個々人は、「一つ一つの人間、それぞれの人間」という意味を表す言葉です。人々を一括りに考えず、一人ずつ個別に考える際に使います。また、特定のグループ内の個々のメンバーを指す場合にも使用されます。全体を見るのではなく、その中の一人一人に目を配るという意図を持つ言葉です。
使用例
- 個々人の能力を重視する
- 個々人の意見を尊重する
- 個々人の責任が問われる
しかし、"個々人"という言葉は、あまり日常的には使われない比較的硬い表現なので、カジュアルな文章や会話では避けた方が良いこともあります。また、具体的な人物を指す言葉ではないので、"個々人のAさん"や"個々人のBさん"のように使用することは適切でないです。
「個人」の例文・使い方
例文
- 個人の情報は厳密に保護する必要があります。
- 今回のコンテストは個人での参加となります。
- このデータは個人の意見を反映しています。
解説
「個人」という言葉は、一人ひとりの人間を指し、対義語としては「集団」や「法人」があります。この言葉を使用する際の注意点として、個人が自立して存在し、それぞれ独自の思考や行動、責任を持つというニュアンスを含みます。そのため、個々独自の属性や権利、責任を問う文脈などで用いられます。また、プライバシーと関係する文脈では、個人の情報保護という観点から使用されます。必要以上に個人の情報を開示しすぎないなど、使用時には適切な配慮が求められます。
「個々人」「個人」の類語・言い換え
「個々人」は、人を個として捉え、一人ひとりに焦点を当てた表現です。個々人を指すときは、大勢の中の一人一人や、各人各様の独特さを重視する意味合いになります。また、集団ではなく、個別の人を表す際にも用いられます。
「個人」は、集団や組織から区別される一人の人を指す表現です。特定の人や自己を指す場合に使います。個々人ほど一人一人の特色を強くは感じさせませんが、あくまで一人の人間、一個人を指します。
「個々人」の類語・言い換え :
- 一人一人:具体的な人々を個別に指すニュアンスがあります。
- 各人:個別の人々を指すニュアンスがあります。
- それぞれの人:一人ひとりが異なる、というニュアンスがあります。
- 一個一個の人:一人一人を精査する、というニュアンスがあります。
- 個々の人:集団の中の一人ひとりを指すニュアンスがあります。
「個人」の類語・言い換え :
- 一人の人:個々の人を指すニュアンスがあります。
- 自己:自身を指すニュアンスがあります。
- 一個人:強調の意味合いで一人の人間を指すニュアンスがあります。
- 一個の人:一人の人間を指すニュアンスがあります。
- 一人:「個人」よりも少し口語的な表現です。
「個々人」と「個人」の違いまとめ
「個人」は一人ひとりの人間を指す表現で、社会や他人と対比するときに使います。例えば、「個人の自由」「個人の意思」のように使われます。対して、「個々人」は、集団において要素となる一人ひとりを強調する表現で、「人々のそれぞれ」や「一人一人」というニュアンスが含まれます。例えば、「個々人の意見を尊重する」「個々人の能力」のように使われます。