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「ご足労」という言葉は、ビジネスシーンやフォーマルな場面で頻繁に用いられますが、誤った使い方をすると失礼にあたることもあります。

本記事では、「ご足労」の正しい意味や使い方、適切な返答例を例文付きで分かりやすく解説します。

適切な敬語表現を身につけ、より丁寧なコミュニケーションを目指しましょう!

「ご足労」の意味

「ご足労」は、相手が自分のために移動してくれることに対する感謝や配慮を表す丁寧な表現です。

「足を運ぶ」という意味の「足労」に、尊敬の意を表す接頭語「ご」を付けた言葉で、ビジネスシーンでよく使用されます。

特に、取引先や上司など目上の方が会社まで来てくださったり、わざわざ足を運んでくださったりする際に使う言葉として定着しています。

「ご足労」の使用場面と例文

以下では、「ご足労」の使用場面と具体的な例文を合わせてご紹介します。

先方が来る前(来ることが確定している場合)

  • ご足労をおかけいたしますが、当日はどうぞよろしくお願いいたします。
  • ご足労おかけすることになり恐縮ですが、明日の打ち合わせのほどよろしくお願いいたします。
  • お忙しいところご足労をお願いする形となりますが、何卒よろしくお願いいたします。

先方が来た時

  • お忙しいところご足労いただき、ありがとうございます。
  • 本日は遠方よりご足労いただきまして、恐縮です。
  • 本日はお忙しい中、ご足労いただきありがとうございます。

先方が帰る時

  • 本日はお足元の悪い中、ご足労いただき、ありがとうございました。
  • 本日はお忙しい中お越しいただき、心より感謝申し上げます。どうぞお気をつけてお帰りください。
  • 本日はご足労いただきまして誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

先方が帰った後

  • 本日はご足労いただきましてありがとうございました。先ほどの件について、改めてご連絡いたします。
  • 先日はお忙しい中、大変ご足労をおかけいたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
  • 取引先の皆さまにご足労いただき、心より感謝申し上げます。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

「ご足労」を使用する際の注意点

「ご足労」は丁寧な言葉ですが、使い方を間違えると失礼にあたることがあります。以下のポイントに注意して正しく使いましょう。

社内の人には使用しない

「ご足労」は、目上の人に対して使える敬語表現ですが、基本的には社外の人に向けて使用する言葉です。

そのため、たとえ上司や先輩であっても、社内の人には使用しないのが原則となります。

特に外部の人の前で、社内の上司や先輩に対して「ご足労いただき」と言うのは礼節を欠く行為となってしまいます。

来ることが確定していない段階では使わない

来訪が未確定の段階で安易にこの言葉を使用すると、相手に対して非常に押し付けがましい印象を与えてしまう可能性があります。

そのため、来社が確定する前に「ご足労をおかけしますが」と言って相手に来訪を促すのは避けるべきです。

代わりに「お越しいただけますでしょうか」などの表現を使用することが適切です。

「ご足労様です」は誤り

「ご足労様です」は、文法的に誤った表現なので使わないようにしましょう。

「ご足労」は相手の労力に対する感謝や敬意を表す言葉であり、「様」をつけることで本来の意味が損なわれてしまいます。

正しくは「ご足労いただきありがとうございます」や「ご足労おかけして申し訳ございません」となります。

「ご足労いただきありがとうございます」の類語・言い換え

「ご足労いただきありがとうございます」は、訪問への感謝を表す丁寧な表現ですが、場面や相手によっては他の言い回しが適している場合もあります。

以下では、ビジネスやフォーマルな場面で使える類語や言い換え表現を紹介します。

お越しいただきありがとうございます

「来る」「訪れる」という意味の敬語表現で、社内外問わず幅広く使えます。よりシンプルで一般的な表現です。

  • 本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。
  • 遠方よりお越しいただき、心より感謝申し上げます。

ご来訪いただきありがとうございます

「訪ねて来る」ことを敬った表現で、「ご足労」と同様の意味を持ちますが、よりフォーマルな印象を与えます。

  • 本日は遠方からご来訪いただき、感謝申し上げます。
  • 突然のお願いにもかかわらず、ご来訪いただきありがとうございました。

足をお運びいただきありがとうございます

「わざわざ来てもらった」というニュアンスがあり、相手の労力に対する感謝を強調したいときに適しています。

  • お忙しい中、足をお運びいただきありがとうございます。
  • 本日は貴重なお時間を割いて足をお運びいただき、誠に感謝申し上げます。

お手数おかけいたしました

相手に手間や労力をかけたことへの謝意を表します。訪問だけでなく、お願いごとをした際にも使えます。

  • このたびは大変お手数をおかけしました。ご対応いただき感謝申し上げます。
  • お忙しい中、お手数をおかけし申し訳ございませんでした。

お手間をおかけいたしました

相手の時間や労力を取らせたことに対する謝罪の表現で、少しフォーマルな印象があります。

  • 何度もご確認いただき、お手間をおかけいたしました。
  • 急な依頼にもかかわらず、お手間を取らせ申し訳ありません。

ご面倒をおかけいたしました

相手に負担や手間をかけてしまったことへの謝罪の表現で、相手が煩わしく感じる可能性があるときに適しています。

  • お忙しいところ、ご面倒をおかけし申し訳ございませんでした。
  • 追加資料の準備でご面倒をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

「ご足労いただきありがとうございます」への返答例

「ご足労いただきありがとうございます」と言われた際は、相手が時間を割いてくれたことへの感謝を示す返答が適切です。

以下のような返答例が効果的です:

  • 「こちらこそ、お時間を割いていただきありがとうございました」
  • 「こちらこそ、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます」

なお、「いえいえ、大したことありません」のような過度な謙遜は、相手のねぎらいを受け取らない印象を与えてしまうため避けましょう。

「ご足労」まとめ

「ご足労」は、相手の訪問に対する敬意や感謝を表す丁寧な表現です。

ビジネスシーンでよく使われますが、社内の人には使わない、訪問が確定していない場面では避けるなど、適切な使い方を理解することが重要です。

本記事で紹介した例文や言い換え表現を参考にしながら、状況に応じた適切な言葉遣いを心がけましょう。