「リモートワークの導入で離職率が下がるって本当?」

「リモートワークの導入事例について知りたい!」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

近年は、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークを導入する企業が増えています。

しかし、リモートワークを導入することで離職率に様々な影響を及ぼすので、メリットとデメリットについて知っておくことは重要です。

こちらの記事では、リモートワークの導入が職場の定着率や離職率に及ぼす影響や、リモートワークの問題点などを解説していくので、ぜひ参考にしてください!

リモートワークと離職率の関係についてざっくり説明すると
  • 社員の不満が解消し、離職率の減少に繋がりやすい
  • 「びっくり退職」が起こりやすくなる点には注意
  • リモートワークは多くの社員からは好評を得ている

リモートワークの導入による離職率への影響

PCをいじる人

まずは、リモートワークを導入することによる離職率への影響について、プラスとマイナスの両面について紹介していきます。

社員の不満が解消し離職率の減少につながる

リモートワークを導入することにより、社員は出勤する手間と労力をカットできるので、働く場所や時間に対する制限が減るメリットがあります。

地震や災害などで公共交通機関がストップしたり、家庭の事情で遠方に引っ越すことになるなど、何かしら出社が困難な状況が発生してもリモートワークであれば関係ありません。

そのため、何らかの事情で出社が難しくなったとしても、退職する社員が減少して離職率低下の効果が期待できる点は大きなメリットです。

実際に、親の介護や子育てなど、一身上の都合で遠方への引っ越しを余儀なくされた場合に退職してしまう社員は一定数いますが、優秀な人材の離職を防ぐ効果がリモートワークにはあります。

テレワークにより退職者が増える可能性も

一方で、リモートワークのデメリットとして通常時よりもコミュニケーションの機会が減ってしまう点が挙げられます。

また、同じチームの社員の動きも分かりづらく、疎外感を感じて働くモチベーションを失ってしまう社員も一定数いるのも事実です。

特に、コミュニケーションが不十分だと相談できる相手を見つけることができず、最終的に退職に至ってしまうケースもあります。

つまり、リモートワークを導入する際には、離職率の上昇を防ぐために何かしらの対策を講じる必要があることも事実です。

リモートワークだと「びっくり退職」が起こりやすい

「びっくり退職」とは、上司が部下に退職の意思があることが全く分からず、何の前触れもなく突然退職することを指します。

本人にとって離職はネガティブなアクションでありますが、会社にとっても採用・育成コストをかけた若手社員が離職してしまうのは痛手となります。

先述した「びっくり退職」が起こってしまう要因はコミュニケーション不足ですが、さらに突き詰めると上司と若手社員の認識ギャップです。

上司は部下である若手社員の働きぶりや勤務態度を評価していても、本人に伝わっていないと意味がありません。

「自分はしっかりと評価されているのか?」「自分は適正な評価を受けていない」と感じると、仕事へのモチベーションが失われてしまうのは仕方のないことと言えます。

コミュニケーション不足が原因で、若手が自分の評価に不満を抱えて、離職や転職を検討するようになるのはもったいないことです。

リモートワークではコミュニケーションの機会が不足してしまいがちですが、期待の若手社員の離職を防ぐためにも、コミュニケーションを取ることが非常に重要であることを認識する必要があります。

こまめに仕事のフィードバックを行ったり、本人にねぎらいの言葉をかけたり本人の承認欲求満たすことで、離職率の低下に繋がるでしょう。

リモートワーク(テレワーク)のメリット

リモートワーク

それでは、リモートワーク(テレワーク)のメリットについて具体的に見ていきましょう。

通勤時間がなくなる

リモートワークを導入することで、自宅やカフェなど自分の都合がいい場所から仕事ができるので、通勤という概念が無くなります。

通勤は「痛勤」と揶揄されることもありますが、通勤時間が短縮できたり通勤の必要が無くなることで、社員が通勤によるストレスによって消耗することを防ぎ、仕事に集中できるメリットが期待できるでしょう。

都市部にオフィスがある企業だと満員電車に揺られながら出社する必要がありますが、通勤によるストレスは非常に大きく、仕事の生産性にも影響を及ぼしています。

リモートワークの場合は、通勤ストレスを無くすことができることから、仕事のモチベーションの向上に繋がる可能性があることから、社員にとっても企業にとってもメリットは大きいでしょう。

経費の削減につながる

リモートワークを導入することで、下記のような経費の削減に繋がります。

  • 社員の交通費
  • 出張費
  • オフィスの維持費
  • 印刷費

実際に、多くの企業がリモートワークを取り入れた結果「オフィスは不要」と判断して、テナント契約を解除しています。

また、出社の必要が無くなることで交通費が削減でき、また社内会議や商談もオンライン化することで出張費もカットできます。

さらに、クラウドサービスなどのリモートワーク応援ツールを活用することでペーパーレス化が進み、印刷費などのコストもカットできるでしょう。

業務の停滞リスクを分散できる

もしリモートワークを導入していないと、公共交通機関がストップした際に業務が回らなくなってしまいます。

会社の機能が麻痺してしまうと、業務が停滞して多方面に迷惑をかけてしまう可能性が高いですが、リモートワークであればそのようなリスクを大きく軽減できます。

もし災害で会社が被災したとしても、インターネット環境があれば業務を継続できることから、リモートワークの導入は業務停滞リスク軽減できるメリットがあるのです。

働き方改革の一環として実施できる

調査グラフ

株式会社DYMが2021年卒業の就活生849人を対象に行ったアンケート結果によると、「入社の際に重視すること」の問いに対して、「テレワーク・リモートワークなど場所に縛られない働き方」と回答した就活生は321人もいました。

出典:株式会社DYM「就職活動に関する調査」

つまり、現在では多くの若者が時間や場所に縛られない働き方を希望していることになります。

リモートワークを導入することにより、「ホワイト企業である」というイメージを世間に持ってもらえるので、優秀な人材確保にも繋がるでしょう。

また、近年は「働き方改革」という言葉を見かける機会が増えましたが、ワークライフバランスを求める社員にとって、リモートワークは私生活の時間も確保できる望ましい働き方と言えます。

場所にとらわれず人材を獲得できる

リモートワークであれば、場所や時間の制限が少なくなるため、社員の採用エリアを大きく広げることができます。

フルリモートであれば、全国・海外規模にまで採用エリアを広げることも可能となるので、場所に関係なく優秀な人材を確保できるようになるでしょう。

実際に、2022年6月9日の日本経済新聞によると、勤務地不問の求人数、コロナ前の11倍になったことが分かっています。

また、近年はWeb面接などの導入で容易に採用活動を行えるようになったことから、中小企業も採用規模を全国に拡大するメリットは十分にあるでしょう。

リモートワーク(テレワーク)のデメリット

続いて、リモートワーク(テレワーク)のデメリットについても確認しておきましょう。

勤務時間の管理が難しい

テレワークを導入すると、社員の勤怠管理に関しては自己申告制になるケースが多いです。

オフラインの場合、仕事の開始時刻や退勤時刻を容易に把握できますが、オンラインの場合は正確に把握することは難しいです。

自己申告であることを悪用して、残業代を稼ぐために実際よりも長時間働いていると申告する場合も考えられます。

また、逆に企業側が必要以上の労働を要求してしまう可能性もあるので、勤務時間の管理に関して課題があると言えるでしょう。

対応できない業務が発生する

そもそも、リモートワークの導入ができない仕事もあります。

例えば、製造業の生産ラインにおいて、製品の管理や目視チェックなどの仕事は、実際に現場へ出勤しなければできません。

また、同じ会社組織の中でも、テレワークができる仕事とできない仕事があると、不公平感が発生してしまうという問題もあります。

つまり、本人の意思に関係なく仕事内容によってテレワークの可否が決まることで、社員の中で不平不満が発生するリスクを孕んでいます。

コミュニケーションが足りなくなる

リモートワークだと、実際に出社する場合よりも社員同士でのコミュニケーションが不足してしまいます。

実際に社員同士で顔を合わせなくなることで、簡単に質問できなくなったり、雑談から生まれていた新たなアイデアが得られなくなってしまう点はデメリットです。

また、上司や先輩とのコミュニケーションが不足すると「自分はしっかりと評価されているのだろうか」という不安を抱いてしまうので、コミュニケーション不足が様々なストレスや不安を誘発してしまう恐れがあります。

社内の情報が漏れる危険性が高まる

リモートワークだと、会社のパソコンやタブレットなどを外部に持ち出して仕事をすることになります。

つまり、社員が各自で社内情報を持ち運ぶことになるので、必然的に情報漏洩が発生するリスクは高まってしまいます。

全ての社内情報を社内LAN内で管理していた企業などにとっては、リモートワークの導入に心理的抵抗が大きいのは事実です。

柔軟な働き方ができる一方で、社内の情報が漏れる危険性が高まる点は知っておくべきでしょう。

リモートワークを定着させる際の問題点と解決策

それでは、リモートワークを定着させる際の問題点と解決策について紹介していきます。

オンライン環境の整備やセキュリティ対策

リモートワークを導入する際には、各社員がオンライン環境を整備する必要があります。

そのため、パソコンを持っていない社員に対しては「用意させる」か「社用パソコンを貸与」し、Wi-Fi環境も整備しなければなりません。

また、社内のデータを社外からアクセスする必要もあるので、データの管理に問題が発生しないように対策する必要があります。

自宅のネット環境や無料のWi-Fi環境を使用する場合、ウイルス感染や情報の抜き取りなど情報漏洩するリスクが伴います。

解決策

セキュリティ対策に関しては、事前に社員に対して研修を行ったり、会社情報へのアクセスを会社が配布した端末のみで行わせるなどの方法が考えられます。

現在、セキュリティ対策が万全なクラウドシステムや、閉域接続が可能なネットワークシステムなどが開発されているので、これらのツールを利用すると良いでしょう。

勤務時間を把握する手段の構築

テレワーク中は勤務時間を正確に把握することが困難です。

自主申告制を採用する手もありますが、虚偽の申告をする社員がいないとも限らないので、やはり勤務時間を把握する手段の構築はマストでしょう。

解決策

社員の勤怠時間に関して、きちんとシステムや規定を導入することで正確に把握することは可能です。

例えば、メールなどのコミュニケーションツールを利用して上司への業務開始時刻と終了時刻の報告を義務付けたり、勤怠管理がチェックできるツールを導入する方法があります。

また、会社のシステムへのログイン・ログアウト時間で実際に仕事に従事していた時間を管理できるので、これらのシステムやツールを上手に活用すると良いでしょう。

人事評価制度の整備

リモートワークだと、社員の仕事のプロセスを随時確認できないので、適正かつ公平な人事評価が難しいデメリットがあります。

業務成果だけが人事評価の材料になりがちなので、仕事の過程における頑張りや工夫を無視した、結果主義に偏った人事評価になってしまう恐れがあります。

本来、人事評価においては結果だけでなく過程やプロセスも評価されるべきものなので、もしバランスの悪い人事評価が行われると、不公平さから仕事のモチベーションを失ってしまう社員も出てくるでしょう。

解決策

適正かつ公平な人事評価を行うためには、テレワークの業務プロセスを把握できるようにする必要があります。

業務の進行度やプロセスを把握するために、日報の提出を課したり、週に1回や月に1回など定期的に出社して成果物の報告を課すことで解決できるでしょう。

リモートワークでの離職を防止するための方法

リモートワークのデメリットとして、社員同士が密なコミュニケーションが取りづらくなってしまう点などをお伝えしてきました。

その結果、職場に定着できず離職にも繋がりやすくなることから、リモートワークを導入する中で社員のモチベーション低下を防ぐための対策法を紹介していきます。

コミュニケーションしやすい体制を作る

リアルにオフィスへ出勤する場合であれば、仕事の中で分からない部分があっても少し話すだけで解決します。

しかし、テレワークの場合はわざわざメールやチャットでやり取りすることになるので、かなり手間がかかるのは否めません。

気軽に連絡できる環境を整えるためにも、チャットツールやツールを活用してコミュニケーションが取りやすい体制を作ることが重要です。

実際のオフィス内のようなスムーズな会話まではいかなくても、「いつでも気軽に質問できる」という空気を作ることで、働きやすくなるでしょう。

その際におすすめのツールがMetaLifeです。

MetaLifeは、以下の画像のように、社員がアバターとなってオンライン空間上に集まることができるバーチャルオフィスツールです。

MetaLife

アバターは自由に空間上を移動することができ、近くにいるアバター同士で会話することができます。

話したい人のアバターに近づけば、カメラ・マイクオンで話すことができ、社内のコミュニケーションを活性化させることが可能です。

リモートワークの中でもコミュニケーションを活性化させたいとお考えの方は、ぜひMetaLifeを利用してみてください!

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社員同士が気軽に話せるスペースを用意する

Apple創業者であるスティーブ・ジョブズも「雑談の中からイノベーションが生まれる」と述べていますが、雑談から新たなアイデアが生まれることは多いです。

しかし、テレワークだと雑談がしづらくなってしまうので、人間関係が発展しづらく、新たなアイデアも生まれにくいデメリットがあります。

そこで、社員同士が気軽に話せるツールを導入し、雑談できる環境を整えることで仕事の生産性は上がります。 また、雑談をすることでストレス解消効果も期待できることから、職場への定着率も高まるでしょう。

おすすめは、MetaLifeで雑談スペースを作成することです。MetaLifeは、スペース内に看板を設置することができ、「作業用」「雑談用」「会議用」などと区分けすることができます。

雑談用スペースを作成すれば、社員はアバターを動かすだけで気軽に会話を楽しむことができますし、作業や会議に集中している人の邪魔をすることもありません。MetaLifeはリモートワークでの雑談を生み出すのにぴったりのツールと言えます。

目標設定を整備する

リモートワークでは、管理者や上司が社員の行動把握ができなくなるので、目標設定もあいまいになりがちです。

働くモチベーションを高めるためにも、リモートワークでも目標設定ができるように体制を整える必要があります。

例えば、目標管理のフレームワークOKRなどを導入すると、目標設定がしやすくなるので、一考する価値があるでしょう。

1対1で話し合う機会を設ける

上司としっかりとコミュニケーションを取ることで、部下は安心して働けるようになります。

そのため、上司と部下のコミュニケーションを取る場を設けて、意思疎通を図るためにも1on1ミーティングを導入すると良いでしょう。

このように、1対1で話し合う機会を設けることで「自分はしっかりと評価してもらえている」と感じるので、離職率の低下に繋がるでしょう。

リモートワークだと孤独を感じやすいですが、職場に定着させるための工夫を行うことで、働きやすい土壌が形成されます。

リモートワーク・在宅勤務の導入事例

最後に、リモートワーク・在宅勤務の導入事例を解説していきます。

カルビー株式会社

お菓子製造と販売で有名なカルビー株式会社では、1991年から他社に先駆けてフレックスタイム制を導入し、その後も

  • 2010年:フリーアドレス制度導入
  • 2014年:在宅勤務制度導入
  • 2017年:リモートワーク制度導入

上記のような取り組みを行っています。

カルビーのリモートワークの特徴として、毎日、自宅からでも自宅以外からでもリモートワーク勤務が可能であり、またボトムダウンで管理職や人事の人々から社内への周知が行われていた点が挙げられます。

社員が心地よく働けるように、多くの取り組みを先駆けて行っているため、参考になる部分は多いでしょう。

サイボウズ株式会社

グループウェアやクラウドサービスの開発・販売・運用で有名なサイボウズ株式会社では、2010年より在宅勤務制度を試験的に導入しました。

東日本大震災の際には、東京オフィスにおいて在宅勤務を一時原則化したり、2012年からは働く場所・時間の自由化する「ウルトラワーク制度」を導入するなど、積極的にリモートワークを取り入れています。

また、2018年以降は、社員が希望の働き方を宣言する「働き方宣言制度」を導入し、十人十色の働き方を実現しています。

他にも、

  • 営業活動・社員の採用面接はすべてWeb
  • コミュニケーションの機会を増やすためにリモートランチやリモート飲み会を開催

など、上記のような社員満足度が高まる取り組みを行っています。

freee

「会計freee」「人事労務freee」など、事務を効率化させるクラウドサービスを開発・運営しているfreee株式会社では、2020年3月のコロナ発生時から「原則在宅勤務」へ移行しました。

freeeの行った取り組みの特徴としては、

  • 雇用形態に関係なく全従業員をフルリモート化
  • 捺印撤廃・ペーパーレス化・ビデオ会議の導入を行い、出社不要のシステムを整備
  • 社外にもリモートワークを推進

上記のような内容が挙げられます。

その結果、自社リモートワーク率は99%に達し、社外にもモデル就業規則やノウハウを提供することで、リモート勤務のメリットを広めています。

リモートワークと離職率の関係まとめ

リモートワークと離職率の関係まとめ
  • 基本的にリモートワークを導入した方が離職率は低くなる
  • リモートならではの問題点があるが、解決策はある
  • 多くの企業で導入実績があるので参考にすると良い

近年はリモートワークを希望する日が増えていることから、リモートワークを導入することで離職率は低くなる効果が期待できます。

しかし、コミュニケーションが不足するなどの問題もあるので、解決策を用意しておくことが重要となります。

こちらのトピックを参考にして、上手にリモートワークを取り入れて社員満足度を高めていきましょう。