「オンライン授業を導入するメリットについて知りたい!」
「遠隔授業を成功させるためにはどうすれば良いの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
オンライン授業は、遠隔授業やインターネット授業などとも呼ばれていますが、学校をはじめとして様々な場面で活用されています。
場所に関係なく参加できる利点や、自分が都合のいいタイミングで視聴できる利点があるので、今後も学校や企業などで利用されるでしょう。
こちらの記事では、オンライン授業を導入するメリットやおすすめのツールなどを紹介していくので、オンライン授業の導入を検討している方は参考にしてください!
- 場所や時間に囚われることなく学習ができる利点がある
- ライブ授業とオンデマンド授業に大別される
- 生徒の通信環境を確認する必要があるなど、注意するべき点もある
- 生徒側にも配信側にも多くのメリットがある
オンライン授業(遠隔授業)とは
オンライン授業とは、インターネット回線を通して遠隔で行う授業のことを指しており、「リモート授業」「オンライン教育」と呼ばれることもあります。
タブレットやパソコンがあれば授業が受けられるため、従前の授業とは異なり場所や時間に囚われることなく学習ができる点が特徴です。
米国のハーバード大学など、世界的にも有名な教育機関が先進的に取り入れ、最近では新型コロナウイルスの影響もあり日本でも教育現場や企業研修において導入されています。
日本の教育現場において、まだまだオンライン授業は十分なノウハウがありませんでしたが、時間の経過に伴って様々なノウハウが蓄積され、質の高い学びが提供できています。
リモート授業ならではの学びを強化するためのサポートだったり、過疎化が進む地域において授業を充実させるなど、様々な場面でオンライン授業は活用されています。
他にも、不登校や病気療養中の学習者への教育支援などの機能も持ち併せているので、今後も多くの場面で活用されるでしょう。
オンライン授業の種類
オンライン授業や遠隔授業には、大きく分けてリアルタイムで配信する「ライブ授業」といつでも都合が良いタイミングで視聴可能な「オンデマンド授業」の2つがあります。
ライブ授業
ライブ授業とは、ネット回線や衛星回線を用いてリアルタイムに授業を配信する形式のオンライン授業を指します。
zoomやGoogle Meetなどのweb会議ツールを用いて、教師が教壇に立って授業を行うような普段の授業に近いスタイルで授業が行われる点が特徴です。
ライブなので双方がコミュニケーションを取ることも可能なので、質疑応答にも対応できます。
リアルタイムの授業となるので、生徒の進捗状況を把握しながら授業を進められる点が特徴と言えるでしょう。
オンデマンド授業
オンデマンド授業とは、録画した映像をインターネットで配信する形式のオンライン授業を指します。
ビデオで撮影した授業を生徒に見てもらう形式なので、時間や場所に関係なく好きなタイミングで視聴できる点が特徴です。
先述したweb会議ツールなどを使用して、録画した授業映像を生徒に共有し、繰り返し見たい箇所があれば何度でも学び直しができるメリットがあります。
質疑応答には対応できませんが、学習ペースを自分で決められる点が大きな利点と言えるでしょう。
オンライン授業のメリット
続いて、オンライン授業や遠隔授業のメリットについて見ていきましょう。
生徒側と配信側にそれぞれメリットがあるので、2つの視点に分けて紹介していきます。
生徒側
移動時間が削減できる
オンライン授業だと、インターネット環境があればどこからでも参加できることから、学校や会社に行く必要が無くなります。
通学や通勤の時間は「生産性のない無駄な時間ですが、これらの無駄な時間をカットして勉強に充てられる点を増やせる点は大きなメリットでしょう。
また、満員電車による身体的・精神的ストレスからも解放されるので、シンプルに勉強のパフォーマンス向上が期待できます。
自分のペースで学習できる
オンデマンド授業の場合、配信されている授業をいつでもどこでも、何度でも視聴できるので、自分のペースで勉強できます。
生徒によって得意や苦手は異なりますが、苦手分野があっても繰り返し授業を視聴して理解できるまで学べる点は遠隔授業・リモート授業ならではのメリットです。
自分が好きなタイミングで動画を視聴したり復習したりできるので、学校のペースに合わせることなく自分のペースに合わせて学習可能となっています。
高いレベルの授業を受けられる
オンライン授業を取り入れると、一流の講師の授業を多くの生徒が受けることができるようになります。
リアルな授業の場合、移動に関するお金と時間をかける必要がありましたが、オンライン授業であればそのようなコストをカットできます。
つまり、オンライン授業で地域による教育機会の格差を無くし、平等な教育を施すことが可能なので、この点も大きなメリットと言えるでしょう。
保護者も安心できる
通学する必要が無くなることで、交通事故に遭うリスクや不審者等に遭遇するリスクが軽減できるメリットがあります。
日本は治安が良い国であるのは確かですが、事故や事件に巻き込まれてしまう危険はゼロではありません。
特に、塾に通わせる場合は時間帯が夜になってしまうので保護者の方の不安も大きくなりがちですが、オンライン授業であれば自宅から授業を受けることができます。
また、移動する必要が無くなることで感染症の感染リスクも抑えられるので、健康面に関しても安心が大きいと言えるでしょう。
コミュニケーションが取りやすい
ライブ授業の場合、双方でコミュニケーションが取れるので、質問したいことがあっても安心です。
「対面授業だと質問しづらい」という生徒でも、チャットで機能を使ったりカメラをオフにすることで恥ずかしさを軽減できるでしょう。
そのため、、恥ずかしがり屋やシャイな生徒にとっては、オンライン授業の方が効率よく学べる可能性があります。
配信側
コストを削減できる
オンライン授業を展開する場合は、一室あれば足りるので教室がほぼいらなくなります。
従来であれば、生徒が入る大きさの教室を用意する必要がありますが、教室が不要になることで塾や予備校の場合はテナントコストを軽くできるでしょう。
また、多くのパソコンにはカメラやマイク機能が内蔵されているので、大規模な初期投資も必要ありません。
通信環境の整備は必要となりますが、パソコンさえあれば授業を配信出来る点を考えると、コストの大きな削減に繋がるでしょう。
場所関係なく教育を届けられる
オンラインで授業を配信できれば、住んでいる生徒の住所は全く関係ありません。
そのため、東京で配信している授業を、地方や離島の生徒も聞くことができるので、質の高い授業を全国に届けることができます。
現在、少子高齢化が進んでいる影響から都市部と地方部の教育格差が問題となっていますが、オンライン授業であればそのような問題を解決できます。
実際に、文部科学省は2017年に離島や山間部などの公立小中学校にテレビ会議システムを導入し、近隣の学校で同時に授業が受けられるようにする計画を進めていることから、今後もオンライン授業やリモート授業の需要は高まっていくでしょう。
企業研修にも活用可能
「オンライン授業」と聞くと学校や予備校をイメージしがちですが、企業においても活用できます。
従来の企業研修の場合、受講者が一堂に会する場所を工面する必要があり、また会場設営などの労力も必要でした。
また、参加予定者に欠席者が出ると、研修の内容を何らかの形で伝えないといけないことから、様々な手間やコストが発生してしまっていました。
しかし、オンラインで研修を行うことで、研修内容の録画で保存できたり、またそもそも会場への移動コストや会場設営などの労力をカットできます。
このように、教育現場だけでなく様々な場面で応用できる点もメリットと言えるでしょう。
災害時にも授業を継続して行える
日本においてオンライン授業が本格的に導入された背景としては、コロナウイルスの発生と蔓延にあります。
しかし、日本は自然災害が多い国ですから、感染症の場面以外でも通学が難しくなってしまう場面は多々考えられます。
オンライン授業やリモート授業であれば、通学ができなくても自宅から授業に参加できることから、もし災害などで公共交通機関が麻痺しても関係ありません。
通信環境さえあれば、配信されている授業をどこからでも受けられる点は、注目を集めています。
オンライン授業のデメリット
メリットが多いオンライン授業ですが、反対にデメリットも存在します。
生徒側と配信側に考えられるデメリットについて、それぞれ解説していきます。
生徒側
集中力が散漫になる
オンライン授業だと、実際に教員から監視されているわけでは無いので、どうしても対面授業と比較して集中力を維持するのが難しいです。
勉強が捗るかどうかは、実際のところ生徒自身の管理能力に委ねられてしまうので、本人の努力次第では「できる子」との差がどんどん広がってしまうでしょう。
自分で集中して勉強を進められる生徒であれば全く問題ありませんが、勉強嫌いの生徒であったり、ある程度の強制力がないと集中できない生徒にとっては、オンライン授業は不安要素が多いでしょう。
実技・課外学習ができない
オンライン授業やリモート授業など、終始オンラインで授業を進める場合は実技や課外学習を行うことができません。
分かりやすいイメージで言うと、化学の実験であったり家庭科の調理実習を行うことは不可能です。
実験や調理の様子などは、動画サイトを活用して視聴することは可能ではありますが、実際に自分で経験する場合よりも得られる学びは少なくなってしまうでしょう。
このように、実験や実習などの学びを得るのは難しいので、何らかの形で代替しなければならない点はデメリットと言えます。
電子機器の長時間利用につながる
オンライン授業の場合、当然のことながら一日中デジタルデバイスを見ていることになるので、目に対する負担が重くなります。
その結果、視力の低下はもちろん、運動不足にも繋がり体力の発達に悪影響が出てしまう可能性は否めません。
実際に、近視症状が出ている小中学生は年々増えているという調査結果もあることから、健康面にも悪影響が出てしまう点がデメリットと言えるでしょう。
出典:日本経済新聞
配信側
録画の場合は生徒とコミュニケーションが取れない
オンデマンド配信の場合は、録画された動画を視聴することで学習する仕組みであるため、双方向のコミュニケーションが不可能です。
そのため、授業の中で不明点があって質問したくても、疑問を解消できない可能性があります。
ライブ配信の授業とは異なり一方通行の授業となるため、生徒が発言したりコミュニケーションの機会が取れない点はデメリットでしょう。
近年は意見交換を行う「ディベート型」授業を行う学校も多いですが、オンラインだとこのような授業も難しくなってしまいます。
通信環境に左右される
ライブ配信の場合、配信のスムーズさは通信環境や端末に左右されるので、何らかの不具合が起こると授業を行えなくなる恐れがあります。
講師側の端末が安定していても、生徒側の通信環境が悪いと音声が途切れたり画面がフリーズしてしまうので、授業が成り立たなくなってしまいます。
各家庭にWi-Fiなどの通信環境が整っているとは限らないため、場合によっては配信側が生徒側の環境を整備する必要がある点はデメリットです。
教育現場における大きな課題の一つとなっているので、公平な教育機会を与えるためにも何らかの工夫をする必要があります。
試験時にカンニングのリスクがある
オンライン授業は、生徒が授業に出席しているかどうかを判断することも難しいですが、試験時にカンニングを防ぐことも困難です。
顔認証やweb会議ツールを繋いでカンニングなどの不正行為をチェックする方法がありますが、物理的に離れた場所でテストを受けている以上、全てを監視するのは現実的ではありません。
不正行為を完全に防ぐことは難しいので、配信側や教員側は「持ち込み可能なレポート方式などのように、公平に成績を付けられるような試験形態にする必要があるでしょう。
セキュリティにも注意
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、在宅勤務やオンライン授業が増えた影響で、離れた場所にいるユーザーとファイルを共有する場面が増えました。
これにより、オンラインで共有したファイルが外部に漏洩する事案も発生していることから、個人情報の漏洩を防ぐためにもセキュリティに関する理解を深める必要があります。
現在、オンラインストレージサービスを使ったファイル共有が急速に普及して利便性が飛躍的に高まった一方で、利用者のITリテラシーが追いついていないことから、多くの企業で情報漏洩が起きてしまっています。
そのため、オンライン授業を行う際にファイルを共有して資料などを活用する際には、可能な範囲で下記のような漏洩を防ぐ手立てを講じておくと良いでしょう。
- URLにアクセスするためのパスワードを設定する
- URLの有効期限を設定する
- アクセスできる相手を指定する
ファイルに個人情報が無ければ神経質になる必要はありませんが、対策を講じておくことに越したことはありません。
また、オンライン授業を通じてセキュリティなどを含めたITリテラシーを高められる点は、メリットとして捉えることもできるでしょう。
オンライン授業に必要なツール
オンライン教育を実際に提供する上では、様々なツールが必要となります。
こちらのトピックで、オンライン授業・遠隔授業に必要なツールを紹介していきます。
学習管理システム
学習管理システム(LMS:Learning Management System)とは、パソコンやスマートフォンで学習する際のベースとなるシステムで、学習する機能や管理者が成績管理を行う管理機能から成り立っています。
学習者がログインして教材を視聴したり、学力の定着を図るためのテストを受けるなどの機能が搭載されているので、オンライン授業の肝となるシステムです。
一般的には「eラーニングシステム」と呼ばれることもあり、学習者がモチベーションを保ち、質の高い学習効果を得るために欠かせません。
デバイス
デバイスとは、オンライン授業を受けるために必要となるウェアラブル端末のことで、具体的には
- スマートフォン
- タブレット
- パソコン
上記のようなものが挙げられます。
授業を受ける側でも、管理する側でもデバイスは必須となるので、十分なスペックを持っているデバイスを用意しなければなりません。
近年のデバイスにはカメラやマイクが内蔵されていますが、カメラやマイク内臓の方が簡単に授業に出席できます。
通信設備
デバイスがあっても、配信を移すためのインターネット環境が無いと意味が無いので、併せてWi-Fiなどのインターネット回線を用意する必要があります。
特に、ライブ配信の授業を行う場合は双方向のコミュニケーションが重要となるので、通信環境が悪いと音声が途切れたり自分の発言が相手に聞こえないという事象が起きてしまいます。
スムーズに学習するのはもちろん、質の高い学びを得るためにも、通信環境をしっかり整えておくことが重要です。
撮影用カメラ・マイク
授業を提供する側は、撮影用のカメラやマイクを用意する必要があります。
自身の授業動画を撮影するためのカメラやマイクを持っておくことで、クオリティの高い映像を生徒に届けることができるので、高品質なものを選ぶと良いでしょう。
学校の場合は予算との兼ね合いもあるでしょうが、安いカメラやマイクは音声や画質が悪いので、注意してください。
オンライン授業導入の際の注意点
続いて、オンライン授業を導入する際の注意点について解説していきます。
日本のオンライン教育の歴史は浅いので、しっかりと注意点について把握しておきましょう。
生徒の通信環境を確認する
オンライン授業を受けるためには、上記で挙げたようなデバイスや通信環境などが必要となります。
しかし、過程の中にはWi-Fi環境が無かったり、そもそも自分用のパソコンを持っていないという可能性が往々にしてあります。
つまり、オンライン授業は通信環境やツールが学習の進捗状況や理解度に大きな影響を与えるので、特定の生徒が置いてけぼりにされないためにも生徒の通信環境を確認することは重要です。
日本の全ての教育現場でオンライン教育が導入できるわけではなく、まだまだインフラ面において課題があるのは事実なので、生徒の通信環境やツールの確認は欠かせません。
ITリテラシーに満足度が左右されることも
パソコンやスマートフォンを上手く使えない生徒は、学習管理機能システムを上手に使いこなせずにオンライン授業を満足に受けられない可能性があります。
つまり、受講する側のITリテラシーの差によって授業の満足度も左右されることがあるので、教員側がITリテラシーの差を埋められるようにする必要があります。
画面の操作や資料のダウンロード方法など、レクチャーできる箇所に関してはしっかりと行っておき、学習の進捗や理解度に差が生まれないようにしましょう。
リモート授業を受けられる場所があるか
そもそも、生徒側にリモート授業を受けられる場所があるかどうか確認する必要があります。
例えば、自分の部屋が無い生徒の場合はリビングで授業を受けることになりますが、リビングで両親がリモートワークをしている可能性もあります。
このように、「自分の部屋が無い」というだけで効果的なオンライン授業が受けられない生徒がいる点にも配慮する必要があると言えるでしょう。
学位付与することは可能
オンライン授業でも、学位の付与や成績をつけることは可能です。
オンライン授業では、出席確認やテストのカンニング対策が難しいのは確かですが、近年普及している「顔認識システム」を活用した出欠確認方法が考えられます。
また、カンニング対策の一環として「試験だけは学校で実施」という教育機関もあるので、参考にすると良いでしょう。
他にも、テストの形式を「レポートの提出」にすればカンニング効果は無くなるので、こちらも試してみる価値があります。
授業の出席や理解度は図れるか
オンライン授業では、生徒側がきちんと授業を受けているのか確認が難しく、また授業内容を理解しているか把握するのが難しいです。
質疑応答はチャットで行うことができますが、「チャットが来なければ理解している」ということには必ずしもなりません。
そこで、ライブ配信の場合は適宜質問を集める時間を設けてみたり、オンデマンド配信の場合は閲覧記録を取るなど、理解度の確認が可能です。
他にも、授業の理解度チェックテストを行ったり授業のレポートを提出させることで理解度の確認ができるので、取り入れてみると良いでしょう。
電子機器の長時間使用を考慮
先述したように、長時間にわたってウェアラブル端末を見ることになるオンライン授業では、目への負担が重くなったり難聴などにつながるリスクが高まります。
健康を害さないためにも、電子機器の長時間使用を考慮した上で、適切な使用時間を意識する必要があります。
例えば、授業中であっても30分おきに立ってストレッチを行ったり、目を休めるために小休憩を挟むと言った方法が考えられるでしょう。
慢性的な肩こりや眼精疲労は生産性の減少にも繋がるので、配信側が配慮してあげましょう。
障害がある人は授業を受けにくい
オンライン授業は、あくまでも目や耳が健常である人を想定しているので、障害者がある人は授業を受けにくい特徴があります。
そのため、耳の不自由な人や目の不自由な人にとっては、オンライン授業を受けるにあたって制限を受けてしまうので、効率よく勉強できなくなってしまいます。
そのため、もしクラス内に視覚や聴覚に障害を抱えている人がいる場合は、一律でオンライン授業を導入するのは悪手です。
聴力や視力に問題を抱えた人に対しては、従来の対面授業を行うなどして、柔軟に学びの場を提供することが重要と言えるでしょう。
オンライン授業を成功させるポイント
続いて、オンライン授業やオンライン講義を成功させるためのポイントを解説していきます。
効率よくオンライン学習を提供するためにも、成功のコツやポイントを知っておきましょう。
事例を多く集め具体的に授業をイメージする
実際にオンライン学習を導入する前に、様々な学校や予備校などのオンライン授業の成功例や失敗例をたくさん集めると良いでしょう。
成功例は上手に取り入れ、失敗例は反面教師に知ることで質の高いオンライン学習を提供できるようになります。
また、参考事例の成功要因や失敗要因を考えながら、目指すべき方針と照らし合わせることで具体的な授業をイメージできるようになります。
「どのような教育を実現したいか」「オンライン授業をどのように活用したいか」をイメージしておき、参考事例を集めてみてください。
最初はスモールスタートで
いきなりすべての授業をオンライン化しようとしても、なかなか上手くいかないケースの方が多いでしょう。
配信側も受講生側も慣れていないと尚更ですが、特に学習管理システムにおいては初めて体験する機能が多いので、戸惑ってしまうことが多くあります。
そのため、いきなりすべての学習や授業をフルリモートにするのではなく、まず学習管理システムの一連の流れを体験するなどスモールスタートすることをおすすめします。
課題を把握しつつ、ノウハウを積んでから本格的に移行すれば質の高いオンライン学習の場を提供できるでしょう。
オンライン教育の協力者を増やす
十分にオンライン学習やインターネット授業のノウハウが無い場合は、オンライン教育の協力者を増やすことをおすすめします。
学校や塾で「このようなインターネット授業を進めたい」 という考えがあっても、十分なノウハウが経験が無いと実現するのは難しいです。
しかし、内外に関係なく理解者や応援者を増やして、協力を仰ぎながらインターネット授業を進めると、成功体験を積むことができるでしょう。
小さくても、成功体験を重ねれば成功事例が蓄積され、その後のにも活かせるので、「詳しい人材に任せる」「協力者を増やす」ことも非常に重要です。
オンライン授業導入例
続いて、実際にオンライン授業を導入した事例を紹介していきます。
学校教育
やはり、学校の教育現場ではオンライン教育の導入が急務となっています。
実際に、感染症の拡大によって緊急事態宣言が発令された際に、多くの学校でオンライン授業が行われたことから、オンライン授業が広がる可能性が最も高い分野であると言えるでしょう。
なお、現在問具科学省が「GIGAスクール構想」(1人1台端末を持ち、⾼速⼤容量の通信ネットワーク環境などを整備すること)が進められており、これからますますオンライン授業の普及が期待されています。
他にも、文部科学省はグローバル化に対応した英語教育改革を進めており、公立・私立に関係なくオンライン英会話を授業に導入する学校が増えています。
学習塾・予備校
学習塾や予備校などの、教育ビジネス分野においてもオンライン学習の導入が盛んです。
多くの塾や予備校で「ITと人が融合した学び」を導入しており、学校よりも柔軟に動ける強みを活かして、積極的にオンライン授業が導入されています。
元々、学習塾や大手予備校では「オンデマンド授業」「ライブ授業」が行われていましたが、2020年以降はコロナウイルスの影響によってオンライン授業を導入する塾が飛躍的に増えました。
大学・大学院のサテライト校
サテライト校とは、学校の校舎から離れた場所に設置された校舎を指しますが、大学・大学院のサテライト校でもオンライン教育が導入されています。
サテライト校では、オンライン講義と対面授業を組み合わせて講義を行うことが可能で、生徒の都合に合わせて教育の場を提供できます。
特に、コロナウイルスの影響で、キャンパスから配信されるオンライン講義とサテライト校における対面授業を組み合わせた「ハイブリッドラーニング」を提供する大学も増えました。
サテライト校があることで、大学生が学生同士で交流できるスペースとしても活用できるので、コミュニケーションの場を設けるという意味合いでも活用できるでしょう。
企業内研修
一般的に、社会人は学生よりも勉強に充てられる時間が少ないことから、多忙な社会人の場合はスマホやタブレットでも受講できるオンライン教育が効率的です。
実際に、オンラインの企業内研修として、社内の知識共有やスキルアップのためにeラーニングを導入する企業が増えています。
通勤時間でもリモートワーク中でも学べる環境を整備することで、社員のアウトプットの質の向上が期待できるでしょう。
リカレント教育
近年は、多くの企業が社会人の再教育を行う「リカレント教育」が注目を集めています。
仕事をしつつも自己啓発に励む「リカレント教育」を通して、社会人としての人材価値がますます高まることから、導入する企業も増えています。
文部科学省では、「大学・専門学校等における社会人受講者数を2022年度までに100万人」を目標としており、実際に30・40代になってリカレント教育に着手する人は増加傾向です。
転職市場の高まりもあり、今後の需要拡大が見込まれることから、導入事例も増えていくでしょう。
オンラインでの習い事
近年は、習い事のオンライン化も進んでおり、オンラインジム・ヨガ・サークルなどで導入されています。
例えば、オンラインヨガではトレーナーがパソコンの前でポーズをとってリアル配信するなど、遠隔でも習い事を受けられる点が好評です。
また、システムによっては「講師側からのみ受講生が見える」といったものもあるので、他の受講生に知られたくないという人でも安心して気軽に受講できる魅力があります。
オンライン授業でよくある質問
続いて、オンライン授業でよくある質問を紹介していきます。
ライブ授業の効果的な方法は?
ライブ授業では、教員側と生徒側がリアルタイムでコミュニケーションが取れるので、この強みを生かすようにすると良いでしょう。
コミュニケーションがあれば学習意欲を維持しやすくなるので、実際の対面授業と変わらないクオリティを維持できます。
また、塾や予備校においては、有名講師を招いてライブ授業を行えば、受講者の満足度アップや受講者数自体の増加が期待できます。
リアルな対面授業では不可能だったことでも、ライブ配信のオンライン授業で実現すれば満足度が高まるでしょう。
オンデマンド授業の効果的な方法は?
オンデマンド授業の活用例の1つに「反転授業」というものがあるので、参考にすると良いでしょう。
反転授業とは、これまでに授業で行った内容はオンデマンドで学習し、教室授業を行う際に応⽤や実践に取り組む授業を指します。
- 基礎は自分で繰り返し学習
- 応用内容や不明点があれリアルな授業で先生に直接質問
- グループワークやロールプレイングもリアルな授業で行
上記のような進め方になりますが、オンライン授業と対面授業を予定している場合は参考にしてみてください。
オンデマンド授業の注意点は?
オンデマンド授業は、受講者はいつでも都合がいいタイミングで視聴できるメリットがありますが、その反面「配信期間終了間際ギリギリで受講する」という人が少なくありません。
また、うっかり受講期間が過ぎてしまうケースもあるので、配信側は受講生の受講状況を定期的に確認する必要があるでしょう。
せっかく配信しても、受講生が見なければ意味がありませんから、LMSに搭載されている「自動メンタリング機能」を利用することも検討しましょう。
自分に適した形式や運営方法を知るためには?
考えている配信内容と近い内容の導入事例を参考にすると良いでしょう。
成功事例の良いところは盗み、失敗事例の悪いところは反面教師にすれば、大きな失敗は防ぐことができます。
また、最初はスモールスタートで始めて、徐々にオンライン授業のノウハウを蓄積していくことをおすすめします。
オンライン授業開催のおすすめのツール
最後に、オンライン授業開催のおすすめのツールを紹介していきます。
Zoom
Zoomは、最大1,000人がミーティングに参加可能で、最大49人までビデオ画面に表示できるおすすめのオンライン授業ツールです。
動画の録画が可能で、また人工知能による自動文字起こし機能も付いているため、ライブ型でもオンデマンド型でも対応できる強みがあります。
他にも、チャットで質問を受け付けたり、アンケートで反応を集計する機能も付いているので、質疑応答の場面でも活用できます。
MetaLife
MetaLifeは、オンラインのスペースに授業参加者のアバターが集まり、アバター同士を近づけることで会話できるコミュニケーションツールです。
従来のオンライン授業では質問などの双方向のコミュニケーションが取りづらいことがデメリットでしたが、MetaLifeを使えば近くにいるアバターと周りの声を気にせず気軽にコミュニケーションを取ることができます。
また、アバターが自由にスペース上を動き回ることができるので、いろいろな授業形態で実施することができます。具体的には、
- 普通のオンライン授業のように、先生が全員に対して授業を行う。
- 生徒がグループごとに分かれてディスカッションなどを行う。
- 生徒が自習を行い、質問がある場合はアバターを近づけて個別に対応する。
など、目的に合わせて授業の形態を選ぶことができるため、より質の高い授業を行うことができるでしょう。
Google Meet
Google Meetは、Googleが提供しているWeb会議ツールですが、オンライン授業の場でも活用されています。
最大10万人のユーザーが視聴できるライブ授業も配信できるため、教育現場であれば十分なスペックを備えています。
また、ネットワーク速度に応じて設定が自動調整されるので、どこにいても高品質なオンライン授業を受けることが可能です。
Q&A機能を用いた質問受付や、アンケート機能も活用できるので、質疑応答も問題なくこなすことができます。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Office365の機能の一つとしてMicrosoftが提供しているWeb会議ツールです。
Word・Excel・PowerPointのファイルをクラウドで共有でき、必要に応じて授業中に活用できる強みがあります。
最大1万人が同時に参加可能で、チャット・通話・ビデオ共有をシンプルに まとめられる利便性の高さが魅力です。
Cisco Webex
Cisco Webexは、最大1,000人がオンライン授業に参加可能で、ミーティング中のデスクトップやファイルも共有できるので必要に応じて資料を画面に表示できます。
コミュニケーション機能が付いているので、参加者間で簡単に授業内容を確認でき、また双方向でスムーズにやり取りできるホワイトボード機能も搭載されています。
高度なノイズ除去と音声強調機能が搭載されているので、集中して授業に参加できるでしょう。
V-CUBEミーティング
V-CUBEミーティングは、世界最高水準の映像と音声の技術を採用している有用なオンライン授業ツールです。
授業参加者の顔を映像で確認でき、また双方向にコミュニケーションが取れるので、対面授業に近いオンライン授業が可能となっています。
また、学校同士を遠隔で繋ぐ機能も付いており、他校と交流を図りたい場面でも活用できるでしょう。
接続性が良く、高画質の映像が途切れにくい点も人気を得ています。
Eventln
Eventlnは、大人数でも同時に講義を聞くことができるコミュニケーションツールです。
プレゼンモード・トークモードなど場面に応じて機能を使い分けることができ、また参加者のログ出力などのデータ分析も可能なので出席確認も容易に出来ます。
テーブル単位で分かれて話ができるため、ディスカッションしながら授業を進めたいという場面でも活用できるでしょう。
もちろん、Q&Aや質疑応答にも対応できます。
Slack
Slackは、情報やツールをまとめるコラボレーションハブであり、多くの大企業でも導入されている実績があります。
Slackコールを使ったビデオチャットは最大15人まで参加可能なので、オンライン授業でも活用できるでしょう。
- オンデマンド授業やライブ授業で質疑応答する
- 授業に関連して学生に指示を出す
- 学生と教員間でコミュニケーションを取る・学生間でコミュニケーションを取る
上記のような用途で利用できることに加えて、社内研修をslackで行っている企業も多くあることから、様々な場面で活躍するツールと言えるでしょう。
LMS
続いて、おすすめの学習管理システム(LMS)について紹介していきます。
Learn0
Learn0は、法人で年間35万人以上が利用している人気のeラーニングシステムです。
初期費用は0円で月額利用料も4,900円から(業界最安値!)となっており、最短1か月から導入できる手軽さが魅力です。
また、動画コンテンツの配信や受講者の管理が簡単にできることから、オンライン授業のノウハウが十分にない企業でも導入しやすいでしょう。
スライドコンテンツはPDFでアップロードが可能で、管理画面に対しては「シンプルで見やすい」「受講状況を確認しやすい」という声があるので、利便性の高さは申し分ありません。
AirCourse
AirCourseは、クラウド型の受け放題の動画研修が付いたeラーニングシステムです。
自社のオリジナルコースも簡単に作成・共有できる上に、充実した管理機能と優れたユーザインターフェースを誇っており、「直感的に操作できる」という利便性の高さが魅力です。
組織やグループ単位での学習管理が容易で、導入するための初期費用が0円となっていることから、気軽に導入しやすい点も好評を得ています。
Qumu
Qumuは、企業内で利用する動画の作成・配信を行うことのできる企業内動画配信プラットフォームです。
誰でも簡単に使える動画制作・編集ツールをはじめ、視聴解析やレポーティングの機能までついているので、動画での情報に必要な全ての過程を抑えられる強みがあります。
簡単で直観的な動画作成編集ツールと操作性に優れたビデオポータルとなっているので、オンライン研修に慣れていない人でも安心です。
LMSと連携が可能なのはもちろん、Zoomとも連携しているので録画データを自動配信することも可能なので、非常に便利です。
オンライン授業まとめ
- 移動時間が削減できるので、勉強のパフォーマンスが上がるメリットが期待できる
- 学習管理システム・デバイス・通信設備・撮影用カメラ・マイクは必須
- 様々な事例に関する情報を集め、最初はスモールスタートするのがおすすめ
- 学校はもちろん、リカレント教育や習い事などの場面でも活用されている
オンライン授業は、生徒側にも配信側にも大きなメリットがあることから、今後も様々な場面で活用されるでしょう。
メリットはもちろんですが、デメリットがある点にも注意を向けて、適切に対応することで質の高いオンライン教育が提供できるでしょう。
また、オンライン教育を本格導入する際には、本記事で紹介したやり方やツールを参考にして、目的に最適な方法を模索してみてください。
特にMetaLifeでは、普通の授業だけではなくディスカッションなどの形態でも簡単に授業を行うことができるので、オンライン授業ではやり方が限られてしまうと感じている方にもおすすめです。
MetaLifeを使って、実際の教室で行うような感覚でオンライン授業を実施してみてはいかがでしょうか。